世界がもし100億人になったなら

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838725731

作品紹介・あらすじ

2012年夏、英ロンドンで上演された
演劇「TEN BILLION」が提示した未来は、
想像を超えた悲惨で過酷なものだった!

2012年7月、英ロンドンのロイヤル・コート・シアターで
「TEN BILLION」と題する劇が1カ月にわたり上演された。
出演者は本書の著者エモットひとりで、
彼自身の研究室を模したセットから観客に語りかける同作品のテーマは
「地球の人口が100億人になったら」。
人口増加が世界の環境問題の多くの原因であることを指摘し、
このまま人口が増え続けたら地球環境はどうなるのか? 
世界秩序はどうなるのか? 
を問う舞台は大きな反響を呼び、連日満員の観客が詰めかけた。
その衝撃の内容を広く知らしめるために書籍化されたのが本書である。
世界12カ国で同時書籍化!

食料……現在の農業のやり方と消費のペースで、100億人を食べさせられる手段は、今のわたしたちにはありません。
水……今世紀末までに地球上のかなりの場所で使える水が満足に手に入らなくなり、数十億人が極度の水不足で暮らすことになります。 
エネルギー……エネルギー生産を今のまま石油、石炭、天然ガス中心にするなら、3万6000基の火力発電所が必要です。
病気……日々、数百万人の人が世界中を移動することで、感染性の疾患の新たな大流行が起こりやすくなっています。
気温……世界の平均気温は4~6℃上昇する可能性があり、そうなったら、地球は地獄と化すでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • 現実には、今世紀末には100億人どころか、280億人になるという。
    今すぐ根本的なアクションをとるべきなであり、様々な現実と対応が示されるが、現実は全くそうなっていない。
    結論は、「わたしたちはもうダメだと思います」

  • メモ

    褐色雲: 大気汚染物質

    発展途上国で薪や炭を燃やす事で発生するブラックカーボン。同じく、先進国で自動車や船や飛行機で移動する際でも、上記ブラックカーボンが発生する。
    上記雲の影響を受けているのは世界で30億人。
    ※呼吸器官疾患、寿命の短縮などの健康被害

    今世紀益々の人口が増えていく。
    その中で、益々食料が必要になり、科学技術の進歩が進むだろう。また、資源をこれまで以上に使う事となると、より一層、地球・資源に負荷をかけると事になる。

    遠い未来のことのようで実際に今現在私たちが直面している問題提言をしてくれている一冊。

    何より消費を減らすことが私たちに求められている

  • "なんとなく、このままの生活を続けていたら地球環境が大きく損なわれてしまい、いずれは人間が住むことができなくなるという漠然とした危機感は持っていたかもしれない。
    しかし、本書を読むとその危機は現実のものだし、今すぐにでも何らかの行動を起こさない限り地球がどうにかなってしまうことがわかる。
    科学技術で乗り越えることは困難であり、われわれの生活スタイルを根本から変える必要があると本書は伝えてくれる。しかも、北半球に住む先進国といわれている国々に住む人が直ちに消費しないライフスタイルに変える必要があると。本書でも記載があるが、それは無理だろうと。
    絶望を突き付けられていることに等しい衝撃。
    水の中に入れられた蛙が、だんだん熱を加えられて、そのまま熱湯の中にいながら死を迎える。
    今の人類がその状態。

    地球は人類だけのものでもない。人類が滅びるというシナリオを地球は描いているのかもしれない。"

  • なんで今の時期に読んじゃったかな~(>_<)

    先日の『魚のいない世界』と同様、言うなれば警鐘系なのですが。
    2013年刊で、著者は当時マイクロソフト・リサーチ計算科学研究所所長。
    食料、水、エネルギー、病気、気温。さまざまなことについて試算しています。
    どうすればいいかも。
    でも、「いますぐ、全世界でしなくてはいけません。しかしそうしていません」と畳みかけられます。
    政治的に、経済的に、文化的に、しない理由があるために、そうしない、できないと。
    彼の結論は正しく悲観的です。
    彼が最後に同僚にした質問の回答は確か、この本が出たときに衝撃を与えていた記憶があります。
    (書きたくありません)

    過去に読んだ、もしくは存在するのを知っている小説や、現実に起きた事件の犯人の言い分、政治家の炎上コメントなどが脳内を次々よぎって、近未来では制度的に処分される人が出るのではないかと想像してしまい滅入りました。
    その時にもし生きていたら、多分私はそうなるんだろうなと。

    うがぁーっっ暗い!!!(-"-)

    次は盆栽えほんにしよう。そうしよう。心を鎮めるのです……orz

    カバー解説 / 福岡伸一
    ブックデザイン / 鈴木成一 + 岩田 和美(鈴木成一デザイン室)
    原題 / "Ten Billion"(2013)

  • なかなか刺激的なことが書いてある.
    問題提起にはなるか.

  • 気づく機会はあったはずなのに
    まっすぐ向き合ってこなかった
    環境問題。著者の言う
    「私たちはもうダメだと思います。」
    を変えるために何をなすべきか?
    考えさせられる。

  • 過日読了した生物学的文明論に関連して読んでみた。
    既に地球は壊滅的な危機に瀕していることが分かった。
    しかも 物理的にも科学的にもどうにもならないわけで
    もう打つ手は無い。
    滅亡に向かって加速している真っ最中である。
    人類一人一人の努力を促すというより諦めましょうというメッセージと捉えた。

  • 帯文を福岡伸一先生が書かれていて、ちょうどこないだ読んだ『インフェルノ』が人口爆発を題材にした内容だったので、気になって手に取ってみた。
    自明のことが書かれているだけなんだけど。でもこうして突きつけられるとちょっとショック。このまま人口が増え続け、経済成長が進むとどうなっちゃうの?という話。今の日本の政策は少子化対策にアベノミクスに、と真逆をいってるなーと思ってちょっとウンザリする。世界では「食糧危機に備えて昆虫食を」なんて研究がされているくらいなのに。平和だな、日本。。。
    消費を減らして、エネルギーを使いすぎないようにして…なんて、物欲にまみれてモノをため込む私にゃ言えた義理ではないが、でも捨て暮らしよりは溜め暮らしの方が経済にも環境にもいいんじゃないか?!と思ったり。

  • 非常に衝撃的作品!英国の科学者スティーブン・エモット氏が、21世紀の終わりに訪れる危機を警告する。

    私たち人間が、進歩を止めない限り、産業化や都市化、効率のよさ、便利で安全で清潔といった、世界を求めれば求めるほど、危機が遠のくことは決してないことを感じさせる。

    地球が今どういう状況にあり、このままだと、これからどうなっていくのか。現状を知っておくことは必要だと感じた。個人レベルでなく、地球レベルで考えさせる。

  • 「もうダメだと思います」という最後のメッセージは本当に衝撃的。でも、大げさでも何でもない。

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著者プロフィール

マイクロソフト・リサーチ計算科学研究所所長。オックスフォード大学計算科学客員教授、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ計算生物学客員教授、英国国立科学・技術・芸術基金栄誉フェロー。英ケンブリッジで様々な分野の研究者からなる学際的チームを率いて幅広い科学研究を指揮し、科学の基本問題に取り組む先駆的アプローチを開発している。研究所の研究分野は、分子生物学、免疫学、神経科学、植物学、気候学、生物地球科学、陸上・海洋生態学、保全生物学から、新分野である人工生命プログラミングや人工光合成まで多岐にわたる。

「2013年 『世界がもし100億人になったなら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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