刺青 (立東舎 乙女の本棚)

  • 立東舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845636273

作品紹介・あらすじ

お前さんの命を貰った代りに、私はさぞ美しくなったろうねえ

刺青師の清吉には、いつか理想の美女の肌に刺青を入れたいという野望があった。
谷崎潤一郎の『刺青』が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼び、本シリーズでは坂口安吾『夜長姫と耳男』を担当するイラストレーター・夜汽車によって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

感想・レビュー・書評

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  • もっともっともっーーーと妖しさを出して欲しかったなー
    谷崎潤一郎の文章に夜汽車さんの絵がだいぶ負けてる印象がしちゃったんよね

    いや、すんばらしかったのよ
    スンバらしく素敵な絵だったんよ
    あれ?なんかわいの要求が厳しくなってる?

    でもほんと『乙女の本棚』シリーズ
    良いわよ!文豪たちの入口にこれほどよい本棚はないわよ
    なんでもっとみんな読まないのかしら(乙女というよりおネエ)

    これちょっと谷崎作品読んでみたくなるもんな〜
    他にどんな世界観あるのよってなるもの

    ああああ!(どした急に)
    わかった!夜汽車さんの絵によって谷崎潤一郎の毒がだいぶ中和されてるんだわ!
    うん、やっぱここ入口に谷崎潤一郎の世界に行くのはやめた方がいいかも
    ”乙女”という解毒剤なしに進むのは命の危険があるかも!

    • ひまわりめろんさん
      傍らに土瓶氏

      基本的には純文学は読む気なしです
      なんていうか苦労の末にたどり着く感動みたいなんがあることも否定しませんが、めんどくさ(゚д...
      傍らに土瓶氏

      基本的には純文学は読む気なしです
      なんていうか苦労の末にたどり着く感動みたいなんがあることも否定しませんが、めんどくさ(゚д゚)ウマー
      2023/08/24
    • ひまわりめろんさん
      おびー

      わたしはそれはそれ、これはこれで切り離せる人です
      おびー

      わたしはそれはそれ、これはこれで切り離せる人です
      2023/08/24
    • ひまわりめろんさん
      一Q氏

      誰が調査に乗り出した小池都知事やねん!
      一Q氏

      誰が調査に乗り出した小池都知事やねん!
      2023/08/24
  • 谷崎潤一郎 × 夜汽車さんコラボ作品
    『刺青』(しせい)を読みました。

    大きな動乱も無く、人々がのんびり暮らしていた昔。
    美しい者は強者であると、多くの人が美を求めて
    入れ墨に心を惹かれるようになっていた時代のこと。
    清吉は、大変評判の高い若手の刺青師。
    彼は職人気質であり、自分の入れ墨で苦痛に悲鳴をあげる人の姿をみる事にも快楽を覚える性分であった。
    そんな清吉には
    〈美女の肌に己の魂を、刺り込みたい〉
    という長年の願望があり、ついに理想とする女を見つけ出す。
    なんと、ひと目で生足に惹かれてしまった女なのだがやっと探し出したのは
    16か、7の美しい小娘であった。
    怯えて帰りたがる娘を自らの欲望を満たすために
    なんと眠らせて強行してしまう!!
    だが、巨大な女郎蜘蛛の絵を娘の背中に一晩かけて完成させると…その女の態度はガラリと変わった。

    『お前さんの命を貰った代わりに私はさぞ美しくなっただろうねえ』
    『お前さんは真っ先に私の肥料になったんだねえ』

    そう清吉に向けて、剣の様な瞳を輝かせた……。

    文体や文章も古風でその世界観は妖艶な感じでした。
    夜汽車さんのイラストも美しかったです。

    そういえば【女郎蜘蛛】って、メスはオスよりも強いのですよね…
    下手をすればオスはメスの餌食にもなる位だとか。

    女郎蜘蛛の毒に痺れる様に
    ゾクッと、
    シビレた読後感でした……

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん、おはようございます(^^)
      「刺青」もよかったですね!!

      ラストの描写も印象深くて終わり方も…好みでしたよ。
      夜汽車さんのイラス...
      かなさん、おはようございます(^^)
      「刺青」もよかったですね!!

