東欧サッカークロニクル

著者 :
  • カンゼン
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862554680

感想・レビュー・書評

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  • 長束恭行|note
    https://note.com/hrv_nogomet/

    東欧サッカークロニクル - 株式会社カンゼン
    http://www.kanzen.jp/smp/book/b361258.html

  • 名前しか聞いたことのない、または名前すら聞いたことのない国・地域の文化・歴史がサッカーを通して感じられる

  • 非常にニッチというか、コアなサッカーファン向けと感じた。国ごとのサッカー史に興味のある人には面白い内容となっている。

  • 年代記ということで、旧ユーゴから始まり、同心円状に東に北に広がっている。ただ、そこにある対立だけではなく、その背景を探り、それが現在の状況を生み出していることを明らかにしていく。

    私が普段観ているFootballの幅広さ、奥深さを、改めて思い知ることができた。2018W杯でシャチリとジャカの見せたコソボの双頭の鷲のマーク、それをセルビア戦で見せるという意味は、この本を読まなくては知り得なかっただろう。

    この本で一番面白かったのは、あとがきに代えてという最後である。様々なルポのその後を追っているのだが、民族間の対立は続いているが、様々な融和の種も、また新たな対立の種も少しづつ播かれているようだ。この続編も期待したい。

  • 日本に置いて東欧サッカーというと
    どうしてもオシムやユーゴスラビアといった視点で
    語られがだが

    それ以外の国々についてもつぶさに色濃く書かれている。
    取材年度がほとんど10年前なのに
    色褪せてないのは筆者の力だろうが
    そこに滲み出る民族性がまた素晴らしい。

    クロアチアディナモザグレブのフーリガンのバカバカしさ
    ジョージアという小国としての意地と決意
    ボスニアヘルツェゴビナの何度目の正直のワールドカップ
    リトアニアのバスケ人気に対してのサッカー
    などなど

  •  ロシアワールドカップに合わせて刊行された、ワールドカップイヤーに相応しい一冊である。
     東欧各国のサッカーに関する詳しいルポ、という点で非常にニッチであり、ワールドカップイヤーでないと出せないような内容であるのも確かだが、その内容の質の高さなども実にワールドカップイヤーに相応しいものである。
     前半の謎の地域・沿ドニエストルを目指す、クロアチアのフーリガンとともに行く旅行記がこの本における白眉と言っていいだろう部分だろうが(初っ端から面白過ぎる)、全体的には東欧から北欧にかけての多くの国々を直接見て、インタビューして得た知見を取りまとめた良質なルポ集だ。
     ワールドカップ準優勝を果たしたクロアチアに加えて、躍進が目を惹くアイスランドやオシム元代表監督を通じて日本からの関心も深いボスニアなど、物珍しさだけでなく、サッカーファンとして見るべき国が多いのも大きい。

     総じて、このタイミングでの刊行が望ましい一冊だった。文句なしに星五つで評価したい一冊である。
     願わくば、こうしたルポが定期的に刊行されるようになると良いのだが。
     さすがにニッチである点は否めないので、そこはワールドカップイヤーというハレの日に期待するしかないだろう。

  • 著者紹介見て「1997年生まれ!?若ッ!銀行に勤めていた1973年ッ!どゆこと!?」となりましたが、数字がテレコになっていたようでカバーの方は合ってました。

  • 過去に読んだ『アフリカサッカー』では呪術といった未知の世界を体感し、
    『消えたダービーマッチ』では宗教対立という日本では想像出来ない物を感じたが、そういった、日本で暮らす上では感じる事の出来ない感性を思い出させる作品。
    東欧の普段は聞く事も知る事もない小国の、
    その国ならではの「政治・サッカー協会・国境問題・民族問題」などを交えた
    サッカー事情を事細かに著者の訪問体験をもとに面白く書かれた本。
    特に民族問題は地続きだからと自身のなかで思ってた価値観がキプロスという島国で問題が起きていることに面食らいました。
    他にもシュケルやボバン、ケジュマンといった往年の名選手達の知られざる現在を知る事が出来たり、
    収録された14カ国分の事情がよく面白く紹介されている本です。

  • ちょうど2018W杯終了後に読んだので、いささかズレ感がある一方、アイスランドの躍進を予言するなど、フィールドワークの所産、と思える記述も多い。何より、情報の少ないこの地域の実情を知ることができるということに大きな意味がある著作だと思う。

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著者プロフィール

1973年、愛知県名古屋市生まれ。サッカージャーナリスト、クロアチア語通訳。1997年に現地観戦したディナモ・ザグレブの試合に感銘を受けて銀行を退職。2001年にクロアチアに移住し、10年間のザグレブ生活を通して旧ユーゴ諸国のサッカーを追った。2011年から4年間はリトアニアを拠点に東欧諸国を取材。レポートを一冊にまとめた『東欧サッカークロニクル』(カンゼン)は2018年度ミズノスポーツライター優秀賞を受賞している。訳書に『日本人よ!』(著者:イビチャ・オシム、新潮社)、『ルカ・モドリッチ自伝 マイゲーム』(東洋館出版社)、著作に『旅の指さし会話帳 クロアチア』(情報センター出版局)、共著に『ハリルホジッチ思考』(東邦出版)がある。

「2023年 『もえるバトレニ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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