夜長姫と耳男 (立東舎 乙女の本棚)

著者 :
  • 立東舎
3.69
  • (11)
  • (23)
  • (11)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 281
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845634248

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 坂口安吾 安吾忌
    こちらは初読、1952「夜長姫と耳男」
    飛騨の匠の弟子の仏師、耳男。
    乙女の本棚になるまで、知らなかった作品です。

    耳男の語りの説話体。
    長者に乞われて夜長姫の護身仏を彫る。
    耳男は、夜長姫の何かが秘そむ無邪気な笑顔に囚われて、化け物を彫る決心をする。
    蛇の生き血を飲みその死骸を吊るす。
    それさえ美しいと思う夜長姫。
    好きなものは、呪うか殺すか争うか。
    なかなかの狂気と幻想の世界観。
    飛騨という土地への坂口安吾の思い、飛騨の匠への敬意。命惜しまぬ作品へのリスペクト。

    夜汽車さんの作品は、可愛さもあり、まるで乙女の童話に擬態しているけど、ストーリーは鳥肌もの。

    • みんみんさん
      子供が観たら泣くレベルです笑
      きっと一休さん好み(●︎´艸`)ムフフ
      子供が観たら泣くレベルです笑
      きっと一休さん好み(●︎´艸`)ムフフ
      2024/02/22
    • ゆーき本さん
      鬼太郎の死んだお父さんの目玉なんだよね
      ( ⊙ )
      鬼太郎が片目 隠してるのが紛らわしいよね笑
      鬼太郎の死んだお父さんの目玉なんだよね
      ( ⊙ )
      鬼太郎が片目 隠してるのが紛らわしいよね笑
      2024/02/22
    • みんみんさん
      鬼太郎は確か目をケガしたんじゃないかな⁇
      昭和アニメの鬼太郎は劇画タッチでめちゃくちゃキモいよ(꒪⌓︎꒪)
      鬼太郎は確か目をケガしたんじゃないかな⁇
      昭和アニメの鬼太郎は劇画タッチでめちゃくちゃキモいよ(꒪⌓︎꒪)
      2024/02/22
  • 坂口安吾 × 夜汽車さんコラボ作品
    「夜長姫と耳男」を読みました

    二十歳の耳男(みみお)は長い耳を持ち馬のような顔立ちの青年で、飛騨随一と言われる匠の弟子であった。
    ある時、長者の姫である夜長姫の、護身仏を造る為に長者の邸に行く。
    長者は姫の気に入る仏像をつくれたら褒美として、美しい奴隷の江名子(えなこ)を与えると言う。
    だが江名子は耳男の容姿を馬鹿にして、ふいに左耳を切り落としてしまう。
    そしてそれを見ていた姫はもう片方の耳まで切るように笑顔で命じる。
    耳男はその時の姫の笑顔を常に思い出しながら、
    三年かけて恐ろしい化け物の像を造り完成させるのだが……
    というお話がまだ、続きます…。

    この作品。
    とてもとても恐ろしいお話でした。
    美しく可愛らしい夜長姫は十三歳のあどけない少女。
    そのサイコパスたるや、もう〜恐ろしすぎて読みにくかったー!!!!
    耳男の耳を江名子に切らせて微笑み、その後には江名子も殺してその着物を仕立て直して耳男に着させようとしたり…。
    異常性が半端ないのです。
    成長して十六歳になった姫は、村人たちが疫病で死んでいく様を楽しそうに毎日眺めたり、もっと村人が死ぬようにと、恐ろしいことをするのですが…それがまた、気持ち悪い、気持ち悪い!!
    蛇が嫌いでたまらない人は、耐えられないかもしれませんね…。
    私だって、蛇は大嫌いですが、なんとか読みました…

    そんな風にめちゃくちゃ嫌〜な描写がかなり、続くのですが、
    何故か、なぜだか、ラストシーンだけ良かったのです…
    やっぱり怖いシーンではあるのですが……
    切なくて綺麗な感じにブワーッと襲われて
    不思議な切なさで…読み終わりましたー




    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      ヒボさん、こんにちは〜(^^)
      コメントありがとうございます♪

      私はサイコパス小説や映画等、避けて来ましたので、かなり弱いのですよー!!
      ...
      ヒボさん、こんにちは〜(^^)
      コメントありがとうございます♪

      私はサイコパス小説や映画等、避けて来ましたので、かなり弱いのですよー!!
      ドグラ・マグラを読まれていて、そしてサイコパス大好物なヒボさんでしたらこの作品。
      物足りないかもです!!