      ラストの描写も印象深くて終わり方も…好みでしたよ。
      夜汽車さんのイラストも良かったですよね。

      作品名の「しせい」という読み方、私も、知らなかったです。
      作中では刺青を(ほりもの)と、ルビもありましたよね…。
      おびのりさんや土瓶さんのレビューで作品名は(しせい)って読むのを知りましたよ〜(^^)v
      かなさんのレビューで気になりました。
      きれいになりたいと思う気持ちの果てしない深さよ…(笑)
      凄いで作品でしたね。
      ありがとうございました♪☆彡♡
      2023/08/03
    • しずくさん
      チーニャ、ピーナッツが好きさんandかなさん、ありがとうございます。
      こんな本があるって初めて知りました。
      図書館で検索して予約完了、届...
      チーニャ、ピーナッツが好きさんandかなさん、ありがとうございます。
      こんな本があるって初めて知りました。
      図書館で検索して予約完了、届くのが今から楽しみです!
      2023/08/03
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      しずくさん、こんにちは〜(^^)
      こちらこそ、コメントありがとうございます-( ⌯'֊'⌯) ও⸒⸒
      かなさんも、私も好きな本なので是非、読...
      しずくさん、こんにちは〜(^^)
      こちらこそ、コメントありがとうございます-( ⌯'֊'⌯) ও⸒⸒
      かなさんも、私も好きな本なので是非、読んでみて下さいね〜♡♡
      2023/08/03
  • シリーズ6冊目、この妖艶な雰囲気...好きだなぁ(´∀`)♪

    谷崎潤一郎作品としても初読み、今作のイラストレーターは夜汽車さんですが、なかなか乙女チックなタッチ...思わずおじさんも胸キュンです(笑)

    最近、ファッションの一部としてタトゥーを入れる人が増えましたが、和柄の「刺青」といえば...ですよね^^;

    しかも本作で彫るのは背中一面の女郎蜘蛛、このセンスにもやられました。

    <要訳>
    美女の肌に刺青を彫りたいと願うサディストの彫り師・清吉は、白い足に惹かれた娘に麻酔をかけて背中に女郎蜘蛛の刺青を入れる。目覚めた娘は魔性の女に変わり、清吉は自分の命を捧げた相手に冷笑される。



    人気シリーズ「乙女の本棚」第21弾は谷崎潤一郎×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション!
    小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

    お前さんの命を貰った代りに、私はさぞ美しくなったろうねえ

    刺青師の清吉には、いつか理想の美女の肌に刺青を入れたいという野望があった。

    谷崎潤一郎の『刺青』が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼び、本シリーズでは坂口安吾『夜長姫と耳男』を担当するイラストレーター・夜汽車によって描かれる。
    名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
    自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

    著者について

    谷崎潤一郎
    明治19年(1886年)東京生まれ。東京帝国大学国文科中退。在学中に同人雑誌「新思潮」(第二次)を創刊し、「刺青」などを発表する。代表作に、『痴人の愛』『春琴抄』『細雪』『陰翳礼讃』などがある。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『魔術師』(谷崎潤一郎+しきみ)、『秘密』(谷崎潤一郎+マツオヒロミ)がある。

    夜汽車
    イラストレーター。少女を描くことと19世紀末の挿絵画家を好む。懐かしいような落ちついた雰囲気のイラストを目標に制作している。著書に『夜長姫と耳男』(坂口安吾+夜汽車)、『おとぎ古書店の幻想装画』、『Illustration Making & Visual Book 夜汽車』がある。

    • かなさん
      ヒボさん、私こっちも好きです(^O^)/
      もう、この淫靡な雰囲気がたまりませんっ…。

      夜汽車さんのイラストもすごくよかったですよね!...
      ヒボさん、私こっちも好きです(^O^)/
      もう、この淫靡な雰囲気がたまりませんっ…。

      夜汽車さんのイラストもすごくよかったですよね!
      おばさんでも胸キュンですっ(*´▽`*)♡
      2023/08/10
    • ヒボさん
      お~っ、キュン繋がりですね♪

      「淫靡(いんび)
      [名・形動]男女の関係、風俗などが乱れていること。また、そのさま。「―な雰囲気」」。
      私が...
      お~っ、キュン繋がりですね♪

      「淫靡(いんび)
      [名・形動]男女の関係、風俗などが乱れていること。また、そのさま。「―な雰囲気」」。
      私が普段使う語彙の中に無かった言葉、忘れないように…φ(..)メモメモ

