「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由

著者 :
  • 英治出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760838

作品紹介・あらすじ

「インプット」を「結果」につなげる人の違いとは?60歳での起業は、1時間で決めました。前例なしの生保立ち上げに成功し、業界に戦いを挑む。静謐かつ情熱的なベンチャー社長が実践する「ものの見方」の鍛え方。

感想・レビュー・書評

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  • 直感→ストックしてある知識,情報の量が多い→精度が上がる。
    人生は99.9%思うようにならない。
    0.1%にかけなければ,何かをなしとげることはできない。

    風が吹いたときに凧を揚げる→そのための準備をしておく。

    ココ・シャネル「世界は毎日単純になっていく」
    →学べば,ひとつ謎が消える。

    自分が立っているところを中心に,同心円をえがくように世界が広がっている?→閉じた世界の居心地の良さに甘んじている。

    自分の軸を持つことで,閉じた世界から外に出ることが恐怖でなくなる。
    →実はワクワク楽しいこと

    常に公を考える人間でありたい。
    林則徐「漢訳しておけばいつかは誰かの役に立つだろう」

    優秀なビジネスパーソン→ただし,「会社の中で」→パーツ

    軸→思考する際の前提条件
    すべてのものはトレードオフ→いいとこどりはできない

    新卒,ネクタイで名刺交換→いつからか違和感なし

    タテ,ヨコ思考
    タテ→歴史 過去との比較
    ヨコ→他国との比較 財政赤字 女性の社会進出 →日本の劣点

    インプットの絶対量不足
    →あるところを境にアウトプットができるようになる。

    小さな危険にぶつかる経験を積み重ねることで,大きな危険を直感で判断し,避けることができる。

    免許申請時に書類をチェックするのは第一線のスタッフ
    →正攻法は正規の手順
    「美学のような非合理的なものを仕事にもちこむのは嫌いだ。法治国家なので,必要な条件を整理して,端からクリアしていけばよい」

    英国の幼稚園→顔が違う,考えが違う→「自分の意見をはっきり,わかりやすく伝えなければなりません」

    冷戦の終結→日本の経済的凋落→外的要因が大きかった証拠
    80年代英国大使館の友人「ソ連を敵国としているなら,ロシア語を勉強する学生を増やす政策をしているはずだ」
    →今の韓国,中国の取り扱いは?ライバル?妬みだけ?
    →日本人の危機感はその程度のもの

    新聞記事 信頼 日本72% 英国12%

  • ■所感
    出口さんの考えを学んでいると、天才の閃きやカリスマ性のような物ではない凄みを感じる。それは恐らく天才ではなかった出口さんが真摯に、愚直に積み重ねてきた経験、知識から導き出した公式を本気で読者の為になるように伝えてくれているからだと思う。

    出口さんの言葉にはこのような本である「本当に?」や「言いすぎじゃない?」といった感情は一切湧いてこず、ただただ食い入るように素直に学ばせていただくことが出来る。

    本書でもその出口さんの「思考軸」が冒頭から巻末まで一切ぶれずに記されており、読み手としてもノンストップで一気に読み上げる事が出来た。

    事業として20代、30代に向けてのサービスを展開しているだけあり、今27歳の私にとってはこれからの人生を考える上で非常に大きな刺激をいただいた一冊となった。




    ■概要

    ▼軸=思考する際の前提条件
    1.人間は動物である
    人間は決して万物の霊長ではない。「異性と仲良くする事」、「おいしものを食べる事」、「安心してぐっすり眠る事」など人間がやっている事は他の動物と対して変わらない。

    2.人間はそれほど賢くない
    賢い人も愚かな人も人間全体でみればそんなに大した差はない。

    3.人生は「イエス・ノーゲーム」
    遠い先にゴールを定め、そこに最短距離でたどり着きたいと思ってもたいていの場合うまくいかない。一度の選択違いで大きくずれる事になる。

    4.すべてのものは「トレードオフ」
    何かをとれば何かを失う。「いいとこ取り」はできない。

    5.「おおぜいの人」を「長い間」だますことはできない
    一時的に間違えたとしても長期的にみれば必ず正しい方向に向かう。

    ▼インパクトは「仕事量×スピード」
    一つ行動を起こせばそれに対して反応が起きる、そうしたらそこでまたベストだと思われる行動をとる、その繰り返しでよい方向に動いていく。
    決めた事は新鮮なうちに一気にやりきってしまう、課題にも「鮮度」があってもっとも集中できるのは取り組み始めた新鮮な時である。
    スピードはその人の生産性を決定づける重要な要因。「力=質量×加速度」というニュートン力学の公式は「インパクト=仕事量×スピード」と似ている。

