親子の手帖 増補版

著者 :
  • 鳥影社
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本棚登録 : 218
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862658975

作品紹介・あらすじ

増補にあたり村井理子さんの解説と新項目を追加収録。
全体の改訂も行った待望のリニューアル版。
奥貫薫さん、石川直樹さん、植本一子さん推薦!

感想・レビュー・書評

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  • 本書で心に残ったこと。
    子どもが言うことをきかないとしても、親は子に対して力を持っており、それを半ば無意識に行使している。
    子どもは、親の心にある本音を、誰よりも感じている。
    そのことを、親は自覚すべきである。
    「子に対する不安が募るとき、それは子どもが不甲斐ないから不安なのだというよりも、単に親の私が私自身に対して不安なのだということに気づかなければなりません。」

    ほんとにその通りだなぁと納得。
    不安も心配も、本当のところは自分の問題。
    なのに、なぜか子どもの問題のように考えてしまう。
    子どもの受験などがからむと、ここがなかなか平静ではいられないのだけど、自分の不安が募ったとき、子どもに言葉をぶつける前に、ふと立ち止まれますように。

  • いわゆるハウツー本ではない。でもどの親子関係にも必ずある問題を丁寧に解いてくれる本だった。近道も正解もない。あるとすれば子どもの「いま」に寄り添うこと。
    『子に対する不安が募るとき、それは子どもが不甲斐ないから不安なのだというよりも、単に親の私が私自身に対して不安なのだということに気づかなければなりません。目の前の子どもそのものではなく、現在の自分自身に自信がないから、それを子に投影させているという事実を知らねばなりません。』
    本当にそうだな、と思う。親子関係に限らず、相手に怒りや不安を覚えるのは、まず自分自身の問題なんだと。

    かと言って全てを寛容に受け入れればいいということではない。ただ、怒りは自分の不満を相手にぶつけているだけで、それで関係性がよくなることは、ない。ましてや失望感を表すのはただの脅迫でしかない。

    清く正しい子育てはない、人間として向き合うことでしか親子関係もきっと救われない。とても難しいけれど、完璧ではない自分を認めつつ接していくしかないと思う。

    聡明で温潤な文章なので、辛い時にも辛くない時にも、折にふれて読みたい1冊。

  • 思春期のお子さんをお持ちの親にはぜひ読んで欲しい一冊です。
    学習塾を通して見える親子の様子。どんな親も子どもをコントロールしようとする気持ちはあり、子供も親からの抑圧を反発する力で成長していくのかもしれない。親としては耳が痛く、ぐさぐさ刺さりました。成功する為のハウツー本には決して書かれないようなリアルな親の姿。たまに自分の在り方を見直すために読み直したいと思いました。
    答えのない子育て、ただ考え続けるもがき続けることが人生なのかもしれませんね。
    ここのような第3の居場所がどんな子にも見つかると良いなと思いました。

  • この本で描かれているのは、現代の親子のリアルな姿。著者は塾・寺子屋の先生。身を粉にして一心に親と子に寄り添ってきた人にしか書けない、親子の真実が切々と綴られています。話題は子育てにとどまらず、現代のさまざまな課題に及ぶので、親ではない大人にもおすすめです。

  • 子供は傷ついたり、深く考えているものなんだな~と気づかされた。
    言葉にしなくても、親の事は見透かしてる。
    子供を甘く見てはいけない。
    親は肝に銘じなければいけないと思う。

  • 悪い内容ではないが自分の参考にはならなかった。紹介されている保護者像(フィクション)がどれもつたないというか、こんな親は本当に実在するのだろうかと思う。大人はこんなに幼稚なものだろうか?

  • 子育て中にこれ読んだらつらかったろうな。でも、今じゃどうにもならん。

  • 親の怒りは、自分への不安を、子どもにぶつけているにすぎない。子どもに「これ好き?」と聞いてはならない。まずは親が何かに夢中になること。

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著者プロフィール

鳥羽和久(とば・かずひさ)
1976年、福岡県生まれ。専門は日本文学、精神分析。福岡市の大濠公園近くで学習塾(単位制高校と書店を併設)を運営。著書に『親子の手帖 増補版』(鳥影社)、『おやときどきこども』(ナナロク社)、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)など。教育や現代カルチャーに関する講演も多数。連載に大和書房、筑摩書房、西日本新聞など。朝日新聞EduA相談員。

「2023年 『「推し」の文化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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