      淫乱とも妖艶とも違う...日本語って難しいなぁ(苦笑)

      いろいろ勉強になります!!
      2023/08/11
  •  乙女の本棚シリーズから、谷崎潤一郎さんと夜汽車さんのコラボ作品「刺青」です。夜汽車さんのイラストは、息をのむような甘美な世界を醸し出してくれます。

     凄腕の刺青師清吉には、光輝ある美女の肌を得て、それへ己れの魂を彫りこむという夢があった…。なかなか、理想とする女性が見つからず悶々としていたが、ようやくその女性が現れた…。その女性を眠らせ、背中に蜘蛛の刺青を彫りこんでしまうのだが…激しい痛みに耐え抜いた女性は、清吉が求めた真の強さと美しさを身に纏ったのだった…。「お前さんの命を貰った代りに、私はさぞ美しくなったろうねえ」

     なんともいえない妖艶な世界でした…。刺青についてこれまであんまり知る機会もなかったこともあって、興味深く読めました。でも最大の見せ場というか、読ませ場か…は、作中の女性の豹変ぶりですね!美しくなりたいという思いは留まる所を知らないようです。

    • おびのりさん
      私も最近、文庫本で読みました。
      フェミニズムとかサディスティックとか言われてますけど、谷崎の正欲かもですね。
      谷崎潤一郎デビュー作です。
      近...
      私も最近、文庫本で読みました。
      フェミニズムとかサディスティックとか言われてますけど、谷崎の正欲かもですね。
      谷崎潤一郎デビュー作です。
      近いうちにレビューしまーす。
      2023/07/23
    • かなさん
      おびのりさん、こんばんは!
      コメントありがとうございます(#^^#)
      おびのりさんは、他にも
      たくさんの名だたる文豪の作品を読まれてま...
      おびのりさん、こんばんは!
      コメントありがとうございます(#^^#)
      おびのりさんは、他にも
      たくさんの名だたる文豪の作品を読まれてますね!
      もう、尊敬しますっ!!

      私、乙女の本棚シリーズを知らないままなら
      絶対に、谷崎潤一郎さんの作品とか
      読まないままだったんじゃないかと…
      この作品、読めてよかったと思いました!
      なんとも言えない妖艶な世界を堪能できました。
      もったいないですよね、
      難しそうだからって読まないのは(^-^;

      おびのりさんの「刺青」のレビュー
      楽しみにしています!
      2023/07/23
  • 1ページ1ページ、めくる度に、芸術鑑賞してしまいました。思わず見入ってしまい、なかなか次のページに進めず笑

    着物の模様や、周りに散りばめられている花々、どれも凄く細かく描き込まれている。ひとつひとつを観察したくなるようなイラスト。
    また、くすみカラーでありながらも鮮やか華やかに感じられる。不思議……。光を吸収するような落ち着いた色遣いだから、自然と視線が吸着させられてしまうのかもしれません。

    小説では、世の男を魅了するような妖艶な女という印象が強かったのですが、乙女シリーズの刺青は、幼さも加わった美、複雑な魅力を持つ作品になっていました!

    • かなさん
      Kさん、おはようございます!
      Kさんの本棚にも
      乙女の本棚シリーズが(*´▽`*)
      なんだか、嬉しくなります!!

      たぶん原作その...
      Kさん、おはようございます!
      Kさんの本棚にも
      乙女の本棚シリーズが(*´▽`*)
      なんだか、嬉しくなります!!

      たぶん原作そのまんまで
      読みやすくとはしてないんですよねぇ…
      だから読みにくい作品は読みにくいままで
      理解するのが私には難しいものもあるけれど(^-^;
      でもイラストがステキだから、結構読めちゃう♪

      この作品も、夜汽車さんのイラストステキでしたよね(*^^*)
      確かに夜汽車さんのイラストから、
      幼さも加わった美、なんか、納得しました!
      2023/09/03
    • Kさん
      かなさん!こんばんは!

      この間、行きつけの図書館ではなく県立図書館へ行ったら、乙女の本棚シリーズほぼ全て揃っておりまして!これは読むしかな...
      かなさん!こんばんは!

