- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862574022
作品紹介・あらすじ
「抗がん剤は毒にしかならない」「ワクチンは危険」「酵素を補うべき」など、
ちまたにあふれる医学や健康の情報はデマだらけ。
近年では、よりカルト化し、多数の本やサイトでデタラメな情報が
撒き散らされているため、健康被害が出ることも懸念されています。
本書の著者は、ネット上でいち早くニセ科学批判を始めた内科医です。
危険な反医療論や代替医療、健康法について、査読を通った確かな
文献をもとに、わかりやすく説明しています。
普段は騙されない自信がある人でも、いざ病気になると、
不安な気持ちにつけ込まれ、怪しい治療法に手を出してしまいがち。
しかも、一度「ニセ医学」にハマると、なかなか抜け出せません。
ご自身はもちろん、家族などの大切な人の健康を守るために、
ぜひともご一読いただきたい一冊です。
感想・レビュー・書評
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細かい点で医学的に疑義を呈したいところはありますが、読む価値のある良い本です。
ニセ医学が跋扈する(?)現代で、外来やプライベートな相談でも思わず頭を抱えてしまうことはしばしばですが、日々いい塩梅で頑張っていこうと思います。
でも、こういう正しさにこだわる先生より患者さんの聞きたい話を適当にしちゃう先生の方が好かれがちというジレンマありますよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「風邪をひいたら、たくさん汗をかいた方が良い」なんて民間療法を未だに信じているのならば、気をつけた方が良い。
本書は巷に蔓延る数々のニセ医学に対して、ひとつひとつ丁寧にその欺瞞を指摘するもの。
語り口はわかりやすく、丁寧で誠実であるだけに、本書のような正論を受け止められる人間は限られるだろう。
ニセ医学側は人間の脆弱性を的確に突き、論理ではなく信仰によってその影響を拡大しており、もはや論理的に正しい説得では通用しない。
彼らにこの本を突きつけたとしても、「その著者一人の言うことだから」「その頃とは違う治療法だから」「もっと売れてる本ではちゃんと説明されている」「良くなった人は全員間違っていたと言うのか」などなど、反論されてしまう余地はいくらでもある。
では、騙されないために何ができるのか、騙された人をどう説得すれば良いのか。
"信仰"には別の"信仰"で抗うしかないが、その"改宗"は難しく、
であればニセ科学に捕まる前に、科学リテラシーの教育とセーフティネットの整備を地道に続けるしかない。
昔の自分は、科学と論理のみを信奉していたが、今になって、占いや精神論など根拠のない思想も許容できるようになった。
正論や確率では答えが出ない時や、悲しみや辛さから抜け出せない人には、例え嘘でも「絶対に大丈夫」と後押ししてくれる他者が必要になる。
しかし、用法用量が適切でなければ、メリットよりもデメリットの方が大きくなる。
健やかな生活の維持のためには、病気や怪我の予防だけでなく、間違った信仰を防ぐ予防が必要となる。
本書はそのための一助となるだろう。 -
この本の内容を何も考えずに受け入れるスタンスも良くない、何事もエビデンスを求めしっかり考えることが大事。
とは言え身近に疑似科学を信じる人間がいるゆえに面白かった。
自分が信じていること、その根拠が揺さぶられても冷静でいたい。 -
前著(既読)の改訂版だが、著者名が変わった以外は、あまり大した内容のアップデートはないみたい。
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登録:2018/12/9
ついに新装版出たんだ!!
ありがとう内外出版さん。こういう良書が出版社倒産で失われてしまうのはとても惜しいこと。
読了:2019/1/15
3た論法
体験談は、患者の誤認識・他の療法の併用有無が不明・因果関係が不明なので根拠にならない
服用前・服用後の数値を示して改善した、効果がある、と謳うのは根拠にならない。同じ条件で治療方法のみ変化させたコホート研究でなければ意味がない
あらゆる薬・治療法にはメリットとデメリットがあって当然。したがって「メリットしかない」と謳う治療法は患者を騙そうとする意図があっての宣伝文句と考えられる。
この本の中では「メリットしかない」と謳われている商品の隠れた(=売り手が隠した)デメリットをつまびらかにしているが、当然医学にもメリット・デメリットはある。ニセ医学と医学が違うのは、医学についてはメリットとデメリットが第三者に検証可能な方法で明確にされているため、専門家がメリットデメリットを天秤にかけて検討できるということ。