- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861106828
作品紹介・あらすじ
「ねえ、聞いて」――ある暑い午後、アメリカから来た人類学者の部屋を訪れた女性たち。
中央アフリカ共和国で隣り合って暮らす農耕民ンガンドゥと狩猟採集民アカの女性たちは、それぞれの生活、人生、「女になること」の意味を語り出す。
子どもはどのように生まれ育つのか? なぜ愛する人の死は悲しいのか?
家庭内暴力や「粗暴なセックス」はなぜ起こるのか?
閉経後の長い人生はなんのためにあるのか?
女性たちの語りと文化・進化・発達の理論から、人間の多様性と普遍的特性が見えてくる。
「ジャングルで暮らす女の生理と心理を、女の視点から初めて描いたライフヒストリー。自然の中で産む苦難と歓喜が進化の不思議を語る」――山極寿一(京都大学総長)
「日本やアメリカとはまったく異なる注目すべき女性たちについて、魅力的な視点を与えてくれる比類なき本である」――ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』)
感想・レビュー・書評
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筆者ボニーヒューレットはじっくりと腰を据え、炉端でききがたりするように15年以上の時間を費やし、フィールドワークを継続してきた。彼女自身、この本の執筆が到達点とは思っていないと思う世界へ発信無しえた手応えは感じていると思う。
「アカ」~農耕民、協働で森に暮らし、父親も育児に参加する。
一方の「ンガドゥ」は狩猟民、幼児期より男女の役割、立ち位置などを教え込まれる
それのみならず、筆者は視点を「女」において日常生活、育児と発達心理、聖の芽生え、セックスという行為、結婚と女・或いは母の役割、一夫多妻制、女性としての終焉、情景、世代間繋がりと祖母の役割を6章に纏め上げている。
終章ではグルーバリゼーションの下での中央アフリカの過去・現在・これからを「今の時点」での考えで纏めている。
コラム・フィールドノート・考察としての問いは丁寧でポイントをついており、読みこなすのに非常に骨が折れた・・何度も挫折。
読んで思うのは「なんといっても白人女性、アカデミズム」の視点。いくら膝を突き合わせたとしてもそれらから得るのは先進国(好きでない言葉だが)における女性に視点を置いた考察を進める為・・と思ってしまう。