捨てないパン屋 手を抜くと、いい仕事ができる→お客さんが喜ぶ→自由も増える

著者 :
  • 清流出版
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860294816

作品紹介・あらすじ

借金を抱えたパン屋を再建、年商2500万円に!

一生懸命つくったパンなのに、売れ残ったパンは、衛生上、廃棄する他ない。
ではどうしたら? パン屋の3代目は、一時お店を閉めてフランス、オーストリアでパン修業し、店を再スタート。
焼いて売っているのは4種類のパン。つくるのは自分だけ、店番は妻一人。
ほどほどに働くので、時間にゆとりがあり、長期休暇もとれる。
「捨てないパン屋」はそんな店。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでものすごく刺激を受けた本!

    広島にある「働かないパン屋」(と思わせる)ブーランジェリー・ドリアンのご主人田村陽至さんの著書。
    働かない…とありますが、働いています。
    でもその働き方が、一般的なパン屋さんの働き方とは全然違う!

    よく聞くのは…
    早朝から夜遅くまでパン作り
    いろんな種類のパンを作り、そして閉店後は売れ残ったパンを前に廃棄について悩む…
    流行りのパンを作り、生地も品数もお客さんが迷うほど作り、新作を考案し、売れ筋を考える…

    田村さんのパンは全く違う!
    国産小麦粉、発酵、薪窯、そして菓子パンは作らない
    働く時間はあらかじめ決めて
    休日もちゃんと作る
    そして何より「捨てない」パン作り

    うわ~!これってすごい!
    いや、本当ならこれが普通なのかも…
    でも多くのお店はなかなかできない
    それをやってしまった潔いパン屋さん

    田村さんがこの潔いスタイルに踏み切った色々から
    経営についてや食料廃棄の問題やら働き方のことやら、苦情の話やら、そして生きた方などを書かれているのだけど、もう本当に考えさせれます。

    パン屋さんの話ですが、それっておそらく自営業の方や会社を経営している人も「あ~!そうそう!そうか~!」と思える話が満載です。

    見る方向を変える
    そうしてもう一度自分で考えてから見る
    問題の根本を解決する
    これってできそうだけどなかなかできない!
    「変えられる勇気を持つ」と本書で書かれてますが
    それができる田村さんの行動力と思考はすごい


    「うちのパンは一口食べてうんうまい!と唸るようなパンではありません。…でもチーズと合わせて食べるとパンもチーズもそれだけで食べるよりもおいしく感じる…」というアミノスパークの話もおもしろかった!

    田村さんのパン、ぜひ食べてみたい!
    そしてできればお店にもおじゃましてみたい!

  • 田村さんが出ていたラジオ番組をよく聞いていて、
    田村さんって不思議な魅力がある人だなーと思っていました。
    考え方などをもう少し知りたいと思い、
    読んでみました。

    田村さんのことを参考にされているパン屋さんいるだろうなー。
    私の住んでるところの近くのパン屋さんの営業時間、
    田村さんの真似してるのかな?と思っております。

  • 広島に実際あるパン屋さんのお話。

    これからの時代は、過剰がキーワードかなぁっと改めて思いました。お金が邪魔をする(4章)にありますが、これは全てに言えることかなと。お金で頭でっかちになり、本来の意図が分からなくならないように。しかしながら敵を知れではないですが、だからこそ、お金のことを学ぼうという姿勢も大事なことだなぁって。
    知らないと過剰な状態なのかもわかりませんしね。
    足るを知る。

  • あちこち共感しました。酵母のこと、パンのこと、改めて考えたり、気付いたり、納得したり…。出会えて良かった1冊でした。

  • 万人受けのために、沢山の種類のパンを作って廃棄するより、
    たった4種類のパンでも、素材や質にこだわればファンはいる

    欲張ろうとせず、てを抜けるとこは抜いて、無理せず自分のこだわりを提供して、余計なことはしない

    そうして心や時間にも余裕がもてる

  • 思っていたより、とても深い内容の本だった。ビジネスの仕方、働き方、人生の生き方について深い示唆を与えてくれた。
    ・クレームには笑顔で対応、その後は無視
    ・家にいるか、外へ出るか、迷ったら外に出かける
    ・常連さんをえこひいきする
    ・「客層を広げましょう」というようなものは、もう大昔の何の役にも立たない言葉
    ・「レトロ・イノベーション」古いやり方で革新する
    ・ヨーロッパ文化は「気遣わない文化」
    ・働き方に関して言えば、海外に目をやれば、前例が溢れています

  • ただただ捨てないようにした、長く働くのをやめたという単純な話ではないところが面白い。常になぜ?と疑問を抱き、世界を見て、本物を取り入れる。専門性を追求した結果、本当に大切なことに絞ってお客様へ提供できるようになったからこそ、万人に美味しいと思ってもらうのではなく、この変わった味を合うと思ってくれるお客様をターゲットに前向きに頑張れている。いわゆる通に認めてもらうという発想、そしてそういった人達との繋がりを太く楽しくしていく生き方は興味深いものでした。

  • これ、日本人が海外の食の職人さん同様に豊かな生活を手に入れるための実践的答えが書かれています。
    資本家による売上至上主義に入る中では、職人さんは決して幸せにはなれないということがよくわかる。
    手を抜くことで、自由も増える。顧客も喜ぶ。
    本当に求められるパン。

  • 【書評】『捨てないパン屋』田村陽至・著 日々のもどかしさ変える力に - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
    www.sankeibiz.jp/econome/news/190503/ecf1905030500003-n1.htm

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    借金を抱えたパン屋を再建、年商2500万円に!
    一生懸命つくったパンなのに、売れ残ったパンは、衛生上、廃棄する他ない。
    ではどうしたら? パン屋の3代目は、一時お店を閉めてフランス、オーストリアでパン修業し、店を再スタート。
    焼いて売っているのは4種類のパン。つくるのは自分だけ、店番は妻一人。
    ほどほどに働くので、時間にゆとりがあり、長期休暇もとれる。
    「捨てないパン屋」はそんな店。
    http://www.seiryupub.co.jp/books/2018/10/post-159.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      食品ロスゼロの「捨てないパン屋」が「働かないパン屋」になった理由 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GO...
      食品ロスゼロの「捨てないパン屋」が「働かないパン屋」になった理由 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD
      https://ideasforgood.jp/2021/08/10/derien-interview/
      2021/09/17
  • 面白かった!著者の語りがわかりやすい。パン屋の苦労がよく書かれていた。

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著者プロフィール

1978年、広島県生まれ。「ブーランジェリー・ドリアン」店主。祖父の代から続くパン屋の3代目。東京の大学を卒業後、職を転々とし、モンゴルへ。27歳のときに、傾いた家業の手伝いをスタート。売上の伸びない現状を打破するために、2012年、1年半の休業ヨーロッパ修業を経て、店を再スタート。菓子パン、総菜パンの販売をやめて、4種類のパンのみとし経営が好転。この夏は2か月間の夏季休暇をとる。

「2018年 『捨てないパン屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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