      この間、行きつけの図書館ではなく県立図書館へ行ったら、乙女の本棚シリーズほぼ全て揃っておりまして!これは読むしかないと、片っ端から漁っております笑

      読みにくさ、分かります(⚲□⚲)同じ行を行ったり来たり。
      特に、秘密なんかは、漢字が読めなくて、絶対音読出来ないです笑
      イラスト補助輪ないと、完走きついもの多いですよね……

      かなさんの本棚のように乙女の本棚シリーズで埋めて行きたいので、ここ数週間はこのシリーズに専念できればと思ってます♡(*´ `*)イヤシ、、、
      2023/09/03
    • かなさん
      Kさん、こんばんは♪
      県立図書館には乙女の本棚シリーズ
      結構そろってるんですね!
      Kさんの今後のレビュー、楽しみにしてますね(*^^*...
      Kさん、こんばんは♪
      県立図書館には乙女の本棚シリーズ
      結構そろってるんですね!
      Kさんの今後のレビュー、楽しみにしてますね(*^^*)
      2023/09/03
  • <乙女の本棚シリーズ>から、耽美派の文豪・谷崎潤一郎(1886-1965)の『魔術師』『秘密』に続く『刺青(しせい)』は、刺青師<清吉>の命を削ってでも〝理想の美女の肌に刺青を入れたい〟という夢の実現と、清純可憐な乙女にその望みを果たし終えるまでの鬼気迫る物語。 女郎蜘蛛の刺青を背にした少女〝お前さんの命を貰った代りに、私はさぞ美しくなったろうねえ〟・・・明治43年に発表された作品に、<夜汽車>の妖艶なイラストが映える絢爛豪華な魅惑の一冊。

  • 文豪の名作と人気イラストレーターがコラボしたという、乙女の本棚シリーズ。
    魅惑のラインナップの中で、ちょうど谷崎の刺青が発刊されたばかりだったのでこちらから読んでみました。

    清吉という凄腕の若き彫物師は、理想とする美しい女に自分の魂を彫りたいと切に願っている。
    そして漸くその娘に出会え、眠らせて背中に女郎蜘蛛を彫ってしまう。
    激しい苦痛に耐えて目覚めた娘は、臆病な心を捨ててすっかり妖艶に生まれ変わっており、清吉は真っ先に娘の肥料(こやし)となっていたのであった、という話。

    いかにも谷崎らしい耽美さ。女の美しさを描写する際の、圧倒的美を前に屈服するかのような丹念な文章表現は、何度繰り返して読んでもうっとりしてしまう。
    清吉が、駕籠から僅かに見えただけの娘の生足に一目惚れするシーンとか凄まじい。

    《その女の足は、彼に取っては貴き肉の宝玉であった。拇指から起って小指に終る繊細な五本の指の整い方、絵の島の海辺で獲れるうすべに色の貝にも劣らぬ爪の色合い、珠のような踵のまる味、清冽な岩間の水が絶えず足下を洗うかと疑われる皮膚の潤沢。この足こそは、やがて男の生血に肥え太り、男のむくろを踏みつける足であった。この足を持つ女こそは、彼が永年たずねあぐんだ、女の中の女であろうと思われた。》

  • 図書館で借りた本だったが、美しいイラストや、魅惑的な内容と文章に惹かれて、個人的に所有したくなってしまった。夜汽車さんのイラストは私の中でドンピシャで、他のイラスト集などもチェックしようと思った。
    谷崎潤一郎は脚フェチだと聞いていたが、その場面に出会ったのは初めてだった。そんなに綺麗なの?と驚かされるような描写で、私もその脚等々を拝みたくなってきてしまった。笑 この妖しく恐ろしく美しい内容はとても好みだった。このシリーズの谷崎潤一郎の「秘密」は購入済みだが、そちらも早く読みたい。

  • 皆が美しくなろうと考えた結果、刺青が流行った。
    刺青会で人気の清吉という若い刺青師がいた。
    彼は自分が求める美しい肌をもつ女に出会う。

    谷崎潤一郎の文章に匂いたつようなエロさを感じた。
    書いてある内容は普通なのに表現が耽美。

  • 妖艶?耽美?いやいや言葉濁してるけどただのドS野郎とドMの話やん。ヤバいやつをこの美しい絵が中和していい感じに耽美さ、妖艶さを醸し出してるだけやん。それがでも物語初心者には大事よね。雰囲気はしっかり掴める、乙女シリーズいい仕事してる、と思
    います!

    2023.12.19
    198

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著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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