0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす! (単行本)
- 三笠書房 (2018年11月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784837927525
作品紹介・あらすじ
「モンテッソーリ教育」はイタリア女性初の医学博士マリア・モンテッソーリが生み出した
世界中で支持されている教育法。
その楽しい実践法を具体的にわかりやすく紹介します!
親はゆったり。
子どもはのびのび。
自分で考え、行動できる子に育てるために親がすべき30のこと
・妊娠中から始める! 赤ちゃんを迎えるための4つのコーナー作り
・自宅で簡単に! 手作り教具のススメ
・良い頭は3本指の活動から!
・成功するトイレトレーニング
・世界共通! 魔の2歳児の乗り越え方 .....etc.
集中力・判断力・自律……
0~3歳の子どもは生きる力をつけるために日々すごい勢いで知識をつけていきます。
子どもの能力はこの3年間で大きく開花する!
写真に加え、豊富な実例満載だから自宅で今日から楽しくできる!
子育てにもっと自信がつく1冊です!
感想・レビュー・書評
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【感想】
「できることは子どもに任せる。できないことだけ最小限に援助する」。
妻から「一児の親なんだから、あなたも読みなさい」と奨められた1冊です。
三つ子の魂百まで。
0歳~6歳の乳幼児期こそ最も大きく成長・変容する時期で、なんとその後の人生を生き抜くために必要な80%の力がこの6年間に身につくらしい。
その重要な時期にこそ、子どもの自主性を重んじて、「一人で生きていく本当の力」を自分で獲得できるように、親は見守ろう。そして、一人で出来るように手伝ってあげよう。
こういった考えを基にした教育法をモンテッソーリ教育というらしい。
なるほど確かに、だめなことをむやみに叱ったりするだけではなく、子どもの視点に立って色々と考えたり、主体性のトレーニングを乳幼児期からしてみるのも面白そうだな~と読んでいて感じました。
だけど、やっぱり「自由と放任」の境界線ってとても難しい・・・・
モンテッソーリに基づいて子どもをなるべく自由にのびのびと育ててあげたいけど、やっぱりちょっとでも危ないことをしてたらモンテッソーリ抜きに助けてしまう。
これは当たり前として、たとえば大声で泣いていたらやっぱり構ってしまうし、壁とかに落書きしようモノなら理由など抜きにして止めてしまうし・・・・
現実的に考えると、思想としてはモンテッソーリは確かに素晴らしいが、ややリアリティに欠けていると感じざるを得ないかな。
乳幼児期は「過度に干渉するのを避けられない」というのも宿命でしょうと思ってしまう。
「子どもの主体性を重んじる」という考え自体は素晴らしい事だと思いました。
ただ、主体性を重んじるばかりでは、家庭としてして乳幼児期を乗り切る事は現実的ではありません。
また、小学生や中学生になって育児に手がかからなくなったとしても、まだ考え方がしっかりと成立していないでしょうから、子どもの主体性ばかりを重んじていてはあまりに危険だと思います。
監視や過干渉は確かに良くありませんが、子どもに決裁権を与えすぎる方がリスキーだと個人的に思います。
この2つのバランスはとても難しそうだけども・・・・・
読み物としてはまぁまぁ面白かったのですが、個人的にはモンテッソーリ教育はちょっと理想論だったかな~
とはいえ、妻はモンテッソーリを実現しようと頑張ってますので、応援したいと思います(笑)
【内容まとめ】
1.モンテッソーリ教育とは
子どもの成長への知識の宝庫。
どんな時代になっても「一人で生きていく本当の力」を自分で獲得できるように、親は見守ろう。そして、一人で出来るように手伝ってあげよう。
2.乳幼児期は最も大きく成長・変容する時期。その後の人生を生き抜くために必要な80%の力がこの6年間に身につく。
3.子育てについて、夫婦間の価値観を統一しよう。
【引用】
・大原則
「できることは子どもに任せる。できないことだけ最小限に援助する」
p5
・発達の四段階
乳幼児期
→最も大きく成長・変容する時期。その後の人生を生き抜くために必要な80%の力がこの6年間に身につく。
前期(0~3歳)
→無意識的にすべてのことを吸収する。人間の最も大切な能力である「歩く・手を使う・話す」が確立する。
後期(3~6歳)
0~3歳で無意識に吸収した膨大な情報を五感を使って整理していく。集団の中で自分を律するようになる。
児童期(6~12歳)
→安定した時期。莫大な記憶が可能に。「友達が1番」に変化する時期
思春期(12~18歳)
→心身ともに大きく変容する不安定な時期。まわりから浮くことを恐れる。
青年期(18~24歳)
→社会に対して自分がどう貢献できるか考える。成長は安定している。
p4
・モンテッソーリ教育とは
子どもの成長への知識の宝庫。
どんな時代になっても「一人で生きていく本当の力」を自分で獲得できるように、親は見守ろう。そして、一人で出来るように手伝ってあげよう。
p12
・「子どもを観察する」がモンテッソーリ教育の原点
「観察」が大切、「監視」はNG!
