もしも刑務所に入ったら - 「日本一刑務所に入った男」による禁断解説 - (ワニブックスPLUS新書)

著者 :
  • ワニブックス
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847066351

感想・レビュー・書評

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  • ●わりと淡々とした記述。さらっと読める。
    ●佐藤優の獄中記で多少は知っていたので、そこまでの新鮮さはなかったが、刑務官への暴行がかなりあるのにはショックを受けた。
    ●孤狼の血2で、受刑者がお礼参りで刑務官の家族を襲いに来る描写があり、フィクションにせよ、可能性がゼロではないので難儀だなあと。
    ●そもそも受刑者は癖がありすぎるし、巧妙なサイコパスも紛れているから、日々接すると精神的な摩耗は相当だろう。
    ●てっきり過剰収容が問題かと思ったが、意外と逆の結論でビックリ
    ●死刑制度は維持すべきとは思うが、法務大臣も中々許可を出さないし、いざどんどん執行しだしたら、刑務官の心理的負担もすごいので、中々上手くはいかないなあと。

  • 著者の名前でアレっと思ってググったら河合隼雄の息子とWikipediaには書いてある。
    人柄は随分違う。息子さんは俗っぽい感じ。文学者に敬愛された父上より庶民寄りの感覚をお持ちの印象。
    面白さは実体験を描いた『刑務所の中』(花輪和一)の方が上なのだが、あちこち視察してきた人ならではの情報が興味深い。
    例えば在日米軍関係者の受刑者が収容されている横浜刑務所横須賀刑務支所では洋食が提供され、「パンはPascoである」(P37)とか。
    飲みに行った刑務官が元受刑者と鉢合わせてトラブルになったが「刑務官の圧勝に終わった」(P141)って、えっケンカしたの?それとも刑務所の外なのに権力で押さえつけたの?とモヤモヤするような記述もあるものの、受刑者の高齢化や、更生の難しさ(元受刑者を受け入れる職場がない)などの問題もきちんと書いてある。
    個人的には受刑者に訓練をして更生させ、社会が受け入れることはもっと行われるべきだと思う。
    累犯者はコソ泥や薬物利用が多く、殺人を繰り返す人は極めて少ない。「大きな事件を起こすエネルギーがある者ほど、更生に向かえば、更生する力も強い」(P189) 。薬物利用を止められないのは治療が必要で何度刑務所に入れてもダメというのももっとも。
    個人的には、更生して社会で生きていけるようにすることは賛成だけど、性犯罪者だけは、特に子どもを対象にした性犯罪者だけは受け入れられない。そういう人は、治療が不可能であれば、終身刑にしてほしいと思う。

  • 普段は入ることができない場所のことを追体験できることが読書の醍醐味だと思っているので、こういう本はつい手にとってしまう。全体的にみれば日本の刑務所って割とゆるいのかな?なんて思ってしまった。そりゃもちろん自由を奪われるのはとても辛いことなんだけれど、結構イベントに溢れてるんだもの。でもよくよく読んでみると刑務所は更生を目的とした場所なのでそういう飴とムチは大切なのだそうだ。でもそれがゆえに刑務所入りたさに再犯を繰り返す人も多く難しいところ。死刑制度については別の本も読んで学んでいきたい。

  • とても面白かった。中の様子を知る術がないので、新しい事が知れて良かった。

  • ●刑務所と言う場所は、情報化社会における最後のサンクチュアリ(聖域)であると言っても過言ではない。
    ●刑務所にはなかなか入れてもらえない。新しい受給者の7割は無職。最終学歴は中卒以下が半数。
    ●少年院は1から3種。2種は昔の特別少年院。3種は医療少年院。
    ●男子は窃盗で入るケースが多いのだが、女子の場合は覚醒剤で入れられるケースが最も多い。
    ●拘置所は主に裁判において刑が下されていない未決囚が収監されている場所。
    ●独居房と言う部屋は、同性愛者や暴力団の幹部など、他の受刑者に影響を与えるとされるものが入れられる個室。外には規律違反を犯したもの。
    ● 風呂は夏以外は週2回、夏は週3回。15分だけ。
    ●受刑者の信仰。イスラム教への配慮はまだまだ不十分である。
    ●イベント。慰問、映画鑑賞会。運動会。文化祭。
    ●日本ではここ数十年の間で、脱獄して逃げきった受刑者はいない。年間3件以下。
    ●高齢化と医師不足。

