電話・睡眠・音楽 (torch comics)

著者 :
  • リイド社
3.79
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本棚登録 : 188
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845860012

作品紹介・あらすじ

移ろいゆく東京の一夜を切り取りカルチャーシーンに衝撃を与えた表題作ほか、新時代の俊英による鮮烈な作品集。(推薦=小西康陽)

感想・レビュー・書評

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  • 2023/12/17購入
    2023/12/29読了

  • あとがきの情報量がすごい、ガロも知らないので1年かけて出直します。収録作では仏に対峙する老爺の画が鮮烈で一番印象的だった
    《もしも新しいマンガ表現というものがあるのならば一九七〇年前後の『ガロ』からもう一度やり直さなければいけない、そのあとのマンガは、何か間違ってしまったとずっと思っています。》
    《すると、先生は色々な作家がいたけれど残った人は少ないね、とおっしゃいました。どんな方が残られましたか?と尋ねたら「東京に実家がある人」と即答されました。…それ以来、東京をどのように描いているかを意識してマンガを読むようになりました。》
    《私たちが、私たち自身のリアリズムを獲得して、絶えずそれを更新すること。ここに現代劇の意義やマンガというジャンルの使命を感じるのです。》

  • 川勝徳重氏の作品『電話・睡眠・音楽(2018)』を読了。 ずっと気になってました。おいらは・・・ タイトル作の”電話・睡眠・音楽”が大好きだなー。 他の作品もお気に入りだが。 傑作。

  • まじで20代?
    好みでした

  • 表題作、電話・睡眠・音楽が読みたくて、手に取る。あるOLの日常を、セリフを極限まで絞って描いた一編。ただ、電話し、入浴し、出かけ、クラブで酒を飲み、音楽を聴き、語り、帰るだけなんだけど、なんだろうこの味わい深さは、と。正直、初期の絵柄はちょっと昔すぎて受け付けづらいところもあったけど、那智の滝に修行に行く友人の話がそんなオチで、という繋がりとか、昔国語の教科書に出てきた梅崎春生のカロの話が読めてよかったり、赤塚不二夫の満州からの引き上げ話とかいろいろ楽しめた。解説で強く押している
    斎藤潤一郎「死都調布」、また「ユースカ」の「東村山アドマチック天国」「亀有公園前私」、西村ツチカ「花を植えた女」、永美太郎「エコール・ド・プラトーン」(トーチweb)、林静一「鱗粉」も読んでみたくなる。ピチカート・ワン「わたくしの二十世紀」の「かなしいうわさ」も聞いてみたい。

  • おもしろい。都市と「私」的なもの。著者解題が充実していて読み応えがある。漫画論のテキストをもっと読みたいな……。

  • 20代半ばでこのバラエティ豊かな短編集って希望でしかないでしょとか他人事なので簡単に考えてしまうけれど、著者解題から伝わるマンガに対する切実な思いに諭され、勇み足をたしなめられる。しかし、何はともあれ大満足な一冊。時代の必読感がすごい。

  • 2018.9.30

    高校生の頃、林静一やつげ義春の漫画を読んで以来ガロ的と言われるような漫画も読みましたが、今だにこのタイプの作品との接し方が分からないんだよなぁ。

  • 「ダダ、シュルレアリスム、ヌーヴェル・ヴァーグ、劇画、『ガロ』、『プロヴォーク』、色々なムーヴメントがありましたが、これらはいずれも広義の意味でのリアリズム表現の更新運動でした。私たちが、私たち自身のリアリズムを獲得して、絶えずそれを更新するということ。ここに現代劇の意義やマンガというジャンルの使命を感じるのです。そして、マンガはそれをやれるだけの生命がまだあると思います。‪⋯‬‪⋯‬ですが私は、結局どこに自分の現実があるのかもわからず、ただ混乱するばかりです。地に足がついていないばかりか、どこに地面があるかもわからない。その点で、私はたった一篇のマンガさえも描けていないのです」(p.290)

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