幻世の祈り 1 (大活字文庫 63 家族狩り 第 1部)

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860551438

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  • 高校教師、巣藤は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原刑事は、ある母子との旅の終わりに、光の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎裕子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による障害事件が、それぞれの登場人物に運命の出会いを生み、家族関係の闇、心の闇にせまっていく。家族関係のぎくしゃくから生まれる心の闇や苦悩は、表面にはあらわれにくいものだと思う。幸せそうな雰囲気を漂わせる街の中にも、動物虐待や児童虐待は潜んでいる。親になりきれない親、そして、愛情を知らずに育ってしまった子供。心の闇に迷い込んだ少年少女が非行に走ったり、それが傷害事件や殺人事件に発展してしまうという、そういうニュースは最近実際多い。あとがきに書いてあったように、家庭に帰ろう。という風潮は、何の解決案にもなっていないし、それを解決案にしてしまうことで、余計に子供へのしわ寄せが生まれる。だから、家庭に帰ろう。なんていう風潮は、今の時代には胡散臭い。という天童荒太の想いには、共感した。

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著者プロフィール

天童 荒太(てんどう・あらた):1960(昭和35)年、愛媛県生まれ。1986年「白の家族」で野性時代新人文学賞受賞。1996年『家族狩り』で山本周五郎賞受賞。2000年『永遠の仔』で日本推理作家協会賞受賞。2009年『悼む人』で直木賞を受賞。2013年『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『あふれた愛』『包帯クラブ』『包帯クラブ ルック・アット・ミー!』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』などがある。

「2022年 『君たちが生き延びるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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