アフリカの森の女たち――文化・進化・発達の人類学

  • 春風社
4.50
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861106828

作品紹介・あらすじ

「ねえ、聞いて」――ある暑い午後、アメリカから来た人類学者の部屋を訪れた女性たち。
中央アフリカ共和国で隣り合って暮らす農耕民ンガンドゥと狩猟採集民アカの女性たちは、それぞれの生活、人生、「女になること」の意味を語り出す。

子どもはどのように生まれ育つのか? なぜ愛する人の死は悲しいのか?
家庭内暴力や「粗暴なセックス」はなぜ起こるのか?
閉経後の長い人生はなんのためにあるのか?
女性たちの語りと文化・進化・発達の理論から、人間の多様性と普遍的特性が見えてくる。

「ジャングルで暮らす女の生理と心理を、女の視点から初めて描いたライフヒストリー。自然の中で産む苦難と歓喜が進化の不思議を語る」――山極寿一(京都大学総長)

「日本やアメリカとはまったく異なる注目すべき女性たちについて、魅力的な視点を与えてくれる比類なき本である」――ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 筆者ボニーヒューレットはじっくりと腰を据え、炉端でききがたりするように15年以上の時間を費やし、フィールドワークを継続してきた。彼女自身、この本の執筆が到達点とは思っていないと思う世界へ発信無しえた手応えは感じていると思う。
    「アカ」~農耕民、協働で森に暮らし、父親も育児に参加する。
    一方の「ンガドゥ」は狩猟民、幼児期より男女の役割、立ち位置などを教え込まれる

    それのみならず、筆者は視点を「女」において日常生活、育児と発達心理、聖の芽生え、セックスという行為、結婚と女・或いは母の役割、一夫多妻制、女性としての終焉、情景、世代間繋がりと祖母の役割を6章に纏め上げている。
    終章ではグルーバリゼーションの下での中央アフリカの過去・現在・これからを「今の時点」での考えで纏めている。

    コラム・フィールドノート・考察としての問いは丁寧でポイントをついており、読みこなすのに非常に骨が折れた・・何度も挫折。

    読んで思うのは「なんといっても白人女性、アカデミズム」の視点。いくら膝を突き合わせたとしてもそれらから得るのは先進国(好きでない言葉だが)における女性に視点を置いた考察を進める為・・と思ってしまう。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

[著]ボニー・ヒューレット(Bonnie L. Hewlett)
ワシントン州立大学・臨床助教授.ワシントン州立大学博士(文化人類学).専門は医療人類学,思春期の発達,狩猟採集民,進化=文化人類学.中央アフリカ共和国,コンゴ共和国,ガボン,エチオピアにおいて現地調査を行い,思春期の発達や感染症の文化的背景,社会的学習,愛着行動,健康などについて研究を行ってきた.主著に,The Secret Lives of Anthropologists: Lessons from the Field (Routledge, 2019)等がある.

「2020年 『アフリカの森の女たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

服部志帆の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×