- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784835616902
感想・レビュー・書評
-
思いがけないくらいに良かった。
カズの言葉の圧倒的な感じが、びっくりするくらい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者、望月重良。
1973年、静岡県生まれ。清水商業、筑波大を経て、名古屋グランパスエイトでプレー(京都、神戸、市原、仙台、横浜FCに所属)。小学校からプロまですべてのカテゴリーで日本一を経験した。日本代表として国際Aマッチ15試合に出場。07年1月、「特発性大腿骨頭壊死症」のため、現役を引退した。現在は、スポーツ紙のコメンテーター、サッカー指導者として活動している。
ヴェルディのグアム・キャンプに参加する前のメディカル・チェック。望月はレントゲン、CT、MRIを撮った。その結果を医師の口から伝えられた。「特発性大腿骨頭壊死症という難病です。今すぐにサッカーをやめてください」頭の中が真っ白になりパニックになった。「難病?難病って何?サッカーをやめろ?じゃあ、明日から俺、何すればいいの。なんで、俺だけがそんな病気にならなきゃいけないの」医師は手術のことも話し始めていた。
この難病を治す方法はまだ見つかっていない。だが、望月は今でも「治る」と信じている。「僕は、自分の病気が治ると思っている。いや、治してみせる。確かに、治療法がないと言うけど、人間の体ってそんなにやわじゃないよ。結構、すげえんだから。バカかもしれないよね。何、能天気なこと言ってんだ、って言われるかもしれないよね。でもね、俺は医者に「プレーできるはずがない。サッカーをやめなさい」と言われて、もう一度、ピッチに立ったんだよ。だって、昔、治らないと言われた病気が今は治るようになっているでしょ。じゃあ、僕の病気も、これから治るようになるかもしれない。勝手に治っちゃうかもね。何の根拠もないんだけどさ。でもね、おれの体がそう言っているような気がする。治ったら、それこそ、悩んでいる人に勇気を与えられるかな。だから、もう一度言うよ。下を向いていても何も落ちてない。後ろを振り返っても過去は変えられない。だから、真っ直ぐ前を向いて生きていく。」
(本文より)
絶対に諦めない強さ。努力。そして、周りの人たちの存在。自分ひとりでは不可能だとしても、最後まで諦めなければいつかきっと笑える日が来る。 -
痛いか痛くないかではまだダメだ、本物の選手はやれるかやれないかなのだ。
これがズシンと来た。
この本を読んで、また頓にキングカズのすごさを感じ始めた。
久々の図書館での読破本。
意外と掘り出しモンでしたぞ。 -
本の内容には痛いほど共感することができサッカーに対する熱い想いが地獄のように辛かったであろう日々の描写とともに描かれています。
その情熱から勇気とパワーをもらいました。 近い関係にあったというカズや名波との対話も熱いです。
望月選手はグランパスでベンゲル監督、代表でトルシエ監督、ジェフでオシム監督と
魅力的な指導者に育てられそれぞれの監督の魅力も言及している。
-
選手権好きの私としては、清商の望月、もちろん知ってますよ。
でも、病気で引退していたことは知りませんでした。
病気による痛みに耐えながら、もう一回ピッチに立ちたいと懸命にサッカーに臨む姿には読んでいて涙がでるほどでした。
なにより、彼の周りを囲む人・高校時代の恩師、いっしょに戦ってきたチームメイト、先輩、そしてトレーナー、この中で病気のことを知っていた人はわずかでしたが、この人たちの尽力にも感動しました。
特にリハビリのために練習の場を作ってくれた清商の監督、清商時代の先輩である名波、京都からいっしょだったカズ、この3人はやばい。
サッカー選手としての夢は絶たれたけれど、新たな夢の監督に向けてサッカー一本で頑張る望月を、これからも応援したいと思います。