環境文明論: 新たな世界史像

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  • Amazon.co.jp ・本 (647ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846015152

感想・レビュー・書評

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  • 半年くらいかかったかなあ。ずっとベッドの横に置かれていて、寝る前に少しずつ読んだ。いろんな本に途中さえぎられながら。本書は安田先生が東北に行かれてから行った集中講義の内容をもとに作られている。650ページにも及ぶ大著である。すべての研究成果がここに収められている。ここでは著者の最後の主張だけを引用しておこう。著者はこのままいけば2050年ころには現代文明は崩壊するという。その理由の一つが、水を投機対象にし始めているということだ。すでに空気というか二酸化炭素は地球温暖化もあって排出権取引が始まっている。水資源が枯渇することがはっきりしてくると、それに投資して儲けようという人が出てくる。「水は人間の命のみでなく、この地球上の生きとし生けるもののいのちの維持になくてはならないものである。その水までも、一握りの金持ちが買い占めるというようなことが許されていいはずがない。ここに、『過去に対する感謝と未来に対する責任を負わない』現代資本主義の市場原理主義の悪弊が行き着くところまで行き着いた感がある。」この危機を乗り切るのは、稲作漁撈民の心を持った我々日本人である。自然と人間が共存できる美しい世界を取り戻そう。そのためには少し前(江戸時代くらい)の日本の原風景を思い起こせばそれでいい。何も江戸時代の生活に戻るわけではない。そこに生き方のヒントがあるというだけだ。後半はちょっともう安田教っぽいところ満載でしたが、私もかなり洗脳されており、気持ちよく読み進めました。久々に買った5000円する本でした。

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    This title is a controversial topic of world environment. It is expanded the discussion of the environmental archaeology, environmental civilization, and the world future.

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著者プロフィール

安田喜憲(やすだ・よしのり) 1946年、三重県生まれ。環境考古学者、理学博士。東北大学大学院特任教授、国際日本文化研究センター名誉教授。ふじのくに地球環境史ミュージアム館長を務める。

「2019年 『水の恵みと生命文明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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