我が子を見守ってみましょう。
p60
・秩序の敏感期
赤ちゃんは「いつもと同じ」じゃないと不快感を覚える!
赤ちゃんがどうしようもなく泣くときは、「わがまま」で片付けてしまうのではなく、「何かいつもと違うことをしてしまったかな?」と疑って振り返ってみるようにしましょう。
p115
・大切な親の役割は「邪魔をしないこと」
1歳からの「運動の敏感期」において、大人にとって大切なことは「邪魔をしないこと」です。
子どもの自発性を重んじ、集中しているときに茶々を入れずに見守ること。
中には「イタズラ」に見えてしまうものもありますが、自分ができた喜びよって子どもの脳にドーパミンとして流れ込みます。
イタズラに見えて、それは子どもが成長している瞬間なのです。
p128
・「歩く」を優先順位1位に持っていく
1歳の最大のテーマは「歩くために歩く」こと。
歩くことは脳の発達にも役立ちます。
この年代では自分の足で歩くことが我が子にとって優先順位1位なのです。
楽しいレジャーランドをベビーカーで乗ったまま見てまわるより、近所の公園に自分の足で歩いていき、階段を登ったり降りたり、砂場で心ゆくまで遊ぶことが、何よりも大切なのです。
p196
・トイレトレーニングはいつから?
→歩けるようになってから
→排泄の間隔が30分?1時間以上開くようになってから
→うんちやおしっこの前にもじもじするなど、何らかのサインを出すようになってから
p236
・叱るときのポイント
我が子がこの先の人生を生きていく上で、「このことだけはどうしても伝えておかなくてはならない」ポイントがあります。
こういった価値観を真剣に伝えることが「叱る」ということなのです。
叱るときは、「その場で」叱りましょう。
何よりもタイミングが大切です。
また、叱るときは「短く」叱りましょう。
子どもには、「しっかり・その場で・短く叱る」ことが一番!
p242
・子育てについて、夫婦間の価値観を統一しよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思想だけでなく、実際にどうしたらいいのか、おもちゃ(教材)は何がオススメか等、実践できるところまで書かれているのでとても良かった!子供を見てると、本に書かれているとおりのことしてると思ったし、自分が子供の頃の記憶も蘇った。
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モンテッソーリ教育にある親側のマインドセットを非常にわかりやすく簡潔に説明している。
ただ理論の部分は著者のほかのモンテッソーリ教育の本と内容がかなり被っている。例に挙げる事象もほぼ同じ。物足りないような気もしたが、それだけ包括的に説明し切っているのだと思うこともできる。より理論やモンテッソーリ本人の思想に深く触れたければほかの本を読むのが適当。
各節において行動レベルでチェックリストが作られているので、理解度や実践度合いの確認がしやすいのも良い。
一番有益と感じたのは、1〜2歳の章での手作り教具の紹介と、机・椅子の大きさについてのページである。教具はバリエーション豊富で、そのまま真似して作ることもできるし、添えられた教具の目的(ひねる、落とすなど)に注目すれば、自分でマイナーチェンジしたものを作り出すこともできそうだ。
机と椅子の大きさも、子供が自分で良し悪しを伝えてくれればよいがそうもいかないので、参考になった。
一度に熟読して覚えこむというより、常にリビングに置いて、日常で子供との歩みにトラブルがあるとき、停滞感のあるときなどに開いて確認したい本である。 -
自主的に育てる
敏感期の頃に環境を作り、自主的な子供にする。
例えば、子供用の机や椅子、トイレを用意する。
大人が子供の邪魔をしない、
もしくは邪魔をせずに済む環境を作ることが大切。公園や児童館に行くのが良いと思った。
自主的な子供に成長してもらう為に、環境作りが大切なんだと思いました!
