日本で1日に起きていることを調べてみた: 数字が明かす現代日本

著者 :
  • ベレ出版
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860645397

作品紹介・あらすじ

「1日あたり、失われる国内の田畑」「1日にコンビニで廃棄される食品」「女子高生が1日にスマホを使う時間」・・・・・・自然現象から日々の暮らしのことまで、言われてみると、意外と知らない現代日本の姿を調べてみました。日々起きている事柄は、見聞きしていても意外と正しく捉えにくいものです。しかし、1日という時間を尺度にした数字で表すことで、その実態を克明に浮かび上がらせることができます。国内では何が起こり、どのような問題があるのか、そして日本はどのように変わりつつあるのか、本書では、客観的な数字やデータをもとにその意外な側面や驚きの事実に迫ります。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の日々の暮らしはどうなっていて、どのように変わりつつあるのかを知ることができる。
    同時に世界と比較されている項目もあり、いくつか間違った思い込みに気づかされた。

    例えば、コメは日本より韓国や中国の方が多く食べられていた。
    日本のコメ消費量は50年前からは半減している。
    ベトナムやバングラデシュは日本の4倍もコメを食べている。
    欧米との比較で日本人だけがコメを多く食べているように錯覚していたのですね。

    本に関するデータでは、公共図書館の数が右肩上がりで増えていることを知らなかった。
    新刊は1日に200点ほど出版されており20年ほど大きな増減はない。
    書籍の販売部数はここ20年で半減している。
    書店数も20年で半減している。結果返本率が40%にも達している。
    日本より電子書籍化が早かったイギリスでは近年(紙の)書籍販売額が増え始めたらしい。
    日本もそうなって欲しいし、ぺーじをめくる読書の良さがいつか再認識される時が来ると思う。

    本書では単にデータの羅列でお茶を濁すことなく、どうしてこうなっているのかの考察も行われていて予想外にためになった。

    参考までに、以下に目次を付加します。

    ● 目次

    1 章 日本列島の1日
    1 1日に,日本とその周辺で発生する地震
    2 1日に,太平洋の海底が日本に向かって動く距離
    3 1日に,日本に降る雨(雪)の総量
    4 春になると,1日に日本列島に飛来する黄砂
    5 春になると,1日に飛散するスギ花粉
    6 1日あたり,失われる日本の田畑
    7 1日あたり,自衛隊機の緊急発進
    8 1日あたり,全国の鉄道利用者
    9 1日あたり,日本の空を飛行する旅客機
    column 1 「日本全国の1日の気象記録」

    2 章 日本社会の1日
    1 1日に,生まれる赤ちゃんと亡くなる人
    2 1日に,結ばれるカップルと別れるカップル
    3 1日に,病院で新たにがんと診断される人
    4 1日に,交通事故で命を落とす人
    5 1日に,増える日本国の借金(債務残高)
    6 1日に,全国で倒産する企業
    7 1日に,海外から日本を訪れる観光客
    8 1日あたり,東京ディズニーリゾートの入園者
    9 1日に,日本のどこかに“くまモン”が現れる回数
    10 コンビニ1店あたり,1日の客数と売上高
    11 1日に,全国のコンビニで廃棄される食品
    12 1日に,全国でリサイクル回収されるアルミ缶
    13 1日に,全国の自販機で販売されるドリンク
    14 1日に,日本で出版される本(新刊)
    15 1日に,119番通報で救急車が出動する回数
    16 1日に,全国の警察本部が受理する110番通報
    17 1日に,日本で発生する殺人事件の被害者
    18 1日に,発生する振り込め詐欺による被害額
    19 1日に,発生する万引きによる被害額
    20 1日に,日本のどこかで孤独死する人
    21 1日に,日本で発生する火災
    22 1日に,日本で実施される臓器移植手術
    23 1日に,全国の裁判所が受理する事件(訴訟・調停等)
    24 1日に,日本国内で送受信される迷惑メール
    column 2 「日本のトップ企業 1日の売上高(2016)」

    3 章 日本人の1日
    1 日本人1人あたり,1日に食べるご飯
    2 日本人1人あたり,1日に食べるたまご
    3 日本人(成人)1人あたり,1日に飲むお酒
    4 日本人1人あたり,1日に消費する石油
    5 日本人1人あたり,1日に排出するごみの量
    6 日本の女子高生が1日にスマホを使う時間
    7 日本人の1日の平均睡眠時間
    8 日本人の1日の平均食事時間
    9 日本人の1日の平均入浴時間
    column 3 「日本人1日の生活時間」

