「無理」の構造――この世の理不尽さを可視化する

著者 :
  • dZERO(インプレス)
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844377153

作品紹介・あらすじ

努力が報われず、抵抗が無駄に終わるのはなぜか。その原因を解き明かし、メカニズムを意識することで可能になる思考の「コペルニクス的転回」。

感想・レビュー・書評

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    本書のキーメッセージ:
    「理不尽なのは『世の中』なのではなくて『私たちの頭の中』である」
    https://note.com/yuuma1209/n/n33c2ef5bf3ab

  • 面白かった。何となく感じている他人との間にあるモヤモヤを著者の積み上げてきた論理で説明してくれる良書。この事象はこういう構造になっていますよ、と抽象化して考えるためのヒントをくれる本なので、大事なのはその抽象化された規則を自分で他の事象に当てはめて考えることと感じた。
    なので、この本にビジネスにおける具体的な行動指針を示してくれることを期待して読むのはお門違いだし、そこがわかっていないとだから何?で終わってしまう。
    なるほどこれがこの本の言う「見えている人」と「見えていない人」の違いか。そして見えるようになるためのその天岩戸は自らの手で開けるしかないとのことなので、自分が見えていない側に回っていないかは常に問いかけていきたい。

  • 「なるほど」と思う内容。確かに、こちらが熱くなっても無意味な相手はいる。本文よりも、引用された古典の方が印象的で読みたくなった。

  • 第5部「見えている人と見えていない人」の非対称性にて、幾度と論じられる「わかっていない」ことすら自分でわかっていない人の話。彼らは思い込みが激しく、被害者意識、他責が強い、いくら言っても時間の無駄等々。啓蒙や教育というのも自分が見えていないことが見えている人間にしか意味がない。すなわち、扉は内側からのみ開けることがなく、子供でない限り外からこじ開けようとしても無理だという。

  • 凝り固まった物の見方を崩すヒント。
    教育の天岩戸理論になるほどと感心した。

  • ・「見えていない人」と「見えている人」
     少なくとも「見えていないことが見えている人」になりたいと思った。自分も分野によって自分が正しいと確信する時と、正解なんてないと思う時がある。後者の場合、断定的になる人がうらやましくもあり、それに従うのが楽だから適当に肯定してしまう。要はその人自身何を考えているのかを見定めるのが重要なのかなと思った。つまり、正解がないと分かっていて、周りを安心させて意思決定を早めるために断定的になっているのか、それとも単に分かってないのか。可能ならば、議論においては、ベンチャーや大企業など状況に応じた正解の場合分けができれば最高。

    ・大企業化は不可避
     最初の個性的なイノベーターから後の民主的な調和型になるのは不可避。また、一つミスや失敗が増えるたびに、ルールが追加されていくのもきわめて自然なので(性善説から性悪説へ)、不満を唱えても仕方ない。

    ・だからこそ
     コミュニケーションは幻想とか、公平は幻想とか、教育は幻想とかあるが、だからコミュニケーションや努力や教育が意味がないのではなく、だからこそ意味がある。

     自分はまだまだこの本のエッセンスを理解できていないと思う。社会に出てからもう一度読み直すべし。

  • 人が理不尽を感じるもは本来二項対立ではないものを二項対立で認識してしまうためであるという面白い見地に基づく良著。

    ・物理的非対称性 不可逆変化
    ・知的非対称性 具体と抽象、知識の非対称性
    ・心理的非対称性 自己中心性、対称性の錯覚

    ・時間的非対称性 ストックの単調増加性
    ・空間的非対称性 自分他人、見えているいない

    ・自然に任せていれば増えるが、減少させることは難しい
    ・コミュニケーションにおける最大の問題は、それが達成されたという幻想である。
    ・人生は不公平にできており、公平ではない環境で努力することに意味がある。他人と比べるのでなく、努力しなかった自分と比べるべき
    ・見えていない人には見えている人がみえない。
    ・3つの無知 事実の無知、範囲の無知、判断基準の無知

  • 人間の認知バイアスを網羅的かつ丁寧に説明している.

  • 抽象的で、こそあど言葉多様で、理解しにくくしっくりこなかった。ただし、発想の転換が必要なことはわかった。

  • 努力が空回りすることがあるのは、なぜなのか。
    その原因として考えられる1つ1つのメカニズムを解説した自己啓発書。

    仕事に苦しんでいる自分に、職場の知り合いが手渡してくれた本です。
    お気遣いありがとう。読みました。

    本書は、その冒頭にも書かれているように、『無理の構造』を「抽象的に、汎用的に」説明するために、著者の様々な著書のエッセンスを取り出して構成された書籍です。

    ゆえに、読後の印象としては、ちょっと漠然としていて、ふわっと理解する感じにとどまりました。
    まあ、頁数も140頁ほどで短時間で読めるので、本書の目的がそういうことなんだろうと思います。

    自分は、日本人気質なのか、そう教えられてきた素直さからなのか、「努力と根性で何でもうまくいく」とか「挑戦せずに諦めるとは何事だ」という気持ちが自然と沸いてしまう性格のため、何でもかんでも頑張ろうとしてしまいます。

    でも、努力の方向を間違わないことが大事であるということが、よく理解できました。
    無理なものは無理、と最初から諦めることは悪ではない、と。
    正しい方向だけに努力することを後押ししてくれる書籍だと思います。

    先日に読んだ『エッセンシャル思考』で、「本質を見抜いて、選択する(必要なことだけをする)」ことを心に誓いましたが、その選択基準の型として使えそうです。

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著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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