もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ほ 2-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840136679

作品紹介・あらすじ

間違いない。とうとう出会うことができた。運命の人だ。-黙々と働く昼も、ひとりで菓子パンをかじる夜も、考えるのは恋のこと。あのときああ言っていたら…今度はこうしよう…延々とシミュレートし続けた果てに、"私の天使"は現れるのか?人気歌人・穂村弘による恋愛エッセイ集が、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 私の初めての穂村弘は、本書「もしもし、運命の人ですか。」だった。短歌だけでなく、この方の文章の中毒性といったらない。
    私が穂村弘さんの文章をきちんと手にするのは遅かった。宇野亜喜良、江國香織、尾形亀之助を経由して辿り着いた。

    読み出して直ぐに思う、「へなちょこっっ!(笑)」。
    冒頭の「ときめき延長戦」から早くもそのへなちょこぶりは発揮される。
    だけど同時に、最高に胸を鷲掴みされた短歌もこの時に目にすることとなった。
    6ページにある「冷蔵庫が…」だ。
    二人の関係性、空気感、時間帯、温度や明かり、音、二人の歴史…全てを31文字で感じることが出来る。
    そして、まるで同じではないにしろ、「この状況を経験したことがある!」という私の中に湧き出すノスタルジックな想い。

    それなのにそんな私の想いを、続く「いちゃいちゃ界」でなぎ倒して行く(笑)。
    なぎ倒したトドメとして、ここでも短歌が用意されている。
    巧みだ。

    そのままへなちょこジェットコースターに乗り、読者は笑いと呆れと刹那と共感を猛スピードで走り抜ける。時折、穂村弘さんの才能をバシャッと浴びながら。
    次の穂村弘さんの書籍、どれにしますか?

    • ☆ベルガモット☆さん
      傍らに珈琲を。さん、おはようございます

      数年前に読んだときには「勘違い自意識過剰系」と一言二言程度のレビューでした。傍らに珈琲を。さんが穂...
      傍らに珈琲を。さん、おはようございます

      数年前に読んだときには「勘違い自意識過剰系」と一言二言程度のレビューでした。傍らに珈琲を。さんが穂村さんに傾倒していく様子がわかるレビューから、再びときめいたり、へなちょこジェットコースターに乗って心地よい疲労感も体感できました♪ありがとうございます。

      私は、『世界音痴』が初めての穂村さんでした。又吉直樹さん経由です。
      2022/10/20
    • 傍らに珈琲を。さん
      ベルガモットさん、コメント有難う御座います。
      レビューも色々読んで下さって有難うです!
      穂村さんて魅力的ですよね。
      シンジケートではあんなに...
      ベルガモットさん、コメント有難う御座います。
      レビューも色々読んで下さって有難うです!
      穂村さんて魅力的ですよね。
      シンジケートではあんなに尖って男臭い1面を見せていたのに、エッセイはへなちょこ自意識過剰系(笑)
      こういう危うさが、女性を惹き付けたりするのかもしれません。
      短歌もですが、文章が上手な人に憧れます。
      そうか、世界音痴が初めての穂村さんだったのですね。
      ある作家さんにハマる一冊って人それぞれなので、とても楽しく興味深いです♪
      2022/10/20
  • ワールド炸裂してます!!
    通勤ではやめようと思ったけど、ストレスから逆に通勤で読みたくなり、マスクのおかげでどうにか変質者扱いは免れているはず、、、自信はない

    理想の男性像が特にハマった!
    前歯が奥歯
    何かの格言ですか?

    とにかくおもしろすぎます!

  • 昔の恋愛を思い起こした。

    これから落ちるかもしれない恋を思った。

    雪女の論理が破滅的な必然性で切ない。
    でも突き刺さる。何でしょうね。

    当人の中だけの孤独な必然性。理解を超えたもの。そこに惹きつけられるもの。

    自分とは違う、えー、て思う内容もあるけれど、
    さすが詩人(という表現で良いのかしら?)心の柔らかいところの、細やかなことを言葉に起こしていて、なるほど、ふむー、と思いながら読みました。

    足かけ2日、一気に読みました。

    我々は主観的には、個としての滅びの感覚を直接永遠に転化するための契機として恋を捉えていると思う。…五感と三大欲求に変調をきたすのは、限りある存在が素手で永遠に触れようとした報いではないか。 が印象的。

  • 嫉妬。
    なぜ、こんな些細な日常をうまく文章に仕立てられるのか。
    その発見力と洞察力。
    わからない。

  • けっこんしてください

  • けっこう共感箇所多いんだけど、今の時代、ちょっと危ういような気もする
    これを読んだ女性の意見を聞きたい笑

  • 男とは恋愛に対して愚かな生き物のようだ。

    だが、それがいい。
    内容の面白さはさておき、解説の的確さがやたらと笑えるのは、どうなんだ。

  • 読んで、笑って、読んで、私だったら…と考えて、
    の繰り返し。

    東名を歩くSさんが、エンストをしてみせる女性が、
    魅力的なのは、わかる。

    自分では当然のことが、他人にとって決定的にNGというのは怖しい、キヨシ発言。

    女子力という言葉のように男子力という求められる何かがあるんだ、と初めて知る。

    「1回のデートで3万以上かかったら」という具体性が妙におかしい、から、仮に相手の女性にその気がないのなら、とか、10年経ってるから5万になってるかも、とか、驚かされる知人の発言を広げていく感じ。

  • おでこに評価書いてあるとか。
    トキメキを持続させるために
    死ぬまで少しづつ情報小出しするとか。
    あーおもしろかった。
    ほむほむ…

  • 本編はもちろん、瀧波ユカリの解説もかなり面白い。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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