- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784844137412
感想・レビュー・書評
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フォローしている方のレビューを読んで、最寄りの図書館にあったので早速借りてみた。
これまた面白い本をご紹介頂き、ありがとうございます。
嗚呼、猫と人との理想郷ですな〜〜。
こんな暮らしがしたい!
しかし、そんな勇気はない!
どの猫さまの表情も生き生きとしていて、読みながら目が三日月型になっていたに違いない。
元ノラちゃんより、ずーっと家猫ちゃんの方が行動範囲が広いとは驚き。
NHKの動物ドキュメントになったりしないかなぁ。
2020.7.26詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国東の豊かな自然の中で、暮らす猫たちはどんな行動を
しているのか。その範囲の広さに驚かされる、猫との生活。
・この本の登場猫物
・国東の里山で暮らす六匹の一日
第一章 六匹の猫と出会う
第二章 毎日、猫と散歩する
第三章 猫にGPSをつけてみた
国東半島のミカン山だった山に移り住む。
そこで出会った猫たち。
野良はいつしか外飼いへ。
次いで出会った捨て猫を飼うことに。
野良たちと友達になるまでの日々。
そして野良たちも家猫となり、6匹との暮らしが始まる。
音で知らせる散歩と食事の時間。
季節の移り変わりの中での様々な出来事。
ある疑問から装着させたGPSで、行動範囲の広さに驚く。
かつて読んだ福音館書店“たくさんのふしぎ”の
「ノラネコの研究」伊澤雅子/文 平出衛/絵では、
町中の野良猫たちの行動と生態が観察されていましたが、
この本は自然の中での、猫たちの行動と生態を観察。
それも、研究者ではない著者の猫に対する興味と好奇心で、
細やかな観察眼を持っての果てに、GPS装着に至ります。
うちの猫たちの秘密を知ってしまった!
こんな遠くまで真夜中に歩き回っていたなんて!
帰ったら布団に戻り、一晩中寝ていたような顔で
朝ごはんを待ってたなんて!それでも、
お互い、ある程度の距離を置いた穏やかな暮らしは続く。
自然の中で猫たちも、著者夫妻も楽しそうです。
全体に散りばめられた猫愛溢れる写真も魅力いっぱい。 -
著者夫妻と6匹の猫たちの国東半島での暮らしを綴るフォトエッセイである。
大分県の瀬戸内の海に面した地。温暖だが冬は雪も降る。
著者らは、かつてはミカン畑だった小山に移り住んだ。過疎化で人家は減り、隣家は300メートル先に1軒だけというからすごい。車ならば10分で市街地まで行けるが、ほとんど「人里離れた」と言ってもよい環境だ。
やがて、家の庭先に、野良猫一家が訪れるようになる。母猫と二匹の子猫。用心深い母猫は容易に人には近づかないが、冬を危ぶんだ著者の計らいで、子猫は紆余曲折を経て、この家の猫となる。
その後、山に捨てられていた、まったく別の4匹の子猫を保護することになり、6匹の猫と2人の人間の暮らしが始まる。
タイトルからは、猫たちにGPSがつける話が主かと思うところだが、これは終盤にならないと登場しない。それはそれで確かにおもしろいエピソードなのだが、そこへ至るまでの前段が本当におもしろい。
猫たちは、出自からして、野良であり、野生を秘めている。「人里」離れた地であることもあり、原則、家と外で、出入り自由が許されている。
とはいえ、雨露凌げる屋内は快適だし、餌も自力で取るよりもらう方が楽である。
野生の自由さと飼われる安心感。それぞれの猫はそれを天秤に掛けつつ、人や他の猫との関係を縮めたり離したり、「ちょうどよい」距離感を探っているように感じられる。
争わずに済む遠さ、煩わしすぎない近さ。
あるものは臆病だし、あるものは大胆だ。人より猫の方が好きなもの、猫より人の方に興味があるもの。コワモテだけど実は優しい子。根っからのビビり。勝ち気だけど甘えん坊。
個性あふれる猫たちの性格が徐々にわかってくる。
彼らの暮らしには、「日課」がある。
人と猫の朝の散歩。朝夕5時の食事。日課に合わせて、ラッパや「犬のおまわりさん」の音楽で合図する。ラッパを吹けば「おや散歩ですか」とやってくる。「犬のおまわりさん」で「わぁカリカリ(ドライフード)だ」と駆けつける。そうやって半野良・半飼い猫たちの生活に区切りが入る。
GPSをつけてみたきっかけは、長期間猫が留守にしたり、思わぬところで猫とひょっこり出会うことがあったためだという。
つけてみた結果、猫たちが夜に活動していることが判明する。夜中ずっと歩き続けているもの、途中で一休みして帰って来るもの、やっぱりビビりで家の近くしかうろうろしないもの、とそれぞれ個性的だが、どの子も朝のごはんに間に合うように帰ってきて、何食わぬ顔で寝ているというのが楽しい。まるで「一晩ずーっと寝ていましたよ」というかのように。
街中の暮らしなら、これほど自由には出来ないだろう。完全に野良ならGPSなどつけることもかなわないだろう。
つかず離れず。ともに暮らすということの意味を、猫たちはよくわかっているようにも思う。
昔、人と猫が最初にともに暮らし始めた頃も、猫たちはこんな風に距離を測りながら、人の暮らしに入り込んできたのだろうか。
穏やかな著者の語りと、美しい大自然の中の猫の写真を眺めつつ、心地よい思索に誘われる1冊である。 -
タイトル通りのところも後半記述されているのだけど、里山で野良猫を飼うことにした経緯の方がずっとボリュームが大きいので、おやタイトルに関わるところはこれだけ??という肩透かしはある。
それでも、どちらのパートも興味深かった。
ただ、飼った猫たちを「器量が良くない」「不細工」等と時々書くのがちょっと私は受け付けなかった…。
愛情ゆえ〜と言うのだろうし、「ぶさかわ」動物のブームなんていうのもあったけど、もう古いと思う…。 -
小さな山のてっぺんで300m先に隣家が1軒あるきり、という環境での猫6匹との暮らしを描いたエッセイ。
うちは小さなアパートで猫1匹と暮らしているが、自由に野山を駆け巡っている猫のエピソードの数々にはこんなに能力を秘めている生き物なのか!と驚かされっぱなし。猫飼いさんにぜひ自分家の子と比べながら読むと面白いと思う。
写真も豊富で野山を歩き回る猫たちの生き生きとした表情もとても魅力的。
6匹いるから個性の差も見られてとても面白かった! -
飼い猫も夜中に出歩き、朝食までに戻ってくるのが不思議。
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単にGPSで猫を研究した話を読みたいのであれば、この本は期待に応えてくれない。でも自然の豊かな中で自然と共存して生きている猫たちの様子を垣間見たいのなら、こんな素敵な本はないと思う。羨ましい
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タイトルに騙された。
が、とてもとても良い内容です。
難点はタイトル。
GPSはごく一部、あっさりしたものでした。
もっと詳細にGPSをつけた記録を読めると思っていた。
なので期待はずれです。
でも作者と猫の関わり方は素晴らしいし、
文章も写真も素晴らしい。
夫婦と猫たちの田舎暮らし写真エッセイとして
読んでほしい、おすすめの本なのです。