海と女とメタンハイドレート ~青山千春博士ができるまで~ (ワニブックスPLUS新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847060632

作品紹介・あらすじ

建国以来初の自前資源、メタンハイドレート。日本国民の多くが期待を寄せるこの資源の、魚群探知機を使う安価にして確実な探査方法で日本の特許と諸国(アメリカ、オーストラリア、ロシア、中国、韓国)の特許を持つ青山千春博士。そして、彼女はその特許の使用料を1円たりとも取らない。祖国のための特許であり、自らの利益のための特許ではないのだ。メタンハイドレート調査・研究のキーパーソンであり、国士でもある博士は、同時に青山繁晴氏の配偶者であり、二人の息子の母でもある。船乗りを志し、門前払いの大学の中から、かすかに開いていた東京水産大学の門をこじ開けるなど、この国にある性、年齢などの様々な差別や障害としなやかに、そしてしたたかに戦ってきた彼女のピュアな道行は、やがてメタンハイドレートとの出会いにつながり、世の女性たちと祖国に勇気と元気をもたらす。

感想・レビュー・書評

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  • つい先日、日本海側でのメタンハイドレートの試掘が始まったとのニュースを見ました。
    こちら、青山夫妻も関わっているのだろうかと感じつつ、思い出したのがこちら。

    昨年に紹介いただいた『希望の現場 メタンハイドレート』の前段ともいえる一冊。
    あちらよりも、青山千春博士個人により焦点を当てた感じの内容です。

     “結婚して子供を育ててから、研究者になってもいいじゃない”

    一度完全に家庭に入られてから、再び研究者の道に戻ってくる、
    言葉にすると短いですが、実現するまでの道のりは果てなく長そうです。

    それをやりきってしまうのだから、凄いなぁ、、と。
    科目履修生でですらイッパイイッパイな身としては、なおさら、、(汗

     “(メタンハイドレートは)国が本腰を入れて開発さえすれば、
      驚くほど安価なエネルギー資源となる可能性もあります”

    安倍政権になって、一気にこの流れが本格化してきたのでしょうか。
    いつまでも原子力に頼っていられないでしょうから早急に国策として、ですね。

    そういや年末にCATVで観ていた、名探偵コナン映画でネタになってました。
    確か2007年、先日はイージス艦ネタでしたし、意外と侮れません。。

  • 2016/11/9 Amazonより届く。
    2017/1/26〜1/30

    お馴染み、青山繁晴氏の奥さん、青山千春さんの伝記っぽい内容。何度かテレビでお見かけして、真っ直ぐな人だな、と感じていたが、まさにその通りの人であった。文体も独特で、すごくストレートに物事を感じる人なんだな。青山繁晴氏のエピソードもたっぷりでなかなか楽しめた。

  • 我が尊敬する青山繁晴さんの妻である青山千春博士もやはりすごい方でした。何か本当にお似合いの夫婦というか、この二人だからこそ成立するんでしょうね。お二人ともかっこいいです。互いが自分の足で立っていていざという時には助け合う。自分にとって理想の夫婦像です。

    青山繁晴さんは著書「ぼくらの祖国」で知り、「こんなかっこいい人いるんだ!」と一発でファンになりました。それから動画でも拝見しまして。青山さんの著書はみんな購入して何度か読み返しています。

    本作品、本編はもちろんですが、章末に挿入されている「ガハハ、青山繁晴ができるまで」という青山繁晴さんの子供の頃の話も面白いです。
    なぜ、青山繁晴という人間がなぜ出来上がったのかその理由が垣間見えます。

  • 今年(2013)3月上旬のニュースで太平洋側でのメタンハイドレードの採掘実験に成功したというニュースが流れ、娘の大学合格に浮かれていた私をもっと驚かせたことを覚えています。

    以前からあるとは言われていましたが、採掘が難しくて無理だろうと勝手に思い込んでいた私は驚きと共に、日本の将来への希望の光を感じました。

    現在は、特に先進国が自前で資源を得られることは重要で、現在米国で起きているシェールオイル・ガス革命が軌道にのると、米国のさらなる成長が見込まれるとされています。各国が資源の囲い込みをすることになれば、太平洋戦争の二の舞にもなりかねません。

    自国で少しでもエネルギーを賄おうと進めてきた原子力は、2年前(2011)の原発事故により主力になることは難しくなりましたので、是非、私の娘達が活躍する頃には、メタンハイドレードをエネルギーとして使えるような時代になってもらいたいものですね。

