一緒に生きる 親子の風景 (福音館の単行本)

著者 :
  • 福音館書店
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834086645

作品紹介・あらすじ

歌人で作家の東直子さんによる、月刊誌「母の友」で6年間続いた連載「母の風景」と、2008年4・5・6月号に寄せていただいたエッセイを単行本化。幼い子をもつお母さん、お父さんが日々の暮らしの中で直面する、子育てのこと、自分自身のことなど、迷いや葛藤、難しさを、子育てを終えた東さんが、当時の自分に語りかけるようにそっと寄り添ってくれる。巻末には、山崎ナオコーラさんと子育てについての対談を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 今月の新刊エッセイ|東直子さん『一緒に生きる 親子の風景』|ふくふく本棚|福音館書店公式Webマガジン
    https://www.fukuinkan.co.jp/blog/detail/?id=587

    shiokawaizumi.com
    http://shiokawaizumi.com/

    塩川 いづみ(@izumishiokawa) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/izumishiokawa/

    一緒に生きる|福音館書店
    https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=7095

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【書評】『一緒に生きる 親子の風景』東直子著、塩川いづみ画 - 産経ニュース
      https://www.sankei.com/article/...
      【書評】『一緒に生きる 親子の風景』東直子著、塩川いづみ画 - 産経ニュース
      https://www.sankei.com/article/20220612-PLCLR4YY6VOLRBMHNWLVMXVCDM/
      2022/06/13
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【GQ読書案内】6月に読みたい「“母”の本」3冊 | GQ JAPAN
      https://www.gqjapan.jp/culture/art...
      【GQ読書案内】6月に読みたい「“母”の本」3冊 | GQ JAPAN
      https://www.gqjapan.jp/culture/article/20220620-gq-books-guide-june
      2022/06/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      『一緒に生きる 親子の風景』 東直子 - ぱせりの本の森
      https://kohitujipatapon.hatenadiary.com/...
      『一緒に生きる 親子の風景』 東直子 - ぱせりの本の森
      https://kohitujipatapon.hatenadiary.com/entry/2023/05/28/065218
      2023/05/29
  • 月刊「母の友」で連載されていた子育てエッセイ“母の風景”をまとめた1冊。
    書籍化に伴い、連載タイトルではなく新たにタイトルをつけ直し、巻末には山崎ナオコーラさんとの対談も収録されています。

    余白が多く、1つ1つのエッセイも2〜3ページ、そしてほとんどのページにイラストがあり、かわいらしい紙面で読みやすかったです。
    著者の東さんの2人のお子さんはすでに30代とのことで、たしかに言われてみるとどのエッセイも落ち着きがあり、俯瞰して子育てを見られているような印象があります。
    それは子育て真っ只中ではなかなか持てない客観的な目を作り出し、あの頃子育てでいっぱいいっぱいだったご自身へのアドバイスのような作りになっているからだとおもいました。

    今年の春先から川柳を作り始めたこともあり、歌人・作家でもある東さんご自身の短歌や、東さんがご紹介されている詩歌を読めたところは、とてもうれしかったです。

    「専業主婦だったので、赤ん坊と、夜に帰ってくる夫としか会わないような日常の中で、一行の短歌が社会とつながったとき、すごくうれしくて。」(巻末対談より)

    わたしも育児休暇中は専業主婦だったので、この感覚はよくわかりました。
    そうか、投稿という形でも社会とつながれたんだ…とおもいましたが、寝不足にまみれていたわたしに作品が作れていたかは不明です、、、
    でも知ってるだけでも違ったのかな…

    〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜〜~〜

    子どもの心や体を育てる役割は母親だけが背負わなくていい、完璧な育児なんて目指さなくていいし、むしろ育児は本来おしゃれなものじゃなくて泥くさくいもの、抱きしめたり話を聞いたり添い寝したりはいつもいつもお母さんじゃなくていいの、というようなメッセージが、ゆったりと読み取れます。

    でも多分それはきっと、子育てしているお母さん自身もわかっていることなのだとおもうのです。
    それでも頼れない、頼り先がない。
    それでもまわりからおしゃれな子育てを求められ、もっとスマートに、もっと子どもに寄り添って、と求められる。
    お母さんは、本当はもっとまわりに頼りたいんじゃないかなとおもいます。

    巻末対談の最後の方に、「もっと自由に子育てをしていいんだよ」と書かれているのですが、むしろお母さんたちは自由に子育てしたいんですきっと。
    むしろ問題は、それを受け入れていないまわりにあるようにおもいました。
    例えばバスで赤ちゃんとママが乗ってきたときに「ウルサイ」と怒鳴るいい年した“オトナ”とか、子どもの声がうるさいから保育園建てるのはダメとか…
    オトナがおもう母親像、子ども像を押し付けてくる、そんな人たちしかまわりにいない環境だったら、どんなにお母さんが自由な子育てをしたくとも、できないですよね。

    わがままと自由をはき違えてはいけないけれど、でものびのびと生きるためにはお母さんの意志だけでは、できません。
    自由にしたくとも、できないのはなぜなのか。
    お母さんに呼びかけるだけでは、子育てはラクにならないのだろうな、とおもいました。