    ▼答えは「タテ」と「ヨコ」にある
    ・「タテ」=歴史から見る事タテ思考
    ・「ヨコ」=他の国や地域から見る事ヨコ思考

    ▼読書を血肉にするために
    読書というのは食事と似ている。何を食べたか忘れてしまっても、栄養分は確実に身体に吸収されている。読書で得たインプットは詳細を覚えていなくとも確実に脳に蓄積されており、その人が思考する際に使う軸の基礎を形作る。

    ▼毎日違う人と会食
    30歳からライフネット設立までの三十年間家で夕食を食べたのは一回。
    限られた時間で多様なインプットをしたい。
    ・「会いたいと思った人にはすぐ会いに行く」
    ・「食事やお酒に誘われたら誰であろうと断らない」
    ・「呼ばれたらどこにでも行く」

    ▼リーダーに必要な3つのこと
    ・「やりたいことをもっている」
    ・「仲間を集められる」
    ・「チームをまとめ引っ張っていく」

    ▼組織作りの要諦
    いかに異質な人間を集められるか
    同質な人間ばかりの組織では変化に対応できない。

    同じ性質を持った人間で構成
    ⇒すぐに結果は出る
    ⇒市場や顧客ニーズが変わると対応できない

    ▼正攻法は美学ではない
    正攻法というと「美学をお持ちなんですね」と言われるが美学や品格という言葉は好きではない。最短ルートを考えた上で正規の手順で淡々と物事を進めていく、それが正攻法。

    ▼道場破りの理論
    「私は日本からきた出口治明というものだ。この分野では日本一を自負している。私と勝負をしたいならいつでもかかってきなさい。」そこで集まってきた猛者に勝てればいいし、負けても「どうすればあなたのようになれますか」と頼めばいい。

    ▼「小さな丸」より「大きな三角」
    人間には皆個性がある。尖っているからといってそれを削ってしまっては小さくなってしまう。長所と短所は表裏一体なので無理に直そうとせずに長所を伸ばしてもらったほうがいい。

  • 物事全てトレードオフの考え方。
    全てを手に入ることはできない。
    これもあれもやりたい、やらなければならないと考えると、やりたくない気持ちになる。
    これがあるから、あれはできないと考えてしまうことになってしまう。
    全てが手に入ることはないという考え方は当たり前のようで新鮮だった。
    何が一番自分にとってやりたいことなのかを考えて行動すると、自然と道は見えてくるのかもしれないと思った。

    また、直感と論理を磨くにはインプットの絶対量が必要不可欠。
    何かを決断する時、ふと閃いた時などは、自分の脳にあるインプットされた知識がつながり行動に繋がると書かれていた。
    インプットの一つとしてやはり読書は欠かせないものだと思った。
    そしてアウトプットの機会を強制的に作ることも、自分にとっては大切だと感じた。

  • 言っていることはその通りだと思う一方、あまり新しい内容はなかった

  • やっぱり出口さん、素敵な方だなぁ。
    なんだろう、この文面から滲み出る知性と鷹揚な人柄。
    直感が働くのは、頭の中に膨大な知識とか経験があるから。
    尊敬。
    最後に紹介されている本も、順に読んでいきたい。

  • 妙に、感動した。
    全体を通して非常に読みやすく、半日ほどで読了。
    読者に対して、未来をより良いものにしていこうじゃないか、という著者のメッセージが込められている気がした。
    まずは多様なインプットにより直感力を磨こうと思う。

  • 良い
    オーディオブック

  • 思考軸の考え方、どういうことかわかりやすく書いてあります。
    出来そうでできてない人が
    多いですが、社会人には必要な
    振る舞い方だと思います。

  • ○考える軸となるもの:何を自分の軸とするか
    に答えはない。人間は、動物である。

    ○日本という閉じた世界にいては、現状を打破できない。
    最初は、違和感のあったネクタイもだんだんと会社に順応してしまう。

    ○出口モットー(オススメ)
    ・会いたいと思った人には、すぐに会いに行く
    ・呼ばれたら、どこにでも行く
    →面白くなかった場合は、「明日は、早いので」と言って帰れば良い。

    ○仕事には、必ず目的があることを理解し、目的を考える。
    その目的を達成するための一番良い方法を考えること。

    ○「長所を伸ばして短所をなくす」のウソ
    →人間の長所と短所は、「同じもの」
    ex.「決断がはやい」<->「気が短い」
    ex.「自分の意見をはっきり言う」<->「協調性がない」
    ex.「瞬発力がある」<->「我慢強くない」

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著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)等多数。

「2023年 『人類5000年史Ⅴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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