- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784839603212
作品紹介・あらすじ
40歳を過ぎてベトナムに移り住んだ日本語教師の女性と、第2次世界大戦後も帰国せずにベトナムに残った日本兵とその家族たちとの30年におよぶ交流の記録。
著者小松みゆきさんは1992年にハノイに赴任。2001年に認知症となって母親を日本から呼んで同居を開始。その大変だけどちょっと愉快な日々は2015年に松坂慶子さん主演「ベトナムの風に吹かれて」として映画化されました。彼女は新潟の田舎育ち。昭和の貧しくアナーキーな青春時代を駆け抜けてきた魅力的な個性の持ち主です。一方、日本兵たちは戦後ベトナムの抗仏戦争に協力しベトナム人女性と家族を持ちますが、アメリカとの間にベトナム戦争が始まると宿敵アメリカの仲間と見られて強制的に日本に帰され、残された家族は一転して迫害を受けるようになります。
おたがい社会からはみだした境遇だったから引かれるものがあったのか、その後30年にわたって小松さんは残された家族の相談相手、日本に戻った元兵士たちとの橋渡しを務め、認知症の母も同世代のベトナム人妻たちと仲良くなったりします。それにしても不条理に残されたベトナム人の妻たち、子供たちは、なぜ日本に戻ってしまった夫、父親を恨みもせずに想いつづけるのか。共感、怒り、感動…多くの人に読んでもらいたい1冊です。
感想・レビュー・書評
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ベトナム残留日本兵(日本人とされた台湾出身者ふくむ)とそのベトナム人家族のこと。
探そうにも探せない国際情勢だったこと。
探そうにも手がかりがない。
帰国後に結婚し家族がいること。
どうして帰国したのか。また家族帯同ができなかったのか。
調査されないまま年月が過ぎて分からないことはたくさんあるけれど、小松さんが関わった人の話から断片が覗ける。
戦争ののこしたものはここにもある。
知らなければならないこと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020年7月読了。