ダーク・スター・サファリ ―― カイロからケープタウンへ、アフリカ縦断の旅 (series on the move)

  • 英治出版
4.44
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (696ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760685

作品紹介・あらすじ

ハイエナ、象牙の密輸、ゴミ溜め、酷使されるロバ、丸石敷きの路地にある剥き出しの汚水溝、薄暗い小屋へ客を誘いこむ暗い目をした女…セローがアフリカで見出した、西洋近代とは異なる「世界のあり方」とは。

感想・レビュー・書評

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  • 偏屈親父のアフリカ再訪記。他者に対する上から目線と皮肉っぽい文章がどうしても好きになれず、著者には共感しにくいんだけど、こういう視点を通して知らない土地を旅する気分になるのも悪くない。

  • 外国の支援や都市化によって、アフリカが衰退していく様が印象に残った。
    現地の様々な人との対話で、アフリカの闇をここまで引き出せる文章は凄い。

  • カイロからケープタウンまでアフリカ縦断の長い旅。この本に対する自分の評価はこのレビューの長さがものがたっていると思う。
    この本は単なる旅行記というカテゴリーには属さない。アフリカ諸国の歴史背景や様々な現地人たちの証言、筆者の時に厳しく、ユーモア溢れる観察眼が創り出すかなりディープな内容となっている。長い旅を通じて、30年余りの昔から進歩がない、むしろ悪くなっているアフリカ大陸の現状が浮かび上がってくる。
    こんなタフな旅をしたポールセローには、一般人らが観光旅行でみるアフリカがハリボテのようで滑稽に思えただろう。
    少し考え方が偏屈で気難しい(特に慈善団体には)感じがする筆者だか、旅の終盤でノーベル賞受賞か?となった時の反応は可笑しくて、斜に構えているけど、この人もただ普通の人なんだなと好感が持てた。

  • ポール・セローを読んだのは「モスキート・コースト」以来、ということは30年ぐらいぶりになるのかな。
    5センチ以上の厚さのある本でしたけど、とてもおもしろくて、毎晩少しずつ読むのが楽しみで、アフリカを堪能いたしました。

  •  著者は2001年1月から5か月半にわたり、アフリカ大陸縦断の旅に出た。エジプトから出発し、スーダン、エチオピア、ケニアと南下、終着点は地の果てケープタウンだ。
    「アフリカの指導者になるのは盗人になるのと同義」で、「警官は認可された盗人」であるアフリカで、政情が不安定な数々の都市(村)に苦難の末にたどり着いた著者は、それぞれの土地の住人との対話を通して、アフリカとは、「人々がそれぞれの神話を創り出し、贖いや救いや、苦悩に満ちたメロドラマや強さ、を存分に夢想する場所なのだ」と感じ、「ダーク・スター(暗黒星)」をイメージする。
     サファリはスワヒリ語で「旅」の意味だが、世界を広く見てきた著者の道行きは、単なる旅にとどまらない。

  • カイロからケープタウンまで、陸路の旅。
    旅で出会った様々な人との会話、その土地の歴史。
    「セーブザチルドレン」をはじめとする、欧米の慈善団体が及ぼす悪影響。自立の阻害。
    600ページを越す大著だが、読後の満足感は他では得られないと思う。

  • ●2001年1月~5月下旬まで、エジプト→スーダン→エチオピア→ケニア→ウガンダ→タンザニア→マラウイ→モザンビーク→ジンバブエ→南アフリカ→モザンビーク→南アフリカと移動した記録。
    訳者あとがきによると、所持金は現金2000ドルで旅を終えてもまだおつりfが来たそうな。貧乏に見えたんだろーなー。

    ●読み終えるまでとにかく時間がかかったのは、旅の景色にあんまり変化がなかったせい。そんでおっちゃんの文句が多いせい。おかげでユ××フに寄付しない言い訳ができちゃったじゃないか。←あっ
    よかったエピソードもあるけれど、慈善貴族?批判がめだつんだよな。悪いとは言わないけれど、さっきも同じことを読んだような・・・?

    ●半年あとならいろいろ事情も変わってたでしょうね。
    ともあれ昔の思い出をたずねる旅なんてするもんじゃないと思っている我が信条を補強する一冊。あかんがな。

  • 第2章まで読んでこれは買いだと思った。ぐいぐいアフリカの砂埃に引き込まれていく感じ。手元にはないのでできるだけ読み進めておきたい。

  • ムラカミくん、オススメの本。

  •  カイロから陸路でケープタウンへー。という触れ込みをみると、かつての「深夜特急」のような旅行記を思い浮かべるが、異なる種類のようだ。
    著者のポール・セローは、かつてはアフリカでボランティアの教師として働いており、「再訪」の意味も含め、日常から脱出するたアフリカへ向かう。
     考えてみれば、アフリカは人類発祥の地と考えられており、自然も豊かなはずなのに人々は貧しい。北からはキリスト教徒、東からはイスラム教が伝播。もともとの部族対立。大航海時代以降は南から白人が入植。人種差別。独立以降の混乱の中では共産主義という名の独裁、混沌。隣人がいきなり殺し合いをはじめる(ルワンダの大虐殺)。 
     やはり、何がおきているのかを確かめるためには、自分で赴くしかない。相当に名の知れた作家であるはずのセローはそうしてギュウギュウ詰めの、命知らずの運転手が運転するバスに身を任せ、一路南に向かいます(最後は自重してますが)。

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