黒い傘の下で 日本植民地に生きた韓国人の声

  • ブルースインターアクションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860201890

作品紹介・あらすじ

それほど遠くない昔、韓国(現在の北朝鮮を含む)を統治した日本。日本人の広げる黒い傘の下に韓国人たちは何を考え、どう生きたのか。政治指導者・エリート層ではない、一般庶民への聞き書きから鮮やかに浮かびあがる、日本の一部にされた国民の偽らざる心情。竹島問題になぜあれほど彼らは激高するのか…人の一生と国の向かう道を深く思う。

感想・レビュー・書評

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  • 植民地支配を受けていた時代に、韓国人はどう生きたか

  • 在米コリアンの夫と結婚したアメリカ人女性が、在米コリアンコミュニティのお年寄りに植民地下の生活について聞き取りをしてまとめたもの。 日本でも『在日一世』などコリアン一世たちの聞き取り本はいくつか出ているが、植民地下の生活に焦点をあてたものは、意外になかったかもしれない。それはもちろん、在日にとっての苦しみが「解放」では終わらず、朝鮮戦争による祖国と家族の分断、被差別マイノリティとして苦しい生活を今日まで強いられているからにほかならない。この本で記憶を語るお年寄りの多くが、人生の浮沈はありつつも、アメリカで穏やかな生活を送っているようすは、不本意に日本に残り、今もやり場のない恨を抱えている在日コリアンのお年よりたちの語りとは、やはり大きく異なっているように見える。戦後日本国家の責任はあまりに重い。ただ、本書のような手法からは、朝鮮が今も分断化にあるという歴史的に継続する植民地主義は見えてこないともいえる。植民地支配のもつ多様な側面と個人のライフヒストリーとの関係の掘り下げも不十分で、ちょっと残念。

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