      ただ、蛇…出てきますから…
      食前、食中は…避けて読まれたほうがよろしいかと…。
      ちょっと思いました〜
      2023/08/05
    • ヒボさん
      蛇は苦手なんですよねー(^_^;)

      昔、玄関先でちぃーちやい赤ちゃんヘビを見つけた時もモーダッシュで逃げました( ノω-、)

      食前、食中...
      蛇は苦手なんですよねー(^_^;)

      昔、玄関先でちぃーちやい赤ちゃんヘビを見つけた時もモーダッシュで逃げました( ノω-、)

      食前、食中は避けて...了解しました!
      2023/08/05
    • かなさん
      チーニャさん、遅くなりましたが
      コメントさせてくださいね(*^-^*)

      蛇が、あんなにいたら…怖いですよねぇ…
      しかも、生き血を飲...
      チーニャさん、遅くなりましたが
      コメントさせてくださいね(*^-^*)

      蛇が、あんなにいたら…怖いですよねぇ…
      しかも、生き血を飲むとか(;・∀・)
      怖すぎっ…
      でも、読む手は止まらないんですよねぇ。
      あ…ここでネタバレしてしまった(汗)

      最後が、でもなんか、
      それまでが狂気にまみれた感じだったけど
      いいんですね…!!

      ヒボさん、蛇苦手でも、
      エンディングに期待して読んでみてくださいね(*^^*)
      2023/08/06
  • 素晴らしい!

    というわけで、23おネエは坂口安吾プラス夜汽車さんの『夜長姫と耳男』です

    いやぁ、面白かった
    やっぱ坂口安吾いいよね
    残酷過ぎる夜長姫、彼女がなんのメタファーなのかってところよね
    そこをどう捉えるかでこの作品の印象というか感じ方が変わってくると思うんですよね

    いやメタファーも何も無いただのソシオパスじゃん?ってのもありだと思う
    わいはなんだろう?それこそ「死」そのものちゃうかな?と思いました
    解説とか読んだらぜんぜん違くて恥ずかしいことになるかもしれんけど、それでいいのだ!
    どう受け取るかはこっちの勝手だ!w

    で、坂口安吾もすんばらしい
    夜汽車さんのイラストもすんばらしい

    なのに、なぜ★2?っていうね

    いやだってどう考えても耳男って醜男じゃん!こんな二枚目の描写、作中に一個もないよ?馬面って書いてあるよ?
    本気の馬面書いちゃったら『乙女の本棚』のコンセプトから外れちゃうのかもしれんけど、そしたらこれを題材に選ばなきゃいいじゃんって思うのね
    まぁまぁの中編(107ページ)でイラストの割合が少ないのも、だったらポイント

    乙女の本棚に合ってると思えないこの作品を選んだ立東舎に★2です!

    • ひまわりめろんさん
      嘘しか言ってないやん

      真っ赤なのは血の色じゃけ〜のう
      往生しいや!
      嘘しか言ってないやん

      真っ赤なのは血の色じゃけ〜のう
      往生しいや!
      2024/04/15
    • bmakiさん
      乙女って呼ばれた気がしたので、ちょっと覗いてみました(笑)

      土瓶乙女に先を越されましたm(_ _)m
      乙女って呼ばれた気がしたので、ちょっと覗いてみました(笑)

      土瓶乙女に先を越されましたm(_ _)m
      2024/04/15
    • ひまわりめろんさん
      おネエしか呼んでません!(キッパリ)
      おネエしか呼んでません!(キッパリ)
      2024/04/15
  •  乙女の本棚シリーズから、坂口安吾さんと夜汽車さんのコラボ作品「夜長姫と耳男」です。少女マンガのように可愛くて鮮やかな着物を纏う姫が印象的なんだけど、よく見ると骸骨とか蛇も描けれているし(;・∀・)

     師匠からの推薦を受けヒダから夜長姫のもとを訪れた耳男…。依頼された仏像の制作には3年間を要し、夜長姫の無邪気な笑顔の裏にある残虐性に対抗すべく、耳男は蛇の生き血を飲み残りは制作した仏像に浴びさせ、亡骸を天井から吊るす…狂気じみた期間を過ごす。その後も、夜長姫の仏像制作の依頼を受けこの地に逗留していたが、村に疫病が流行り村人が次々と命を落とす…。その様子を高楼から見ては楽しむ夜長姫…耳男は夜長姫の狂気を目の当たりにし、夜長姫を刺す…。夜長姫は最期に「好きなものは呪うか殺すか、争うかしなければならないのよ…」と言い残す…。

