ニュクスの角灯 6 (乱コミックス)

著者 :
  • リイド社
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本棚登録 : 125
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845860272

感想・レビュー・書評

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  • うん。良かった。
    あまりこの時代をこういうふうに切り取った物語を見た事がないような。
    途中、美世の人生に入り込んで
    最初の設定を忘れていたけど、
    最後に、あ、そうだった!と衝撃がある終わり方。
    戦前にも、個人レベルでも世界と繋がって活気があったんだとなんだか驚く。
    うじうじしているけど美世は嫌いじゃない。
    ももさんと、、、でもないのも、それはそれで良い気がした。
    本当に不思議の国の、楽しいお話だった。
    面白かったです。

  • この日だから、本棚から持ち出しました。

    幸せな時代を生きた美世の命の灯が消えるまでのお話。
    美世がジュディットに語ります「怖がらずに光の方へ」と、ジュディはそんな美世をニュクスに例えます。そして、寄り添うポーリーが「気楽にやろう」と、そしてジュディは笑顔を取り戻す。

    ラストの幸が見たあの長崎の忌まわしい雲と光、この光は角灯であってはならない。

    美世が後にかけた魔法?こそがニュクスの灯であって欲しい、幸の未来が明るい幸せなモノであることを切に願う。
    良質な漫画とは、この作品だと思います。濃密で豊潤な時代を生きた女性の物語、終幕です。

  • 文明開化の一面を、上手い具合に切り取ってあり、実在人物も巧みに取り込みながら、飽かせず最後まで読ませられた。

  • <Nyc's Lantern>
      
    裝幀/坂根舞(井上則人デザイン事務所)

  • 「明治11年、長崎とパリを舞台に描く明治アンティーク浪漫。文化庁メディア芸術祭受賞&続々重版出来の話題作、感動の最終巻!」

  • 2019

    cabinet
    41浮世絵ブーム
    19世紀末、ヨーロッパで起こった空前の大ブーム
    国内では紙くず扱いだった浮世絵が、1まい3フラン(3000円)
    その後値上がりし、明治25年頃には、歌麿の「海女」が6000円(2220万)で取引

    42リバティ・デパート
    イギリス資本の日本商品を扱う会社
    アレキサンドラ・パレス・カンパニー
    クリストファー・ドレッサーが設立にかかわる

    友人のホルムは1879年神戸にホルム商会を設立
    ホルムの友人のアーサー・レーゼンビー・リバティーは1875年に輸入した日本商品を保管する倉庫を建てていてそれがリバティデパートに

    43聖人いろいろ
    ノートルダム(=我らの貴婦人)寺院のマリア様はマグダラのマリア(娼婦)

    聖ルカは絵描き
    医者の守護聖人聖セシリアは眼病
    音楽家の聖クリストファーは交通安全
    聖イシドールス(プログラm-、エンジニア)
    テウレンティス(コメディアン)
    コロンバヌス(バイク乗り)
    聖カエタン(無職)

    44パリの交通事情
    辻馬車は一番安い
    昼夜の料金が違う
    乗り合い交通機関ありomnibus

    45クレオ・ドメロード(1875ー1966)
    ダンサー、アイド

    46メダイとマリア観音
    貝のメダイは天草のキリシタンのもの

    47 「!」
    1400年頃の印刷物に初めて出現されていたという記録がある
    1862年のヴィクトル・ユゴーの手紙が有名
    「?」「!」のやりとり
    にほんでは昭和初期に

    48ニーバーの祈り
    アメリカの神学者ラインホルド・ニーバー(1892-1971)が1973年に行った説教に記録ありだが、古い言葉らしい(伝承)
    「平静な祈り」「平安な祈り」「静穏の祈り」(Serenity Prayer)
    「神よ どうか私にお与えください
    自分に帰られないものを
    受け入れる落ち着きを
    変えられるものは変えていく勇気を
    そして 二つのものを見分ける 賢さを」

    The Serenity Prayer

    God grant me the serenity
    to accept the things I cannot change,
    courage to change the things I can,
    and wisdom to know the difference.
    Living one day at a time.
    Enjoying one moment at a time.
    Accepting hardships as the pathway to peace.
    Taking, as He did, this sinful world
    as it is, not as I would have it.
    Trusting that He will make all things right
    if I surrender to His Will.
    That I may be reasonably happy in this life
    and supremely happy with Him.
    Forever in the next.
    Amen.