  • 所要時間:3.5
    オススメ度:
    身内 3
    身内以外 4
    過去の自分(20歳) 4
    未来の自分(60歳) 3
    子供が【16】歳のときに読んで欲しい

  • 学者として日本全国の刑務所を回った!、と言う意味での「日本一」。じっくりしみじみ読ませるという味は無いが、読者が刑務所にはいったら、という前提で平易に書かれていて分かりやすく面白かった。

    • 午後のカッパさん
      学者として日本全国の刑務所を回った!、と言う意味での「日本一」。嘘ではない。ならではの面白さも確かにあり、読んでみて良かった。
      学者として日本全国の刑務所を回った!、と言う意味での「日本一」。嘘ではない。ならではの面白さも確かにあり、読んでみて良かった。
      2020/08/17
  • 絶対行きたくないし、職場としても微妙な刑務所。
    でも、未知な場所なだけにどんなルールがあって、どういうシステムで運用しているのかは興味ありました。
    家族が購入したので読みました。
    へー、と思うルールもあり楽しめました。

  • 2022年8月に読む本のアドレスです。
    https://www.youtube.com/watch?v=vzrJOrXXIxk

    内容(「BOOK」データベースより)

    作業・娯楽・食事・イベントetc.驚きにあふれた受刑者/刑務官のリアルな生活とは?全国にある矯正施設を知る著者だからわかった「塀の中の真実」。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    河合幹雄
    法社会学者。1960年、奈良県生まれ。京都大学大学院にて法社会学専攻後、フランスの名門法学研究科であるパリ第2大学へ留学。その後、京都大学法学部助手を経て、桐蔭横浜大学法学部教授・副学長。公益財団法人矯正協会評議員、全国篤志面接委員連盟評議員も務める。ほか、日本犯罪社会学会理事、日本法社会学会理事、日本被害者学会理事を務め、警察大学校教員、嘱託法務省刑事施設視察委員会委員長などを歴任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    目次
    序章 刑務所に足を踏み入れるには?
    第1章 「罪」によって行き先が決まっている
    第2章 刑務所の暮らしはどんなものか?
    第3章 受刑者の楽しみと癒し
    第4章 刑務官とはどのような職務なのか?
    第5章 刑務所が抱えている問題
    終章 出所後の生活

    本の感想(オフィス樋口Books http://www.books-officehiguchi.com/?p=8061より転送)

    この本の著者は法社会学者で、法務省刑事施設視察委員会委員長を歴任し、視察してきたので普段知ることができない刑務所など刑事施設を詳しく解説しています。

    逮捕されたらほぼ100%有罪と言われていますが、殺人・放火などを除けばほとんどのケースが即刑務所行きとはならないという意外な一面も取り上げられています。

    この本のほとんどは、最初にある刑務所の入所儀式、一日の生活の流れなど刑務所の中の生活がメインである。出所後の受刑者について気になる人は終章を参照してください。

    なお、ホンシェルジュの法務教官と保護観察官の記事を執筆したとき、この本を参考にしました。

  • 刑務所解説本。刑務所の中も高齢化、無料の老人ホーム状態とは考えもの。二犯の者より五犯以上の者が多いとは大きな問題ですね。出所者を社会で受け入れて再犯率を下げる、よく聞きますが、いうのは簡単、いざ自分の身に降りかかってきたらできるかどうか・・・。元々知り合いで、犯罪の理由にも理解の余地があればまだしも、そうでなければ難しい。

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