空間感/杉本博司 スター建築家の採点表 (CASA BOOKS)

著者 :
  • マガジンハウス
3.70
  • (12)
  • (17)
  • (17)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 229
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838723010

作品紹介・あらすじ

杉本博司によるスター建築家の採点表。名美術館の採点表付き。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 建築家は敷地と闘い、芸術家は空間と闘う、という言葉にしびれた。リベスキンドのギザギザ展示室やゲーリーのビルバオなど、芸術を保管・展示するための専門施設の、その専門性の無さっぷりに驚き、さらにその展示室を展示空間に替える著者にさらに驚いた。

  • この本を読んだあとに香川に行く機会かあったので、丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館に行ったけど、建物も作品もとても良かった。

  •  現代芸術家視点で有名建築家を評価した本。
    現代芸術家とは言っても、杉本博司は建築にも携わっている。そのため芸術家の思想を押し付けだけで終わっていない。建築に対する知識と芸術家としての思想を交えながら評価している所が面白かった。
     最後の採点表にある説明文が印象に残った。
    「美術館建築では建築家の意思が際立つケースが多い。家は人が住みやすく、ダムは水が溜めやすく、牢獄は囚人が逃げにくく、それが建築設計の使命である。しかし何故、美術館建築には無謀が許されるのであろうか。それは建築の、美術に対するコンプレックスが裏返された、建築のアートに対する報復だからだ。」
     元々建築家を嫌っていたために評価は厳しめかと思いきやそうでもなかった印象。美術館建築で有名なSANAA、谷口吉生の建築には満点評価をしており、やはり一般市民に人気なだけでなく、展示する側にも配慮しているために美術館建築としても有名であり、世界的な評価もあるのだなと思った。他にもミースや磯崎新、ピーター・ズントー、レンゾ・ピアノなどの建築を満点評価している。
     しかしこれらの建築を見てしまうと結局個人の好き嫌いになっているのではないかと思ってしまった。

  • やはり杉本博司さんは芸術家だな、と。

  • 杉本博司が美術館の構造をどう活かして展示してきたかを、内面の煩悶と問いを中心に綴ったエッセイ。

  • 建築
    美術

  • 光によって結ばれた写真映像が再び光りに晒されて光そのものへと還元されていく過程を目視確認したいという、作品設置のそもそもの目的が果たされるのには、私の生きている時間は短過ぎるのかもしれない
    なんかこの人の話を読んでて藤原新也の角刈りがときどき頭に浮かんでくる 歳が近いのかしら、と思って調べたら、4つ違いか。どうなんやろ。

  • アートと建築の関係を端的にまとめ上げているステキな一冊!
    また建築めぐりの旅に出たくなりました!

  • 現代美術家として美術館を利用するユーザーとしての視点から書かれた本著。
    美術館としての在り方を彼なりに批評している。
    自身も建築家として美術館を設計する立場にもあるので、その眼にかなう美術館は単なる美術家でもなく、建築家でもない独自の見方があって、面白い。

  • 美術館という空間の空間消費者の視点で書かれた本。目の付け所がさすがである。行ったことのある21美などはイメージ出来て理解出来るものの、やはり杉本さんの本は難しい。またまた勉強不足を痛感。倫敦ギャラリー行ってみたいな。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年東京生まれ。1974年よりNY在住。活動分野は、写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理と多岐にわたる。2008年建築設 計事務所「新素材研究所」、2009年公益財団法人小田原文化財団を設立。1988年毎日芸術賞、2001年ハッセルブラッド国際写真賞、2009年高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)受賞。2010年秋の紫綬褒章受章。2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ叙勲、2017年文化功労者。

「2022年 『杉本博司 本歌取り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉本博司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×