無意識がわかれば人生が変わる - 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される - (ワニプラス)
- ワニブックス (2020年5月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847099243
作品紹介・あらすじ
仕事における困難、将来に対する不安、漠然とした生きづらさ。そんな「不本意な現実」はあなたの無意識が生み出している!
1000人を超える個人セッションから見出した、人間の内面世界を紐解く技術を体系化した由佐美加子と、慶應義塾大学大学院で無意識や幸福学の研究を重ねる前野隆司教授による、すべての人が持つ4つの「メンタルモデル」についての対話。
人間は、小さいころに体験した「痛み」を避けるための信念を無自覚に持っていて、その信念から、人生におけるすべての行動が自動的につくり出されている。しかし、その自覚はなく、自分が日々やっていることを正当化している――。
「不本意な現実」を生んでいる無意識のメカニズムから解放され、本物の自己肯定感を得るヒントを教えます。
家族や友人・恋人、部下や上司を理解するのにも役立つ一冊。
感想・レビュー・書評
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『Dare to Lead』という本と、メタに捉えると同じことを言っているんだけど、アプローチが違うのが面白かった!
『Dare to Lead』(=アメリカ的アプローチ)
人間とは繋がりたいという欲求を持っているので、それに反する経験をすると人は感情的に反応してしまいがち。解決策としては、自分の反応をコントロールする、つまり勇気を持って自分のエゴより相手への奉仕を優先するという選択をしましょう。
本書(=日本的アプローチ)
人は無意識の信念(繋がりたい・愛を感じたい・価値を認められたい・ありのままでいたい)に反する経験をすると痛みを感じる。痛みの根幹にある無意識の信念は何か、自己理解をすることでその痛みを受け止められるようになる。ネガティブにもポジティブにも寄らない、中庸を目指すことで、人間関係は楽になる。
ほとんど同じことを言っているんだけど、かたや「人間の行動は制御可能」とどこまでも思っているのと、「受け入れれば道が開ける(悟りの境地?)」と±0のスタンス(中庸)を目指すのと、提示する解決策が違っていて面白かった。
『フルライフ』『未来をつなぐ言葉たち』でも出てきたんだけど、無私の境地とか、梵我一如とか、やっぱりアジア的叡智なのだろうか。すごく気になる。
…と、楽しく読めたけど、『ザ・メンタルモデル』という本の続編という位置付けの対談集でハイコンテクストに感じたので、きちんと読みたいなら『ザ・メンタルモデル』を読んでから読んだ方がいいかもしれないと思いました。
そのほかちょっと面白かったこと
・wellbeingの日本語訳は幸福ではなく安養
・目指すのはクジラやゾウの知性詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「今日斬り」という由佐美加子さんのYouTubeを見る機会があり「メンタルモデル」に興味を持った。
人って同じものを見ていても… 同じ経験をしていても…そこから受けるものは違う。
子どものころに経験した「ない」という痛み その痛みを回避しようとしていろいろな行動をとる
克服だったり 逃避だったり… なるほどな…と思う
動画を見て 自分のタイプを知りたくなったが それはわからなくても 間違っていてもいいらしい。
本の中にそれぞれのタイプの思考の癖とかが書かれているので 当てはまるのかも…しれないが
「痛み」を体験するのは その痛みの裏側にある大切にしたいという願いを見つけるために必要なこと というのはなんとなくそうなのかもしれない…と感じた
深いこと ちょっと難しそうなことも書かれているが 対話の形で書かれているので読みやすい1冊。 -
由佐美加子さんが提唱しているメンタルモデルは中々興味深い。
ただし気になる点が二つ。
ひとつはメンタルモデルを「価値なしモデル」「 愛なしモデル」「ひとりぼっちモデル」「欠陥欠損モデル」と分類しているがそれぞれの言葉がネガティブ過ぎること。
意味がわかれば納得できるのだが、誰かに「あなたは愛なしモデルです」とか「欠陥欠損モデルです」と言われるとその言葉は受け入れづらい気がします。
それとこれらの気質的なものは環境ではなく生まれた時に決まっていると言っていると言い切っている事。
気質や性格といったものは生まれた時点で決まっているというよりは環境から影響を受ける方が強いと私は思います。・
前野隆司さんの本は好きでずっと読んでいるのでこの本の対談もなかなかそれぞれの立場からの発言が面白かったです。 -
そこに至った経緯やその内容も異なりますが、無意識が人間をコントロールしているとの説を提唱している二人、「受動意識仮説」の前野隆司氏と「ザ・メンタルモデル」の由佐美加子氏の対談。対談と言いつつも前野隆司氏が由佐美加子氏から話を聞きだしていて、ほぼ由佐美加子氏の説が説明されている印象。メンタルモデルについては、人間の行動を突き動かしている無意識の自動化されたシステムを生存適合OSとするのは納得できます。しかしながらそれが、人々の奥底にある痛みから作られた信念(メンタルモデル)、価値なしモデル、愛なしモデル、独りぼっちモデル、欠陥欠損モデルの四つに大別するのはコンサルのための都合の良いフレームワークのように思えます。人間の記憶にも大きく関与する情動を司る大脳辺縁系にある偏桃体を考えるとある種の痛みが人間をコントロールするのは考えられなくもないですが。。。
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他者に促されて自分の無意識との対話を始めたのですが、うまくいかず悩んでいた最中でパッとこの本が目に入り、購入しました。
今のままの自分の心の在り方では自分を幸せにすることが難しい、あるいは生きたい生き方が出来ない、成果が出せないなど、生きづらさを感じている自覚のある人にとっては一読の価値があると思います。
「人間は無意識的に痛みを避ける行動をとってしまう」「それに気が付き、その痛みは感じても大丈夫なものだとわかると、言動も変わり、統合に向かっていける」という考え方、なぜそのような切り口に至ったかが綴られていますが、全編対談形式となっており、大変読みやすく腹落ちしやすかったです。
このような本にありがちな「だから良い/悪い/出来ている/出来てない/こうすれば良い/こうしたらダメだ」といった示唆は一切なく、こういったものの見方、考え方があるよ、と提示されているだけなので、受け入れ易いと感じたのだと思います。 -
メンタルモデルとは、人間が小さい頃に体験した痛みを避けるための信念を分類し表したもの。その信念から人生におけるすべての行動が自動的に作り出されている。ただし、個人としてその自覚はなく、自身が日々やっていることを「良いことだ」「意味のあることだ」と頭で正当化している。
メンタルモデルという枠の外に出て、自己を客観視できれば「わたしを突き動かしているそのOSは自分ではない」し、「システムに作り出された回避行動で人生を生きている私も本当の意味で自分ではない」、「痛みと回避行動を卓越させた結果として出来上がったアイデンティティにすぎない」と気づくことができる。
これこそが、本質的な意味で自分を取り戻し、自分とつながり直すことである。これができると、自分のこれまでの回避行動にはない行動が取れるようになる。そこから新しい体験に向かっていくという統合のプロセスとなる。
そして、そのために必要なのが対話。問いを投げ「本当に内側にあるのは何か」を自分自身で感じ、気づくことが欠かせない。この自己内在するシステムを俯瞰できるようになると人は変わっていく。 -
2024/04/06
あまり深くない -
対談集ということですが、なんつかザ・メンタルモデルの参考書的な?
私は当書読んでおらずしまったぁと思いましたが、例が多くて自分のタイプが欠損欠陥モデルらしい。ただ、統合についてはどうやってたらいいのかわからんので別の本攻めるべし、ですね。 -
メンタルモデルのあとに、もう一度。