逆に出来ていないと、指示待ちの消極的な子供になってしまう。。。 -
『モンテッソーリメソッド』でどんな教育方法なのか?を知ることができたので、今度は何をすれば良いのか?を知りたくて手に取りました。
実践的な内容が数多く記されておりとてもためになる本でした。
以下雑多ですが気になった内容のまとめです。
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「一人で生きていく本当の力」を子どもが獲得できるよう、親は子どもの活動をしっかり見守り、一人でできるよう手伝ってあげる。」
というのが、モンテッソーリ流の子育て。
モンテッソーリは、0〜6歳の間に、生きていくのに必要な80%の能力が備わると言った。
そして0〜3歳の前期は、「無意識的記憶」といって、覚える努力や意思の力なしに、永久的なものとして記憶する力を持っている。
モンテッソーリ教育では、AIに取って代わられることのない、人間にしかない力を身につけられる。
決断力、根気強さ、自制心、チャレンジ精神など。
一人でできるために我が家の環境は整っているか?
親として働きかけはできているか?
何をいつ与えるのか、というタイミングを大切にする「適時教育」。
環境がすべてを握っているというスタンスに基づいている。
成長のサイクルが回り出すことが大切。
興味関心→自己選択→繰り返し集中→満足感と達成感→能力習得→自己選択力、自己肯定感、挑戦する心→最初へ戻る
ハイハイして移動しいろんなものを手に取り口に入れるのは、興味関心のための散策。
集中と繰り返しの最中は、それが途切れないように静かに見守る。
「敏感期」がキーワード
秩序の敏感期(〜3歳頃)では、秩序のが乱れるだけで心が不安になることがある。
どうしても泣き止まないような時は、わがままとして片付けずに、何かいつもと違うことをしてしまったかな?と疑って振り返ること。
運動の敏感期(1〜2歳)では歩くことが大事。
頭をよくするには手指をたくさん使わせること。そのためにはしっかりした体幹で立ち上がれること。そのためにはたくさん歩くこと。
敏感期を過ぎていると歩くことへの喜びを見出せなくなるので、すぐ疲れたという子になってしまう。
初めての出会いは実物から。
写真や動画を見る機会が増えたが、動物や野菜など、できれば本物に触れる五感で体感できる経験を。
9ヶ月頃から指差す先のものを一緒に見られる(共同注意)。
いたずらに見える行動には理由がある。その作業を繰り返し、できるようになろうとしている。代わりに心ゆくまでさせてあげられる方法を考える。
叱るときは、しっかり・その場で・短く叱ること。
ハイハイからつかまり立ちの時期に有効な「トラッカー」
ボタンの付け外しなどは、手作りの練習用教具で。ゆっくりとクリアしていく。
リトミックは、自律の心を養う。子どもが苦手なゆっくり動いたり静止したりする練習になる。
・モンテッソーリ教具と教師(親)
教具は、子どもの成長過程に合わせて興味を絞り込み、目的を一つに絞っていることが特徴。
子どもと環境を結びつけるのが親の役割。そのため、教具の使い方を教えてあげる。
親が、繰り返しをどれだけアシストできたかが重要。
3M みていてね
スローに徹し、手を動かすときはしゃべらない。しゃべっているときは、手を動かさない。
3M 待っていてね
やっているところを見せていると、子どもは早くやらせろ!と手を出してくる。
その時に最後まで見せることが大切。やりたい気持ちでいっぱいになる。
3M もう一度やるから見ていてね
うまくいかない時、口で注意しない。
最初から同じことを繰り返してみせる。
・秩序の敏感機を理解するための3つのこだわり
順番へのこだわりは、将来自分で見通しを立てて順番を決めて、段取りを立てるという能力につながる。
習慣へのこだわりは、日頃から我が子が何を習慣としているかよく観察すること。
場所へのこだわりは、引っ越しや模様替えなどに注意。
→できる限り自分で選択させることで解決できることも。
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わかりやすいが、モンテッソーリに関係のない通常の子育ての知識の部分は要らない
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各年齢ごとの具体的な成長段階を書いていてわかりやすい。
何に夢中になったり反応するのか、どうゆう環境を整えることを意識するといいのかがわかりやすく書かれている。