- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860293710
作品紹介・あらすじ
「明るい人気者」は長生きする?働きすぎは体に良くない?善人ほど早死に、悪人ほど長生き?愛されていないと短命か?結婚したほうが長生きできる?これらの常識はすべて覆された。80年にわたる研究からついに解明された「本当に長生きする性格」とは。
感想・レビュー・書評
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2013.4.25に読んでました。再読です。私は、「長寿と性格」というよりも、薬に頼らない健康的な生活を目指そうという趣旨に理解しました。現代の医療は何でも病気にして(病名がつけられ)医者の治療(ほとんどが薬)を受けることに。大学も国の機関も特定の病気の研究ばかり、全体としての幸福や健康は忘れられ、人間が置き去りになっている。そんな狭量な健康観を見直すときと説かれています。全く同感です。そして、この本を大胆に要約すると、誠実で、運動して、社交的で、生涯勉強する(性格の)人が長寿と結びついてるとのことです!
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勤勉性の高い人が長生きする傾向。慎重で、思慮分別があり、粘り強く、整理整頓が行き届き、いつも準備万端怠りないような性格。やや神経質なところがあり、細かいことを気にしないおおらかな性格とは程遠い。
ある種の人々は、生まれつき健康で、しかも勤勉性の高い性格であるらしい。
明るく楽観的な性格は高血圧や高コレステロールなどと同じくらい深刻な健康リスクだったのである。
親の死は寿命との間に関連はないが、離婚家庭で育ったひとはそうでない人より、寿命が5年短くなる。
男性では、既婚者>独身者>再婚者>離婚者の順に長寿で、女性では既婚者>離婚者>独身者>再婚者の順になる。
普通より早く小学校に上がった子供は、社会への適合で苦労する大人になり、短命になるリスクが高くなる。 -
よくある健康に関する説は人の一部分(肉体的健康、性格、食事、幼児教育などなど)しか取り上げておらず、それが将来にわたってどう影響するのかの分析にかけているとする。因果関係がよくわからない。例えば、百歳の老人たちは楽観的な性格を持っているから、楽観的性格が長じには大事とされるが、それはきちんと分析すると比較対象がなく、因果関係が逆の可能性が高い。むしろ百歳まで生きると、慎重な性格の人も楽観的になっていくのだ。この本では1200人の生涯を追跡したアメリカのターマン教授のデータに基づいて何が寿命にインパクトを与えるかという分析を行った。
結論:粘り強いこと、勤勉性、充実した社会的ネットワークが重要。このような性格をもち(あるいは長年の努力で性格を変えて)、充実した社会生活を送れる人は寿命も長くなる傾向がある。
一般的に重要とされる、楽観的な性格、社交的な性格は重要ではない(というか関係ない)。こういった性格は、他人に流されやすい欠点がある。ただ極度な悲観主義者は、寿命は短い。
結婚は、下手な結婚をして離婚や嫌な関係を我慢し続けることになった場合はむしろマイナスに作用。結婚同好よりも、そもそも社会生活をうまく続けられるような勤勉性の高い人が結婚生活もうまく行きやすいという因果関係にあるようだ。
幼児教育を進めて飛び級した場合は、社会関係がうまく行かずにマイナス。 -
健康や長寿に関する世間の常識をくつがえす本。次に挙げることはすべて間違いなのだという。
・ストレスを解消すれば長生きできる(間違い!)
・庭いじり、ウォーキング、料理などが趣味の人は、もっと体を動かさなければならない(間違い!)
・心配性は健康によくない(間違い!)
・結婚した方が長生きできる(間違い!)
・社交的で外向的な人の方が健康で長生きする(間違い!)
……
健康を餌にオーバーな見出しで商売を目論むエセ研究書かと思ったら、本書は、10才の男女1500名を約80年間ものあいだ追跡調査し続けた、アメリカの研究機関の真面目な調査結果だった。彼らが、純粋に事実だけを比較してみると、今まで世間の常識だと思われていたことの多くが間違いだったことが次々と明らかになった。まさに目からウロコのオンパレードである。
健康で長生きした人の共通項を抽出してみると、"CONSCIENTIOUSNESS"(勤勉性、良心的、真面目、責任感がある、注意深い、忍耐深いなど、社会的に信頼される人物の性格を表す言葉)が最も重要なカギだったという。つまり「勤勉な性格の人」が最も長生きする可能性があるということだ。さらに「社会的ネットワークの広さ」「身体活動」「生涯現役・生涯学習」も健康長寿と結びついているという。
これが現代の日本人にもあてはまるのかどうかはわからないが、分析結果には説得力があった。健康で長生きしたければ、勤勉で真面目な性格(または生活)を目指すべきなのかもしれない。 -
詳細なデータをもとにまとめられているのだが、性格診断テストなどが収録されていて軽い読み物風。結局ちまたの健康情報に惑わされること無く、勤勉に生きることが長生きに繋がる。なるほどと思わせられるところも多々あった。
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個人的にさくっと読める本ではない。
従来は間違ってるんだー!というくだりが
しつこすぎるのがちょっと難点に思えたけれど
より満足に長生きするには?という視点としては
実例をよく使っていて面白かった。 -
勤勉といわれる日本人と、日本人が長寿であることの関連性が、この本で明らかに!(←直接日本人について書かれているわけではないが、研究結果から見えたこと。)
元々は、「どんな生活環境・性格で子供時代を送った子が、リーダーシップを発揮する大人になるか」という研究のために始まった長期調査が、調査対象になった多くの子供を、一生に渡り追跡したため、寿命と人物像の関連を調べる良い材料になったということらしい。
著者が最後に述べているように、現代の「健康」とは、イコール病気の予防策・対応策であり、詳細すぎて狭い視野になっているように思う。
健康的な生活・考え方(性格)とは、日常レベルで捉えたときどうなのか、今一度見直してみる価値はありそうだ。 -
「長生きのカギを握る性格は勤勉性だ。」新聞に紹介されていたこの1文に惹かれて読み始めました。食事とか運動ではなく、勤勉性(conscientiousness)が高い人ほど長生きをしているという、実際の調査データをもとにして書かれた画期的かつ信憑性のある内容です。
自分の性格がチェックできる「性格診断テスト」付きというのも楽しめます。
また単に長く生きるというだけでなく「充実した人生」を送るにはどうすればよいのかということも明記されているすばらしい本だと思います。
この本を読み終え、70を過ぎてもなお”勤勉”に暮らしている両親に即「朗報」として報告しました!