- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834253115
作品紹介・あらすじ
安保法制の強行採決、安倍政権による言論への圧力。なぜ日本の民主主義はこうなったのか。日米安保条約から原発政策、TPPまで、過去を振り返りながら、日本の民主主義のあるべき姿を池上彰が示す。
感想・レビュー・書評
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わかりやすい。
日本はヨーロッパに比べて、民度が低いようだ。
ぜひ、子供にも読ませたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/688380 -
目的:選挙に行くにあたって、日本の政治を知っておく必要があると考えたため。そのためには歴史や変遷を知っておくことが大切だと考えたため。
要約:
以下の7つの章で構成されている。
・日米安保条約から安保関連法まで
・日本の食とTPP
・日本の原発政策
・税制の変遷と消費税
・政治とメディア
・55年体制以降の連立政権
・これからの日本の民主主義
これらのテーマについて歴史が解説されている。そして、著者のきびしめの意見が載せられており、政治を考えさせられる一冊。
Act:選挙に行きます。 -
日本の民主主義は崩壊してるんじゃ?と疑いたくなる内容でした。国民一人一人がもっと勉強して賢くならないと。問題だらけの政治の場。思い切って世代交代してみたらどうかしら。原発もあまり検討せず、お金で解決した感じが強引すぎ。もっと専門家の意見を聞くべきだし、ゴミの処理ができないのに稼働させるべきではない。でも、みんな電気使うよね。頑張って新しいエネルギー開発してほしい。そのための予算もつくってほしい。
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日本の民主政治の程度の低さが浮き彫りにされている。
個人個人がもっと政治の事を勉強していかなければならない。 -
今議論されていて、歴史を紐解かないと理解できないアジェンダ(日米安保、食とTPP、原発、税制、メディア)をわかりやすく解説されてる。日本国民はこれらの背景構造をきちんと理解すべき。
詳細は下記。
https://note.com/t06901ky/n/n08e6b515103f -
【日米安保条約】
砂川闘争において、最高裁が「アメリカ軍の駐留は憲法違反ではなく、日本は必要最小限の自衛のための力を持つことは認められる」という判断を下す。
岸信介は、安保改定のためにアメリカと交渉し、アメリカの支援義務を盛り込むが、同時に、アメリカ軍が「極東」での平和を守るために日本の基地を使用できる、と規定する。
→当時第一会派の社会党との審議が難航を極めるが、警官隊を導入し、本会議場から反対会派を締め出し強行採決。
→これには反対した全学連が国会突入。ほぼ内乱状態に。(六十年安保闘争)
また1970年には、条約の期限は10年のため、改正が必要となるが、社会党や共産党の働きかけで、全国の大学で安保闘争が繰り広げられる。佐藤内閣は、改訂ではなく自動延長を選んだ。
クウェートに侵攻したイラク軍をアメリカと多国籍軍が攻撃。(湾岸戦争)日本も協力を要請されたが、資金援助にとどまったため、クウェートから感謝されなかった。
これがトラウマとなり、自衛隊の海外派遣ができるよう法整備を進める。
1991年にはPKO協力法案を可決、初めてのPKOはカンボジアに派遣。
2001年の同時多発テロを契機に、テロ特別措置法など、多くの軍事法案が可決され、軍隊としてアメリカに協力する組織に変わっていく。
第二次安倍政権にて、今までは「集団的自衛権の権利は有していても、行使はできない」という判断を変え、集団的自衛権の行使を認める平和安全法制が成立。
【日本の食とTPP】
1929年の世界恐慌では、各国が保護貿易に走ったため、ダメージがより深刻化した。戦後の1947年、GATTが成立。農作物の自由化が始まっていく。ウルグアイラウンドでは牛肉、オレンジなどが自由化され、日本の農家に大打撃を与えるが、品種改良やブランド化で差別化を図っていった。
コメは自由化をしていなかったが、冷夏によりタイ米を輸入し始め、輸入禁止を撤廃。しかし高い関税はかける。
2016年にTPPの署名式(品目の80%が関税即時撤廃、残りも10年間で廃止を目指す)が行われ、今後は各国で承認手続きが行われる流れとなっていたが、突如アメリカが反対した。
TPP重要五項目:米、麦、牛肉豚肉、乳製品、甘味原料→こいつらは譲りたくない。また、食料自給率が低いため、海外からの安い製品が来ると更に下がる可能性がある。農業の規制緩和や、どう新しい国際競争力をつけていくかが肝になる。
【核】
アメリカが、冷戦中に核の平和利用を訴える。それに中曽根が乗り、読売新聞主体での、核の平和利用キャンペーンを国民に訴える。1956年に、日本原子力研究所が設立。原発の運転に舵を切るが、各地の反対運動も噴出した。しかし、原発を受け入れた自治体に交付金を払うことで、各地を懐柔していく。
チェルノブイリで原発事故が起こり、国民に不安が残る中、日本でもJOC原発事故、福島の事故が起こった。
現在でも、MOX燃料の製造工場、もんじゅ、リサイクル燃料の製造工場、使用済み核燃料最終処分場などの見通しが経っていない。
【税】
消費税を5%に上げたはいいものの、駆け込み需要により結局景気は冷えこみ、赤字国債の発行につながった。
外形標準課税(赤字だろうがなんだろうが、会社の規模に応じて課税させる)は、一度は挫折したものの、その後一定部分で課税している。
【メディア】
「〇〇事件を××新聞社が報じないのは意図的だ」→他新聞社の特ダネで、裏が取れないだけだったり、単に知らなかったりするだけだよ
【55年体制】
1993年に、自民党の分裂があり新会派が続々誕生、日本新党の細川護熙による連立政権が誕生し、55年体制が崩壊。しかし、各党の主張はバラバラで、小選挙区比例代表並立制を成立させると、すぐに政権を投げ出した。
その後、あれだけ仲が悪かった自民党と社会党が連立する。国民は、「今までの戦いはなれ合いだったのか」と政治不信に。社会党が総理になった途端、自衛隊も安保条約も堅持する姿勢に→支持者が大量に離れ、社会党崩壊
自民党はそれ以来、与党になることを第一に相手を選ばない連携を取っている。
また、公明党と連立政権を組んでいることにより、選挙において創価の強力なバックアップがあるため、公明党への依存が強まっている。
【民主主義とは】
現在の民主主義においては、過半数を取った政党が、国民の意見をきかずに「ありとあらゆる」法案を通している。国民は選挙の時に良いと思う政党に投票するが、当然、全てのマニュフェストに納得しているわけではない。
→デモ・集会に代表されるような政治活動を、またマニュフェストの検討と投票を、「若い人」が積極的にやらねばならない。 -
190923.池上さんの日本の政治に対する嘆きが聞こえてくる本。
ラストの歴代総理に対してのステータス的評論は面白かった。野田さんの評価も高かったのが良かった。
安倍さんも一発目はやっぱり良くなかったんですね。
最後の参考文献数に圧巻。 -
ちょーわかりやすくまとまっている!笑
いい本だ。 -
章仕立てで各論を展開。一章の自衛隊の成り立ち、経緯説明は非常にわかりやすい。そうだったのか!と納得。TPPや消費税など政治家の矛盾点を突いたりと読み応え十分。中学生くらいを対象にこれに基づき教えると良いのにと思った。