    --Reinhold Niebuhr

    平安の祈り

    神さま、私にお与えください
    自分に変えられないものを受けいれる落ち着きを
    変えられるものは変えていく勇気を
    そして二つのものを見分ける賢さを
    今日一日を生き
    この一瞬を享受し
    苦しみを平和に至る道と受け入れますように。
    この罪深い世界を、私ではなく、神さまの御業として
    あるがままに受け止めますように。
    神さまの意志にゆだねれば、すべてをあるべき姿に
    してくれると信じられますように。
    私はこの世を生きて幸せでしょう。神さまと共にある
    ことに、このうえない幸せを感じることができますように。
    永遠に。
    アーメン

    --ラインホルド・ニーバー

    49コーヒーメーカー色々
    天秤式 1860年あたりのもの
    (スコットランドのロバート・ネイピアが発明したナピア式サイフォン)

    最終回 実在の人物
    大浦慶
    ヴィクトール・ビナテール
    エドモン・ド・ゴンクール
    松尾義助

    ラストがこのようなところに落ち着くとは~
    美世のような機会が与えられないにしても、海外(未知のもの)に目を向ける、受け入れられる、精神を持っていたい

  • 皆が幸せであれ

  • 2−6巻読了。美世が、父が西南戦争で死に、叔父夫婦に引き取られ、骨董屋「蛮」に奉公し、百年に憧れ、岩じいに慈しまれ、大浦慶に厳しくも愛情深く接され、ついには、パリ経由でニューヨークへ商いの勉強へ、という成長物語を軸に、百年のわかかりし頃の苦い恋とそれを取り戻す奮闘、自分を捨てた母との再会と、陰ながら力になろうとする姿。信頼する人に騙され全財産をなくし、それでも立ち上がろうとし、百年に助けられ、助けて、最後は大きな事業欲も取り戻した大浦慶。ハッタリと試行錯誤で、パリでの商いに乗り出す百年とヴィクトール、そこに力を貸す才色兼備で少し意地悪なマリー。それらの織りなすわくわくする大きな物語絵巻が19世紀末の長崎とパリを舞台に繰り広げられる。田川永吉「女丈夫 大浦慶伝 慶と横浜、慶と軍艦高雄丸」や、鹿島茂の19世紀パリをあつかった本など手にとって、もっともっとこの時代のことを知ってみたくなった。以下備忘録的に。/1866年に日本政府が御印章(パスポート)を発行開始したこと、裕福な人のみかと思いきや、一般庶民も多く手にして海外へ出たこと、「大西新聞」という海外事情を伝える新聞が発行されていたことなど興味深く。/大浦慶「あんたは自分に何の取り柄もなかと言ったけど、嘘をつくのには洞察力が要る その洞察力こそがあんたの取り柄」/岩爺「逆に考えれば嬉しかですけどね 疑いが起こるのは信じたい気持ちの裏返しですけんな」/お見送りの人たちが、お見送りにしては必死すぎるのに気づく美世…パスポートを忘れていたシーン/お慶さんの住居跡は今はカラオケとネットカフェになっていて、今でも情報発信・交換という目的で利用されているのが面白い、と著者/浮世絵がパリの文化人たちに高く評価される一方、内心「言えない…梱包に使っているような紙だなんて」と思ってる百年とヴィクトール/ジュディット「この人 私を迎えに来てくれたんだって」/カズマ「自分を裏切る人間に焦がれて馬鹿みたいに金や気力を捧げて」「僕はもう長い事暗闇の中に生きている」/ポーリーヌ「必要なのは静かな忍耐だよ 変えられない物を受け入れる心の落着きと変えられる物は変えていく勇気 そして二つの物を見分ける賢さ」/百年「幸せな時代を生きる幸せな女性におなり」/

  • 最終巻。
    最初に読み始めた時からは想像もつかないような広がりと結末だった。
    またいつか読み返したい。

  • こういう漫画が売れて欲しいのだよ

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