しつこく わるい食べもの

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834253436

作品紹介・あらすじ

いいさ、いいさ、いまくらい好きなものを食べるがいいさ。
驚愕と共感の声がどしどし寄せられた食エッセイ、シリーズ第2弾!

ハンニバル・レクター博士に憧れ、炊飯器を擁護し、要らぬ助言に噛みつき、よく腹を下す。そんな偏屈でめんどくさい食いしん坊作家の自由な日常は、否応なくコロナ禍に侵食されていく。それでも――。あなたとわたしの欲望を肯定する、ひねくれものの力強い応援歌。人気イラストレーター・北澤平祐氏の挿画も多数収録。

【収録内容】
・闇鍋と同じくらいトンカツ屋が怖い…「闇カツ」
・「持たない暮らし」で炊飯器を捨てる人にもの申す…「台所の妖怪」
・人が一心不乱に食べる姿ってエロすぎる…「パフェが一番エロい。」
・緊急事態宣言下のお取り寄せで一線を越えてしまった…「異世界への黒い扉」
・マスク生活は、世界が半分になったみたい…「鼻で食う」 など全35話(予定)

著者:千早茜(ちはや・あかね)
1979年北海道生まれ。小学生時代の大半をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で泉鏡花文学賞受賞。13年『あとかた』で島清恋愛文学賞受賞、直木賞候補。14年『男ともだち』が直木賞と吉川英治文学新人賞候補となる。著書に『わるい食べもの』『西洋菓子店プティ・フール』『犬も食わない』(共著・尾崎世界観)『透明な夜の香り』などがある。

装画・挿画:北澤平祐
装丁:川名潤

感想・レビュー・書評

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  • 作家、千早茜さんの食のこだわりに関するエッセイ。
    読むと、かなりの健啖家で、食へのこだわりも強く、好き嫌いがはっきりしているのが分かる。
    食のこだわりは千差万別なので、良い悪いでは語れないけれども、私の感覚とは違う、私の身近の誰とも違うな、という感じだ。
    Twitterにはよくパフェの画像をあげてらっしゃるけれども、本当にパフェ好きで、一日に2~3個食べていたりもして、そこはとてもとてもうらやましいw
    執筆後半でコロナ禍に見舞われ、内容にも少し変化が見える。
    コロナの影響はいろんな所に現れているのだ。
    早くそういう憂いを感じることなく食エッセイを楽しめるようになりたい。


  • 【新刊情報】『男ともだち』『犬も食わない』の小説家・千早茜が放つ「大人げなくてかっこいい」食エッセイ第2弾。『しつこく わるい食べもの』2021年2月26日(金)発売。 | 株式会社ホーム社 | プレスリリース配信代行サービス『ドリームニュース』
    https://www.dreamnews.jp/press/0000231818/

  • 「歯がでる」がめちゃくちゃ好きでニヤニヤしながら読んだ。わたしも歯で開けるから……。千早さんのエッセイは日常に溶け込んで心をふるっとさせてくれる。いつ読んでもだいすき

  • 祝・わるたべ2巻!北澤平祐さんによる異国の童話に迷い込んだかのようなやわらかで可愛らしい不思議な魅力の絵の数々にうっとり。
    千早さんのツイートを日々読んでいる私にとって、この偏屈かつ貪欲な食へのアプローチは「おっ今日もやってるね!」って行きつけの繁盛してる飲み屋の暖簾をくぐる感覚に近いな。
    千早さんはただ食べるだけじゃなく料理もするし、配偶者も料理人とのことで、美味のためなら骨身を惜しまない感じが素敵。
    「セリ科がいい」では、執筆に煮詰まったら包丁を握って野菜を刻んでいるときが一番頭がスッキリすると書かれてあった。料理を手を動かしてると五感が刺激され、執筆の一環ですらあるかもしれないと。なるほどねーと頷きながら、ついこの間読んだばかりの料理なんて愛なんてを思い出した。

    コロナ禍での連載ついても、その時感じたことをエッセイとして記録されていて興味深かった。緊急事態宣言には外食の楽しみを奪われ、マスク着用では嗅覚の偉大さに気付かされ、ひきこもり生活で高級海苔を迎え入れても、おうちパフェは断固として拒否。
    私はなんか食に関してコロナ禍で変わったことあるかな……考えてみたけど、特になかった。自粛生活とはいえ、何を食べて5キロも太ってしまったのだ。
    食べたものが身体をつくるってこと、ついつい忘れちゃうんだけど、千早さんのわるたべは、それを体感として思い知らせてくれるんだよね。
    自分が何を食べたか覚えてないなんてもったいない。せめて好きなもの食べて太りたい。

  • 「愛のこじらせ」半端でいて欲しくない、完璧でいて欲しいというパフェへの愛が伝わってきた。

  • 自分のことを偏屈だと言い切る千早さんは、炊いたご飯は保温しないとか、冬は羊が食べたいとか、食に対してこだわりを持つ人だ。

    中盤までは日々の食事に関して思うことや過去の思い出なんかをつらつら語るエッセイだけど、後半はコロナ禍に突入して、不要不急の外出自粛要請、飲食店の営業自粛という状況のなかで千早さんが感じたことが書かれていた。
    心境の記録、と言う感じ。すごくリアルだった。
    嗜好品をたくさん買ったり、パフェを食べに行けないことを辛く思ったりした期間。コロナ禍も何年か経ったら過去のことになるんだろうけど、緊急事態宣言が出てどういうふうに大変だったか、何を感じたか、ということを忘れずにいたいな。

  • 小説は私の作品で、私ではない。彼女のアクセサリーも彼女の作品で、彼女本体ではないし、彼女が繊細だろうが豪快だろうが、購入したアクセサリーはなにも変わらない。

    言語化していなかっただけで、料理は小さな肯定感や達成感をくれる。生活の中で習慣になっている行為には、自分を保つ要素が隠れていることに気づく。

    「SNSに食べものの写真をのせる意味がわかりません」というものがあった。する人はするし、しない人はしない。見たい人は見ればいいし、見たくない人は見なくていい。どちらが正しいわけでも間違っているわけでもないし、理解し合う必要もない。

    すごく嫌なことがあったとき、仕事がうまくいかないとき、自分が世界で一番不幸だとくだらない妄想にとらわれるとき、誰かのちょっとした生活を知ることは小さなガス抜きになる。少くとも、私は、そうだ。

    (二つのパフェを)ゆっくりと時間をかけて味わった。食べ終えて、楽しかったなと思った。ワタシにとってパフェとは純度の高いエンターテインメントなのだと改めて実感した。

  • わるい食べ物第2弾。第1弾でさんざん食べまくるという話をしていた反動か、食べれない話題が多かった気がします。
    食べることが好きなので、他人の食べ物に関する執着を聞くのは面白くてさくさく読めました。

  • 前作でも思ったけれどタイトルの付け方が好き  

    食べ物の描写がとても上手で食べている様子が目に浮かぶ
    自分も食べたくなってくる

    3作目も楽しみ

  • エッセイが好きです。
    特に食べものに関わるエッセイは、作者の嗜好に触れ、そうそう、わかる!とか、へぇ、そんな感じ方するんだぁ!とか思うことが楽しいです。

    千早茜さんがコロナ渦で迷いながらも赤裸々に書いてくださったこのエッセイ。
    とてもおもしろかったです。

    「他人の和えたもの」がダメ。
    蓋が開かないとき、つい歯が出る。
    あとかた姫と呼ぶ千早さんの姪っ子ちゃんの話。
    ステキな担当T嬢。

    その他も盛りだくさんのおもしろさです。
    別のエッセイも読んでみようと思います♪

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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