武士道: いま人は何を考え、どう生きればいいのか (単行本)

  • 三笠書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837925125

作品紹介・あらすじ

いま人は何を考え、どう生きればいいのか。

・「勇」――いかにして肚を錬磨するか
・「仁」――人の上に立つ条件とは何か
・「礼」――人とともに喜び、人とともに泣けるか
・「誠」――なぜ「武士に二言はない」のか
・「名誉」――苦痛と試練に耐えるために

本書は、強靱な精神力を生んだ武士道の本質を見事に解き明かしている。
武士は何を学び、どう己を磨いたか。日本人の精神の基盤がここにある。英文で書かれ、欧米人に大反響を巻き起こした最高の名著が、新装版で登場!

感想・レビュー・書評

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  • 2021/09/09
    道徳が価値をなさなくなった、などと耳にすることがある。果たしてそうだろうか、と考え直す契機となる一冊だ。
    新渡戸稲造が生きた時代は、現代同様に大きな荒波に揉まれるような状況にあった。そんな中で彼は「武士道」について、多様な西洋思想と比較しながら検討した。
    訳版ということもあり、内容も噛み砕かれてあって理解し易い作りだった。そもそもの構造がロジカルで、違和感を感じない。
    この一冊を読み、「自身が何に価値を置くか、考え続ける」ことが重要だと思った。脈々と流れる大和魂は現代においては、ただの役立たずかもしれない。だが、その中から学ぶべきことがあるのも事実だろう。

  • 日本人の精神性や美学は武士道にもとづいていることを知ることができます。多岐にわたる引用や宗教学的な分析は明治時代に書かれたとは信じられないくらい示唆に富みます。
    自分の国を知ることは、自分の自己を知るために不可欠。自分を知るための一冊。

  • 新渡戸稲造の豊かな知識に、まず驚かされる。
    今のように、スマホがあれば調べたいことがすぐにヒットする時代ではない。明治から大正にかけてのあの時代で、縦にも(時系的に)横にも(地理的に)ここまで博識な人はいただろうか。

    さまざまな事例を挙げて、キリスト教や騎士道などと比較しながら武士道について説明しているのだが、とにかくわかりやすい。日本人特有の感性や価値観、生き方には当然今のわたしたちにも通じるものがあり、納得できた。
    新渡戸稲造は最後に、武士は居なくなっても、その精神は消えないだろうと思っていたはずである。そして今、私たちの道徳的観念としてきちんと武士道は根付いているのだと思った。

    ただ、忘れられつつあるのも事実だ。
    今を生きるわたしたちが、日本人に根付いてきた武士道を思い起こさなれけばならない。未来の日本のために。

  • 武士道は中学生の頃に一度読んだがよく理解できなかった。
    ので、十数年ぶりに再読するためにこちらを購入した。
    非常に読みやすく、今回はとりあえず理解できた(はず)。

    武士道はすばらしく美しい構造を持っているが、
    これを現代で貫こうとするのはやはり困難である。
    単純で稚拙な感想かもしれないけど、
    むしろせっかく現代を生きているのだから
    西洋的思考とこの武士道感覚をうまく混ぜ合わせ、
    それを自身の言動に反映させたいと思った。

    個人的には「礼」についての記述が好きだった。

    「礼儀は慈愛と謙遜という動機から生じ、他人の感情に対する優しい気持ちによってものごとを行うので、いつも優美な感受性として表われる。礼の必要条件とは、泣いている人とともに泣き、喜びにある人とともに喜ぶことである。」

    そして、これに伴う炎天下での会話のエピソードは最も好きなところだ。

  • 新渡戸稲造氏の名著「武士道」を読了。

    吉田松陰氏が言ったように、日本人には大和魂があり、これからも受け継がれていくということ。

    どんなに優秀な装備も、自己の崇高な精神なくして、これ意味なし。

    自分にとっての武士道である、「感謝の気持ちを持つこと、何事にも諦めることなく取り組む」を大切にしていきたい。

    そして後世に武士道を繋いでいきたい。

  • 漢は桜木、男は武士

  • 日本人の持つ道徳観が世界の宗教や欧米人と比較して理解できる。

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著者プロフィール

1862年南部藩士の子として生まれる。札幌農学校(現在の北海道大学)に学び、その後、アメリカ、ドイツで農政学等を研究。1899年、アメリカで静養中に本書を執筆。帰国後、第一高等学校校長などを歴任。1920年から26年まで国際連盟事務局次長を務め、国際平和に尽力した。辞任後は貴族院議員などを務め、33年逝去。

「2017年 『1分間武士道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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