ぼくらの死生観―英霊の渇く島に問う - 新書版 死ぬ理由、生きる理由 - (ワニブックスPLUS新書)

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  • ワニブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847061332

感想・レビュー・書評

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  • p126
    したがって、いまわたしたちがいわば何気なく目にしているこの硫黄島は、祖国日本を本当の意味で護った、後世のわたしたちにつなげた島だということが言えると思います。

    p156
    中将は、この島の一万一千の取り残された方々がすべてお帰りになって、初めて自らの故郷に帰られるのであり、栗林中将はいまはここにいらっしゃいます。

    p196
    「~命がある最後の日まで、自分にはできることがあり、やらなきゃいけないことがあるというのを、あなたの後を回っていて、私も初めてわかりました」とおっしゃったのです。
    そしてぼくはそのときに感じたのは「ああ、硫黄島というのはわたしたちの生きるヒントだ」ということです。

    p371
    あれもこれも八方美人の顔をするのは実は保身であるとも考えている。

    p373
    もともとはみな、泣き笑いの人生を送り、ごはんも食べて風呂にも入った生身の人間だ。しかも前述したように硫黄島の兵士は二万人がただの庶民であり、職業軍人は一千人ほどしか居なかった。職業軍人も同じ日本国民だ。そのうえで、あなたの隣にいたひとが、七三年間も放ったらかしなのだ。少年少女から高齢者まで、まさしく、どこにでもいる国民が奪われたまま何十年も過ぎた拉致事件とそっくりである。

    p382
    硫黄島で戦われた二万一千人の日本人は、指揮官の栗林忠道中将以下、ご自分の利益のために地下壕を爪を剝がしながらも堀ったひと、ご自分が評価されるために戦ったひと、こうすれば自分が褒められると考えていたひとは、誰ひとり居ないのです。

  • 後の世代にも引き継がれるべき内容。
    硫黄島について、色々な角度から、もっと知りたい。

  • 本当にみんなに知って欲しい!今の僕達のため、どれだけ多くの犠牲があったのかを。先の大戦で先人が守ってくれた日本の国柄、本当に素晴らしい。

  • クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』、『父親たちの星条旗』、第二次世界大戦における硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた「硫黄島プロジェクト」の作品も観てほしい。

  • かなり気合いの入った新書。
    民間人の入れない硫黄島レポも含め、この人が考えさせようとしていることは、よく分かる。
    ただ、一方で、私たち自身が取捨選択をしなくてはいけない(ということをにおわせる)書き方も多く、権力的なものに阿ていませんよ、と言いながら逆説的に読めてしまう部分は、ちょっと残念。
    ま、著者の人となりを理解しない一般人の書いた感想なので、スルーしていただきたい。
    資料として読ませていただいた。

  • 2018/7/9 Amazonより届く。
    2018/7/17〜7/21

    「死ぬ理由、生きる理由」を新書化にあたり改題。青山さんが取り組んでおられる硫黄島の問題に関する顛末が詳しく書かれている。日本人の特徴である、「水に流す」、「臭いものには蓋」という精神構造が悪い方に出ている一つであろう。情報操作を行なっているマスコミは一般国民うをバカにしてるんだろうなぁ。事実を事実として報道してほしい。判断はそれぞれで行うので。そのためにも我々には教養が必要になるだろう。

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著者プロフィール

青山繁晴(あおやま・しげはる)
神戸市生まれ。慶應義塾大学文学部中退、早稲田大学政治経済学部卒。共同通信記者、三菱総合研究所研究員、独立総合研究所代表取締役社長・兼・首席研究員を経て、現・参議院議員(二期目)。派閥を超えた新しい議員集団「護る会」(日本の尊厳と国益を護る会)代表。ほかに現職は、東京大学学生有志ゼミ講師(元非常勤講師)、近畿大学経済学部客員教授。作家。小説に「平成紀」(幻冬舎文庫)「わたしは灰猫」(小社刊)、ノンフィクションに「ぼくらの祖国」(小社刊)「きみの大逆転」(ワニブックス【PLUS】新書)など。

「2022年 『夜想交叉路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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