    4 章 日本各地の1日
    1 札幌市が,積雪時の1日(一晩)に除雪する道路
    2 福島第一原発で1日に増える汚染水
    3 東京都千代田区の1日の昼の人口と夜の人口
    4 富士山(山梨県・静岡県)の1日あたりの登山者
    5 三重県・伊勢神宮の1日あたりの参詣人
    6 京都を訪れる1日あたりの観光客
    7 大阪のソウルフード“551蓬莱の豚まん”1日の販売数
    8 香川県民が1日に食べるうどん
    9 福岡市・博多港に1日に入港するクルーズ船
    10 大分県内の温泉で1日に湧出する湯量
    11 鹿児島市内に1日に降る桜島の火山灰
    12 沖縄県・嘉手納基地の米軍機,1日の飛行回数
    column 4 「日本各地のイベント 1日に集まった人々」

  • 日本では、1日のうちにさまざまなことが発生しています。
    その1日で起こったことのデータをまとめた本。
    著者は立命館アジアパシフィック大学の学長にして、おすすめ本紹介サイトの「HONZ」客員レビュアーでもある出口治明氏です。

    普段、自分に身近なことしか気がつかずに毎日を過ごしていますが、数値がでると客観的に国内のいろいろな側面を知ることができます。
    「1日に病院で新たに”がん”と診断される人」は約2,800人、「1日日本で発生される火災」は約100件。
    多いものですね。

    「崎陽軒のシウマイ弁当の売り上げ」は2万6千食だそう。弁当にはシウマイが5個入っているため、シウマイの個数にすると13万個になります。

    「1日に、生まれる赤ちゃん」は2,680人、「亡くなる人」は3,541人。2,016年の統計では、日本の人口が1日あたり861人ずつ減っていることになります。

    「日本の女子高生が1日にスマホを使う時間」は約6時間。睡眠時間とほぼ変わらぬ結果に、それほど長いのかと驚きます。

    数字にしてみないとわからないこともあるものですね。フェルミ推定についても採り上げられています。
    当事者である私たちは、このデータをうまく把握しきれずに「はあ...」と漠然と受け止める感じになりそうですが、外国人に話したら、間違いなく喜ばれる内容でしょう。

    日本という一つの大きな共同体で日々起こっていることについて、いろいろと考えさせられます。

  • データを集める観点もさることながら、それぞれに対する考察のバランスが取れている。
    たとえば、しょうもないネット記事やテレビだと、データの一面だけ取り上げて「関西人はこう!!」「AB型はこう!」とくだらないレッテル貼りをするところ。著者を見習ってほしい。

  • 面白い
    世界で睡眠時間短いのはそうだよねー
    他の国ではゴミは焼却そんなにしてないのね
    1日の振り込め詐欺被害額一億円

  • ふむ

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/704622

  • 心に残った内容メモ
    ・病院で新たにガンと診断される人2800人
    ・出生2680人、死亡3541人
    ・全国の警察本部が受領する110番通報2万5300件
    ・振り込め詐欺による被害額1億円
    ・万引きによる被害額12億6千万円
    ・日本人の平均睡眠時間7時間39分
     →労働時間は減りつつあるのに睡眠時間は逆に減っている。
    ・丸の内や大手町の夜間人口は数人

    連日のコロナウイルス関連報道で提示される人数や費用、予算と比べてどうだろうか。
    もっと気を付けるべきことは、他に沢山あるのではないだろうか。

  • FACTFULNESSにもあるけど、数値を捉える際の自分なりの尺度・比較対象がある方が本質に近づけるよね。だいたい知ってたけど、こう行った本は読んでおくに越したことはない。

  • ★学生選書ツアー2018選書図書★
    【所在・貸出状況を見る】
    https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/217747

  • 20180921読了

    日本で発生する様々な事象について、1日あたりどれくらい発生しているのかを紹介した本。

    例えば
    ・日本で1日に降る雨の量は?
    ・日本で1日に電車に乗る人の数は?
    など。
    事実だけではなく、他国と比較してどうなのかや、その結果今後どういうことが考えられるかにも触れてある。
    世の中の数値を見たときの基準となる基礎数値として知っておくためにも良かった。

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著者プロフィール

宇田川 勝司(うだがわ かつし) 1950 年大阪府岸和田市生まれ、現在は愛知県犬山市に在住。 関西大学文学部史学科(地理学)卒業。 中学・高校教師を経て、退職後は地理教育コンサルタントとして、東海地区のシニア大学やライフカレッジなどの講師、テレビ番組の監修、執筆活動などを行っている。 おもな著作は『クイズで楽しもう ビックリ! 意外 日本地理』(草思社)、『数字が語る現代日本の「ウラ」「オモテ」』『中学生のための特別授業 宇田川勝司先生の地理』(学研教育出版)、『なるほど日本地理』『なるほど世界地理』『日本で1日に起きていることを調べてみた』『謎解き日本列島』『深掘り日本の地名 知って驚く由来と歴史』(ベレ出版)、『中学校地理ワーク& パズル85』(明治図書出版)、『地理の素』(ネクストパブリッシング『GISNEXT』に連載)、『気になる日本地理』(角川ソフィア文庫)など。

「2023年 『謎解き世界地理 トピック100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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