天の鹿―童話

著者 :
  • 復刊ドットコム
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本棚登録 : 63
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835442334

感想・レビュー・書評

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  • とても良い本でした。スズキコージさんの絵も含めて。ただ、確かに「何か」を受け取ったのですが、それを説明するのが難しいのです。

    ***以下ネタバレあります


    多分誰も悪くないのです。なのに読み終えると寂しいというか切ないというか…。
    この感情を堀江敏幸さんは解説で「さみしさに似たもの」と表現しており、そこに作者の生い立ち(養女であることを20代に知った)を重ねています。
    えー!?だとすれば読み方は全く違ってくるのではないでしょうか。納得はできますが、やはり切ない…。

    「それにしても、ああ、今夜の月は何だってこんなに赤いんだろう…。」



  • ひびく言葉があふれていたなぁ

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      安房直子は、淋しさと優しさの両方から迫られる感じがして、いつも切ない。。。
      安房直子は、淋しさと優しさの両方から迫られる感じがして、いつも切ない。。。
      2012/08/29
  • 童話。幻想的ななかに怖さもただようお話でした。

  • 2022.05.07

  • 鹿を獲って生計をたてている清十さんとその三人の娘が、一頭の牡鹿と順番に出会い、鹿の市に連れていってもらうお話。
    鹿の背に乗って走ってゆく道中の様子に不安になったり、鹿の市でどんな素敵なものがあるか、なにを買おうかわくわくしたり、牡鹿は何を考えているのか、その謎めいた言葉に想像をめぐらせたり。
    長男(6)は、無事に宝物を手に入れて帰れるのか?というような異世界への冒険のお話として、気に入ったみたいでした。
    大人の私は、末娘と牡鹿が鹿の市で買い物をする様子に胸がいっぱい。読み聞かせをしながら涙ぐんでしまいました。とても不思議で美しいお話。

  • 括りは児童書なんだけど、かなり奥深いお話で、とても心に残りました。
    この本は復刊ドットコムへのリクエストで復刊されたらしいので、小さい頃読んだ人達の心にものすごく足跡を残した本なんだな~って思いました。(今は福音館文庫で買えるみたい)
    動物を捕らえて生活の糧にする清十。そのおかげで暮らしている娘達。末娘の考え。何だか生きて行くせつなさを感じて、最後は泣けました。
    復刊してくれたおかげで、手に取れました。ありがとうございました。

  • 安房直子読みよってこんなぞっとしたのは初めてだ。序盤からぞっとする。そんで、すごくえろちっくなものを感じたんだけどもあたしだけか??
    きのこ雑炊とか梨とかおいしそうだし、品物の描写はほんとにすごいと思う。
    おもしろかった。

  • 不思議な世界へ旅してみたいなら。
    読書は、とてもいい道しるべになる。
    この本は、傑作の誉れ高くも、隠れた良書。
    安房直子の文章もさることながら、それにこれほどの
    相性はないほどの絵本作家で画家のスズキコージの
    役割もかなり大きい、これほどまでにすぐれたコラボレーションは
    ないだろう。
    一読を!

  • めでたしめでたしではないのに、読み終わってなんか心が穏やかになる。
    鹿の市、行ってみたいな。

    スズキコージさんの絵は味があって大好き。

  •  図書館で借りた筑摩書房版を読んだが、表紙が表示されないのでブッキング版にて登録。どうやらこの本はリアル「活字」のようにみえたけど、どうなのかな。文字がすごく美しかった。
     人間はほかの生き物の命をもらって生きている、そのことに無関心すぎてはいけないけれど、鹿への思い入れが強かった優しい末娘・みゆきは、人の世を離れて天へ上っていってしまった。後に残された清十さんは、悲しかっただろう。
     鹿の市は美しいけど、こわい。安房さんらしい名作。

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安房直子の作品

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