モスクワ攻防戦――20世紀を決した史上最大の戦闘

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861822834

作品紹介・あらすじ

独ソ戦の勝敗を決し、20世紀の歴史を決する史上最大の戦いとなった"モスクワ攻防戦"。700万人が戦闘に参加し、250万人が犠牲となった。しかし、この死闘の全貌は、旧ソ連が機密事項にしたため、秘密のベールに包まれてきた。本書は、近年公開されたソ連時代の公記録保管所の資料、生存者・ソ連軍上層部・政府高官の子弟などの証言、西洋諸国の外交官や特派員の報告書などの膨大な新資料によって、初めてその全容と真相を明らかにしたものである。ヒトラー、スターリンという二人の独裁者の野望と孤独と愚かさ…。それに振り回されるチャーチル、ルーズベルト。そして、勝敗を左右するスパイ・ゾルゲの日本情報…。本書は、20世紀を決した"歴史と人間のドラマ"を初めて描いた叙事詩である。

感想・レビュー・書評

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  • 500ページ近い本のため、移動の合間に読もうというサイズや重さではなかったため読み終わるまでに時間を要しました。ロシア人によるモスクワ攻防戦をソビエト側、ドイツ側の視点を中心に関係するイギリスやアメリカの外交も交えて書かれているため、中々なじみが無いモスクワ攻防戦を戦いに至る経緯から掘り起こした作品。世の中に出回っている簡潔にまとめられた経緯では分からない、色々な立場の人たちの証言や調査からまとめられたこれまた資料的価値の高い一冊です。

  • ワシントン・ポストが推すその年の最良の書。Newsweek記者であった著者は、学者による資料に埋もれたお固い歴史書ではなく、ジャーナリストらしく地道に証言を聞き取り、モスクワの当時の混乱を蘇らせることに成功している。確かに気が遠くなるほどのボリュームだが、読み始めると止まらない。図版が比較的多く、巻頭と巻末には人物紹介も付されていて初学者にもやさしい。何と言っても良心的なのは、訳者の父上による的確な解説で、著者の下した結論ももう少し公平な観点に引き上げられており、読み終えた直後の感慨がさらに深まった思い。

  • p.92迄(5/28)

  • (欲しい!) 独ソ戦

  • 独ソ戦最初の山場であるモスクワ攻防戦についてです。
    一兵士の回想から独ソ英米の首脳の動きまで重層的に描き出しています。軍事作戦や部隊の動向についてはあまり頁が割かれおらず、しばし時系列的にも順序どおりではないので、独ソ戦の概要を知らない方はとまどかもしれません。まあ、この分厚い本に手を出そうという方はだいたいの話は知っているかと思われますので、問題無いかと。
    取材とインタビューによる戦争のすさまじさの掘り起こしは素晴らしく、一気に読ませます。惜しむらくは、訳者が軍事やナチズム、ボリシェビズムには精通していないためか、ところどころ意味が取れないところがありますが、本書の価値を損なうものではありません。
    秋の夜長に良い読書ができましたね。

  • 7/1

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著者プロフィール

アメリカ在住のジャーナリスト。「ニューズウイーク」誌で香港、モスクワ、ローマ、ボン、ワルシャワ、ベルリンの支局長を歴任後独立。受賞歴多数。著書に『ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々』『モスクワ攻防戦―― 20世紀を決した史上最大の戦闘』(ともに邦訳は作品社)がある。

「2017年 『隠れナチを探し出せ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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