身体で考える。

  • マキノ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837671596

感想・レビュー・書評

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  • 本書は内田さんとヨーガの使い手である成瀬雅春さんの対談本で、対談本がたいていそうであるように、とりあえず読んでみるのがよいと思う。ぼくてきには、ホウレンソウを内田さん達が批判されていて、かつそれが的を得ているところが興味深かった。確かに、ホウレンソウってそのままナイーブに受け入れるのは問題かもしれない。医学教育のドグマに疑いのまなざしを、、、というのがまず教育的な態度ではないかと、逆説的に思う日々である。

  • 特に面白かった話

    ・自分で「できない」と可能性を縛ると、できない
    ・歩き方は自由、かつ人間の根本的身体操作
    ・自由な分子が多いほど運動は安定する、平方根の法則
    ・自分の幸せはわからないけど人の幸せはクリアに考えられる

    俺もヨーガしたいな、と思いました
    てかやろうと思う

  • 思想家であり武道家である内田樹とヨーガ行者・指導者である成瀬雅春による対談集。

    概要は既に内田の著書で述べられていることや他の自己啓発書でも挙げられているような事柄ではあるが、それは真理と言わないまでも、上手く生きる上でのツボのようなモノなのだろうと思った。

    以下、突き刺さった部分を抜粋。

    <blockquote><b>成瀬</b>:結局、希望が持てない人は、生きていく力が弱いのかもしれません。</blockquote>
    本書の一番のパンチ・ラインはここだろう。
    逆に言えば生きる力が強ければ、どんな環境であろうが希望は持てるのだ。
    では、生きる力とは何か?
    それはやはり健康な身体からくるのではないか。

    <blockquote><b>内田</b>:人間は自分の予測が「正しかった」ことを証明したくなっちゃうんです。</blockquote>
    人は自分の知見が高いということが言えるのであれば、少々のネガティブなことも厭わないものだ。
    だから、悲観的な考えは宜しくない。可能性を潰してしまう。


    <blockquote><b>成瀬</b>:そうそう。僕が常々思っていることですが、老いのターニングポイントは、歩けるか歩けないか――</blockquote>
    それは移動するのに誰かの助けを必要とするために、好奇心も失われ生きる気力を失くすからだ。足を骨折してそのまま夭折してしまったご老人の話も良く聞く。

    <blockquote>成瀬:競争とは、結局、自分とするしかないんです。</blockquote>
    機能の自分より今日の自分が(少しだけでも)レベル・アップしている。
    これが一番の満足の源泉だ。

    <blockquote><b>内田:</b>僕の兄は、長い間会社を経営してましたけれど、「ホウ・レン・ソウ」が日本の会社をダメにしたと前に言ってましたね。</blockquote>
    意思決定が(現場に居る)自分ではなく(現場に接していない)上司になると、身体感覚が働かない。
    そうすることで勘が優れず、身体と頭が固くなり、柔軟に事に接することができない為にダメになる。

  • 時間があれば

  • 読了。成瀬雅春は空中浮遊できるヨガの人。為になった。素振りでも、1回、1回考えてしないけないようだ。

  • 限界を作らない人が伸びる。発想はフレキシブルで前向きに。

    既成概念の枠を外す。非常識ではなく「超」常識思考で。

    身体は鍛えられない。使えば使う程消耗していく。だから効率的にバランスの取れた消費量の少ない動きを常に意識する必要がある。
    「アンチエンジング」はそれに逆らう最も無意味な例の一つである。

    ※ルンゴム:自分が見えるモノの中で最も遠くにあるものに視点を定め、自分の意識をその位置まで飛ばそうとすることによって空中歩行をしているように感じ、早く目的地に着けるようになること。

    他者との勝ち負けには意味は無い。頂上を感じた時点で、人間は下ることしか考えられなくなるからだ。

    超長距離走における50,60歳代の人が強い理由は、若者のように使える身体資源が少ないので「ありものの使いまわし」が上手くなるからである。

    ジャングルではピュアでないと生きてはいけない。突然の入力変化に対応出来ないからだ。
    電車は定時に来るし、自動車は信号で止まってくれる。そういう世界ではピュアでなくても生きていける。

    センサーの劣化、特に嗅覚や触覚が現代人は劣化している。

    煩悩を「なくす」ことなんて絶対に出来ない。そうではなくてあらゆる煩悩に対する執着から「離れる」ことが大事である。

    「死をコントロールする」ことが究極の目標。~成瀬氏

    身体が欲するモノを食べる。
    食生活と性生活は他人に意見するべからず。

    辛い状況というのは、心身能力が高くないと乗り切れない。だからそういう時こそ上機嫌でいるべきなのである。

  • 内田樹さんと成瀬雅春さんの対談。

    お互いに身体のプロですので対談の中身も非常に深いです。

    書かれていることも頭で理解するというよりは身体そのものに腑に落ちるという感覚で読めます。

  • ヨーガの成瀬雅春さんの話が面白かった。
    危険察知能力。感性。

  • 動物のようにぼーっと野生の感をひらく。

  • 合気道の先生兼女子大のパンキョーの先生と、ヨガの達人が「現代人はカラダの使い方はなっとらん。でも俺はこんなことが出来るんだぜ」と対談する本。

    内田氏についてはツイッターでのおバカ発言(というかトンデモ発言)をよく見るが、合気道の達人だけあってカラダのことは人一倍詳しい。対談相手の成瀬氏もヨガの奥義を色々極めている行者のような人なので、内田氏以上に身体の使い方を達観している。

    面白かった話を抜粋すると以下のとおり。
    ・「歩き方」は各国各様。定形化されたフォームはない。
    ・クビを回すときに、筋や関節などの稼働・変化を意識すると、200ケ所ぐらいチェックポイントがある。
    ・戦国時代の合戦の前に軍勢のそれぞれの武士が身体をカチカチいわせると、軍勢全体にそれが伝播し、全体で振動音を作り出していたことが「武者震い」の語源
    ・戦いの指揮官に求められる資質は配下の人間のカラダ・感覚を共鳴させうること

    頭でっかちにならず行動してみろ、という理屈ぬきの論理は同意できる。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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