    この本は、私が日本にメタンハイドレードがあることを教えてくれた青山氏の奥様(青山女史)がメインに書かれた本で、彼女の生い立ちや航海士になるまでの苦労話が多いのですが、彼女がメタンハイドレード生産がより実用化できる日本海において、それを発見することになった経緯が詳しく書かれています。

    その方法の特許を世界各国で取得しながらも、その使用にお金をとらない
    姿勢は素晴らしいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・青山女史の父親は、足柄という重巡洋艦に軍楽隊として乗艦していた、ということは旗艦であったということ(P44)

    ・命をどうにか繋いで生き延びると「運気」が変わっていて、ギャンブル運は好調を維持している(P51)

    ・女子学院は、明治初期に日本で初めて設立されたミッション系女学校なので、頭に何もつかないただの「女子学院」である(P73)

    ・現在の船は、海水をエンジンの周りにくぐらせて蒸発させて、それを冷やして真水にすることができるので、水の残量や時間を気にせずにシャワーを浴びることができる(P97)

    ・入試は2つの勝負がある、1つ目は先生との勝負、2つ目は自分との勝負、自分がどれだけ強い気持ちで集中してがんばれたかの結果を出す勝負、他人との比較ではない(P131)

    ・他人との比較は、夫婦間でもよくない、押しつけと見返りを求める言葉は、夫婦間・親子間・友人間でもやめたほうが良い(P132)

    ・新潟県佐渡の南西沖で石油の試掘をして、メタンハイドレードの採取もできた、そして東大との共同研究が始まり、魚群探知機によってメタンハイドレードを発見できた(P153)

    ・コンサルタント業界では、シミュレーションをする場合、初めから望ましい結果が決まっていて、それが出るまで解析をし直すことがある(P158)

    ・メタンハイドレードは自然に溶けてメタンガスになってしまうと、地球温暖化効果が二酸化炭素の20倍になる、資源として利用して燃やした方が、その影響が20分の1に軽減できる(P166)

    2013年10月14日作成

  • 青山繁晴さんの奥さんで船乗り、日本の有望な自前資源メタンハイドレートの探査を行っている方。
    ・・・という情報しか知らなかった。

    YouTubeで青山繁晴さんの動画はよく見ていて、その中で時々紹介される『青山千春博士』には触れていたのだけども、想像通り面白い方だった。

    この2人が夫婦であるってことは、本当にすばらしいことで、喜ばしいこと、そして少し笑える天の計らいに感じる。

    青山繁晴さんは、千春博士の書について『子供の作文みたいに』と評されているけども、その後に続くのは『まっすぐな』だ。つまり『子供の作文みたいに真っ直ぐな』千春博士の文章は、本当に面白い。心打たれるというのとはチト違う。

    そして、いつもながら、青山繁晴さんの姿勢もその通りだし、子供のままの目で、心で、世界を見つめることのできる能力(?)に憧れる。

    この2人の行動力に学ぶべきだなと思う、希望のつまった1冊。

    息子さんにメッセージ伝わったらいいな。

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    【内容(「BOOK」データベースより)】
    建国以来初の自前資源、メタンハイドレート。日本国民の多くが期待を寄せるこの資源の、魚群探知機を使う安価にして確実な探査方法で日本の特許と諸国(アメリカ、オーストラリア、ロシア、中国、韓国)の特許を持つ青山千春博士。そして、彼女はその特許の使用料を1円たりとも取らない。祖国のための特許であり、自らの利益のための特許ではないのだ。メタンハイドレート調査・研究のキーパーソンであり、国士でもある博士は、同時に青山繁晴氏の配偶者であり、二人の息子の母でもある。船乗りを志し、門前払いの大学の中から、かすかに開いていた東京水産大学の門をこじ開けるなど、この国にある性、年齢などの様々な差別や障害としなやかに、そしてしたたかに戦ってきた彼女のピュアな道行は、やがてメタンハイドレートとの出会いにつながり、世の女性たちと祖国に勇気と元気をもたらす。
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    【目次】
    はじめに
    第1章 青山繁晴との出逢い
    第2章 両親は音楽家
    第3章 謎解き大好き
    第4章 自分の夢をあきらめないお母さん
    第5章 海と女とメタンハイドレート
    おわりに
    陸と男とニッポン航海記(青山繁晴)
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