ハンガー・ゲーム(上) (文庫ダ・ヴィンチ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840146319

感想・レビュー・書評

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  • 毎年12人の地区から一人ずつ生贄が選ばれ、最後の一人になるまで戦い続けなければならないという物語です。

    簡単に言うとバトルロワイヤルのようなデスゲームです。

    少し変わった点として、キャピトル(上流国民)がお助けアイテムを贈ることができると言うルールがあります。参加者がキャピトルに気に入られる行動を取らなければならず、その部分の駆け引きも楽しめます。

    良かった点としては、細かい描写、特に服装は優れています。この本においては服装も重要な要素となっています。目立った服装をして、キャピトルの人に気に入られなければならないからです。

    デスゲームが始まるまでに色々なイベントがあり、多少長いと思わなくもないですが、主人公の作戦、決意を固める上で重要な場面なのでそれほど気にはなりませんでした。

    肝心のデスゲームについてですが…個人的にはがっかりです。やっぱり日本の漫画って凄かったんだなぁと改めて思いました。
    以下、私が感じた不満点です(下巻のネタバレも含む)。

    1.精神的な葛藤がない
    デスゲームの醍醐味は主人公の葛藤ではないでしょうか?

    しかしこの物語の主人公は葛藤しません。というより主人公が葛藤しないように、作者が誘導してしまうのです。

    ・主人公は昔、自分を助けてくれた青年をも殺すことができるのか→突然のルール変更により、殺す必要がなくなる

    ・主人公は人を殺してまで生き延びるのか→人助けのために、正当防衛的に勢いに任せて殺す

    ・参加者でありながらも仲間になってしまった妹的存在を殺せるのか→他の参加者に殺されます

    このように主人公が葛藤しないように物語が展開していきます。いや、葛藤してよ

    2.肉体的な葛藤がない
    デスゲームは通常、何も準備できてない状態で無理やり参加させられます。
    周りには自分よりも強い人がたくさんおり、状況は絶望的です。
    そんな中、主人公が唯一持つ弱い武器を最大限活かして、戦うのが楽しいのではないでしょうか?

    主人公カットニスは弓が得意という強みがあります。しかしこれが生かされることはほぼありません。

    ・カットニスが木の上に追い詰められて絶望的な状況になる→なぜか参加者のルーが助言を与え、蜂を落として助かる。

    ・カットニス自身も毒にやられて、意識が朦朧とする中、他の参加者に出会ってしまう→参加者で同じ故郷の青年が助けてくれる

    ・薬を取りに行く場面で、敵に罠にかけられて殺されそうになります→ルーに優しくしてくれたからと言う理由で他の参加者が助けてくれます。

    いや、戦ってくれよ。知恵を振り絞ってくれよ。なぜデスゲームやのに、他の参加者が助けてくれるねん…と思いました。

    3.主催者の介入がある
    参加者同士が殺し合わないと、つまらないからと言う理由で主催者がガンガン介入します。

    このデスゲームはキャピトル内では賭けの対象になっていると言う設定です。
    なのに主催者が参加者に大火傷を負わせたり、キメラを送り込んだりします。

    いや、ギャンブルでこんな人工的な介入があったら、どっちらけでしょう。
    結局は主催者の胸ひとつという気がして、参加者の生き残ろうという努力が馬鹿馬鹿しく見えます。

    それに主人公はサバイバル技術を持っています。それをいかに駆使して生き残るのか、と期待してましたが、サバイバル技術は駆使されません。
    駆使しようとしても、主催者が盛り上がりにかけるという理不尽な理由で邪魔してきます。

    というわけで、個人的にはデスゲーム部分には不満タラタラです。
    でも最後のオチは割と好きですし、小学生くらいの子が読んでもいいような爽やかな内容になっていて、生々しさはありません。
    なので、爽やかなデスゲームを体感したい人におすすめです。

  • 上下巻読了済み。
    感想は下巻のページにて。

  • 上巻のみ登録
    妹の身代わりとしてゲームに志願したヒロインの運命やいかに…

    全世界が熱狂したベストセラーであり、大ヒットした映画の原作でもある作品。
    過酷なサバイバルに参加せざるを得なくなった少年少女。面白いんだけど、対称が子供っていうのはちょっと胸が痛みますね。
    殺し合いではなくサバイバルに重きを置いているので嫌悪感より面白さが勝ります。
    ヒロインの活躍にはワクワクもしたが、がっかりもした。中継によって行動を見られているとはいえ、打算的すぎやしませんかね…。

  • 映画を見たので読んでみました。
    殺し合わせて死なせる子供たちを着飾らせて英雄化させる矛盾が何とも言えないです。

  • 三部から成る作品。第一部はサバイバル、第二部は革命、第三部は戦争がテーマとなっています。
    バトルロワイヤルな部分が話題ですが、むしろその国家の政治的背景や歴史など、ゲームが発端で掘り下げられる展開が見所だったりします。そしてティーンズ向けらしく、戦う少女と二人のイケメンの三角関係等々恋愛要素もあり、色んな意味でドキドキハラハラさせられる深い作品です。

  • 前ふりがそんなに長くなくてすぐに本編に入るから好き。

  • 毎年各地区から男女一名ずつ計24名の子供が集められて生き残り対戦を行う。
    第12地区からカットニスが選ばれる。

  • 政府がそれぞれ生活の仕方の違う12地区から若い男女が代表2名としてランダムに選び、生き残りをかけて殺し合いをさせる。 面白い設定ですごい速さで読んでしまいました。

  • 映画化されて原作を知って借りてみた。
    思った通りおもしろい。
    主人公はもっとたくましいのかと思いつつ意外にもろいとこもあり、結末が楽しみ。
    すごい世界。
    子供が参加対象なのがなんとも切ない。

  • 某日本の小説・映画とも着想が似ているのでは,と賛否話題になった映画の原作小説.映画よりバトルシーンに入る前の描写が主人公の心模様を中心に長めに取られてあり,戦地に赴くまで盛り上げてくれている印象.こう言うのがあると映画の原作ってつい手に取ってしまいますね.

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著者プロフィール

米国のテレビ脚本家、小説家。2008年から発売された『ハンガー・ゲーム』三部作は、全世界で1億部以上売れたベストセラー・シリーズとなった。シリーズをもとにした映画四作品も大ヒットした。

「2020年 『ハンガー・ゲーム0 下 少女は鳥のように歌い、ヘビとともに戦う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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