- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862639066
感想・レビュー・書評
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年上元部下×年下元上司
40を過ぎてリストラされた谷地。弁当屋でアルバイトをしていた。そこへ帰国子女であり、元上司の榛野が頻繁にやって来るように。元々親しくもなく、谷地にリストラ宣告をした年下の元上司が通ってくることに多少の引っ掛かりはありながらも谷地は今の暮らしに満足していた。
何を考えているか分からない元上司は次第に谷地の友人のように日曜日には本を借りに来るようになるが…
基本的に大人な雰囲気のテンション低めなカップルです。向上心とかなく、なんとなく人生を過ごす谷地にイライラしながらも好意を捨てきれない榛野が地味に迫る話。
後半はイギリスへ仕事で行った榛野の元へ谷地が旅行でやって来る話で、こちらは完璧人間な榛野が舞い上がって失敗ばっかりする姿が好感持てます。
でも一人で盛り上がってるから、まぁ谷地にはあんまり伝わってないなーって感じでそれがまた不憫と言うか、滑稽と言うか… -
木原音瀬さん独特の、静かに表現された、じれったい大人の恋愛。鈍感で真面目なノンケに恋した年下上司の片思いがせつない。
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40歳のおっさんと30代エリートビジネスマンとのゆるやかな恋物語。今回の話は、珍しく痛くない。なまぬるい感じが、じわじわと良かった。
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大好きな1冊。
木原先生の本の中では、ダントツ平和、穏やかな大人の恋の話。
とはいっても、木原先生なのでファンタジーなBLではなく、現実的なBLです。
最後に、一人の部屋で林檎を食べて、プレゼントされたマフラーを握りしめて泣き崩れる榛野は、恋をしたことある人ならきっと共感して泣いてしまうはず!
ずっとずっと欲しくて堪らなかった攻の愛情を感じて、また、一人の部屋を強烈に寂しいと感じて泣き崩れる姿は、いじらしいし、健気でとても切なかったです。
「Plus Story」ではひたすら幸せな二人が読めます。 -
大人二人のはつ恋を丁寧に丁寧に書かれている。だけでなく、最初の話(深呼吸)は2002年に書かれているのだけどもその時点で、ただ言われたことをしているだけではその仕事はいずれ機械に取って代わられることをスパッと登場人物に言わせ、なおかつ書き下ろしのお話(深呼吸2)では、契約社会の側面をこれまた登場人物の対話でスちらりと見せる、労働とBLをすんなり絡めていて面白いな、と。BLというかBLの名を借りたLIFE本だと思い、木原先生の視点は非常にグローバルなんだなと、改めて他の作品も読もうと思いました。