     怖い怖いお話でした!なんとも表紙からはここまでは想像もできてませんでした…。ある意味、怪談?オカルト??でも、文字だけの原作なら読み切れなかったかな…とても、きれいなイラストなんです。夜長姫の纏う着物の鮮やかさ、でも妖しさを秘めてる…。逆に最後のイラストは真っ白な装いなのが印象的…狂気から解放されての清々しさを感じさせてくれました。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさ〜ん、こんばんは(^^)
      この作品、凄ーく怖かったですよねー(º言º;))ヒエーッ.ᐟ…って。

      そう、そう。最後のイラストは真っ白な...
      かなさ〜ん、こんばんは(^^)
      この作品、凄ーく怖かったですよねー(º言º;))ヒエーッ.ᐟ…って。

      そう、そう。最後のイラストは真っ白な装いだった…そう、印象的。
      ラストシーン…
      狂気から開放されて、
      清々しい感じしましたー!!
      怖かったけど読んで良かったです✧ありがとうございました〜♡♡
      2023/08/05
    • かなさん
      チーニャさん、こんばんは!
      また夜遅くのお返事になりました(^-^;)
      ね…この作品、怖いけど
      なんか、エンディングはちょっとキレイな...
      チーニャさん、こんばんは!
      また夜遅くのお返事になりました(^-^;)
      ね…この作品、怖いけど
      なんか、エンディングはちょっとキレイなんですよね。
      蛇はちょっと、ううん、だいぶイヤだけれど(~_~;)
      こちらこそ、ありがとうございます♡
      2023/08/06
  • 痛い痛い痛い。
    『桜の森の満開の下』も女が狂ってたけど、『夜長姫と耳男』も負けず劣らず狂ってる。
    予想外の展開にちょっと引きました。。。
    イラストが綺麗で読みやすいので『乙女の本棚』シリーズはオススメです!

  • 長者の美しい娘のために弥勒を彫ることとなった、馬のように耳が長い仏師の青年の話。
    彼が、弱冠13歳の夜長ヒメの闇深いサイコパスっぷりに振り回される姿は、悲惨でありながらもなぜかそこに愛おしさを覚える。
    ヒメを憎み恐れながらも離れられない。彼女は彼女で、自分が彼に呪われていることを知りながらも処刑したりなどしない。
    そんな歪な関係を築く二人はついに……。ヒメはただどこまでもずっとヒメらしいままで、勇ましさ、芯の強さすら感じた。
    「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。」
    彩鮮やかでファンシーな表紙からは想像もできない話……と思ったけれど、よくよく見たら上から無数の蛇が吊るされているし、ヒメが纏う艶やかな着物には随所に骸骨が潜んでいるのだった。

  • 飛騨随一の名匠と謳われた師匠の弟子「耳男(ミミオ)・別名:馬耳」が、夜長長者の娘(夜長姫)の為の仏像(弥勒菩薩)を、二人の匠らと競いながら、三年をかけて彫りあげる 血塗られし狂乱の物語。 「耳男」の狂おしき情念、蛇の生血と皮剥で造られた呪われし弥勒像。 魔界に生きる「夜長姫」の狂気に追従する「耳男」。 疫病による村人の累々たる屍に乱舞する「夜長姫」の殺し文句〝好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノが素晴らしいのもそのためなのよ・・〟

  • 師匠の推薦で夜長姫のために仏像を彫ることになった耳男は姫の住む村で残酷で怪しい日々を過ごす。

    暗い。

    夜汽車さんの端麗な絵柄で描かれた無邪気で残酷な姫が物語にすごく合っていた。
    髑髏柄の着物……

  • 恥ずかしながら、この年になるまで坂口安吾のことをよく知らなかった。数年前に『堕落論』を読んで興味は持っていたが。
    で、この話。なんか一周回って愛の話なんじゃないかと思った。相当いびつだし、登場人物の誰一人として思い入れはできないけど。ヒメの最期の言葉が呪いのように残っていて、そのせいかもしれない。
    『桜の森の満開の下』でも思ったけれど、絵本のようにうつくしいイラストが、作品をいい意味で読みやすく、イメージしやすくしていると思う。読む人を選ぶとは思うけれど、夜汽車さんのイラストも一見の価値ありなのでぜひ読んで!
    …落ち着いたら坂口安吾の他の作品にも手を出したい…。

  • 記録。
    夜長姫がいたら、魅入られてしまうかもしれない

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂口安吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×