  • 「母ではなく、親になる」でも逆の「親だが、母には」決してなれぬ。
    それほど、母親と子供のつながりは濃密である。

    歌人である、東直子さんが子供が育ち、大人になっていく過程の日々の思いを言葉に、時には短歌にしてとどめる。

    でも、読後の答えは「決して、母親にはなれぬ」、子供とのつながりは、つけ入る余地は皆無でおます。
    残念と言いながら、ホッとしているごまめでございます。

  • 全く個人的な感想としては、「しまった間違えた」。
    連載で読む方が良かったし、読むのはもっと先の方が良かった…。
    良いことが書いてあるし、文章も美しいし、さまざまな短歌や詩の引用にも胸が潤う。
    けど、私は徒歩10分の通園路に2時間付き合える母親ではないの…。
    子どもにとっては2時間付き合ってくれるのがいいに決まっている。
    わかっているけど、できない。
    東さんは完璧でない親を決して責めているわけではなく、むしろ温かく包んでくれているのだけど、子育て真っ最中の今読むのは正直しんどかった。
    せめて一編ずつ、雑誌連載で読んだら違ったんだろうな…。

  •  育児本については良さそうなものを常に探しているけど、なかなか読みたいものに出会う機会が少ない。そんな中で出会った本著はとても素晴らしかった。
     著者自身は子どもから手が離れており思い出を回想しつつ現在の社会における子育ての雰囲気などについてつらつらとエッセイを記している。著者はもともと歌人としてキャリアを始めているので各エッセイに絡めて短歌が紹介されている。そのスタイルが読んでいて楽しかった。短歌や俳句は興味があるのだけども歌集や句集を買ってもただただ読み下してしまい、どのように楽しめばいいか分からず挫折することが多い。そんな身からすると各歌のどこが興味深くてオモシロいのか解説してくれているのがありがたく、また育児にまつわる短歌なので今同じ場面を過ごしていることもあり楽しめた。(グッとくる短歌は色々あったが俵万智はやはり別格だった)
     育児真っ最中の立場だと余裕が生まれにくく日々の一つ一つの出来事に思いを巡らせることは難しいことも多い。しかし本著では経験談として何が尊いか、何が楽しかったかを率直な言葉で表現している。そんな著者の言葉から、目の前で起こっていることはかけがいのない出来事の連続なのだ、という考えを得られた。文体はおおむね柔らかいのだけど、ときに本質をつくパンチラインがそこかしこにあるので読んでいてハッとすることも多かった。一番くらったラインを引用。
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    たくさんの偶然が重なって家族となり、さらに家族としての必然の時間を重ねて、今、ここにいる。子どもがなんども気に入ったものを繰り返すのは、偶然得た今を安心し、満喫するためなのではないかと思う。
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     作品内の挿絵がめちゃくちゃかわいいし本の装丁がとても美しいので本で買うことをオススメ。

  • 福音館書店の月刊誌『母の友』に連載されていた東直子さんのエッセイをまとめた本。子育てをされていた頃の思い出が、あふれんばかりに綴られています。
    親がこどもと四六時中一緒にいられる時間は限られていて、長い人生からするとほんの一瞬のこと。こどもはあっという間に大きくなり、親の手をはなれてしまいます。
    時間を巻き戻すことはできない。だから、生まれたら一緒に過ごす時間を大切にしよう、めいいっぱいそばにいて、あそんであげよう。
    子育て真っ最中の方、子育てにちょっと疲れちゃったなって方にもおすすめです。

    p77
    自分がやりたいと思っていることも、言語化することではじめて気づくこともあるのではないだろうか。言葉にして残す、というのは、自分自信を知るためにも、大きな意味を持つと思う。

    p160
    無口だから、無表情だから、なにも感じていないわけではない。その胸の奥にある言葉を、ゆっくりと待って耳を傾ける余裕を、どんな人も持つべきなのだろうということを学ばせてくれた気がする。

    p194
    長い人生からすると、とても短い期間なのに、育児の最中は、永遠に続くしんどい時間のように感じることもあった。必ず終わってしまう時間なんだよ、もっと楽しみなさいよ、とあのときの若い自分に耳打ちしたい。

    p200
    辛くて疲れる、と思うときこそ、それをおもしろく思えるような、明るい力を備えておきたい。

    ☆小さい頃から「役割」を与える
    →みんなの靴を揃える、など。習慣化する
    ☆お正月に凧を上げる
    ☆記録を残す
    →「今年の抱負」や「将来の夢」など

  • ふむ

  • 東さんの子育ての体験と短歌の中のいろんな親子の風景。
    子育てのたいへんさとおもしろさ。後で振り返るからわかることがたくさんある。焦りや苛立ち。でもそれ以上に愉快で慈しみ深かった子どもとの日々。きっとまたあの日々に戻っても同じことを繰り返してはしまうだろうけど。必死だから。自由でいい。それでいい。

  • 東 直子(歌人・作家・詩人)さんが、福音館出版の「母の友」掲載していたもの。

    子育て中のおかあさんより、むしろ、子育てからちょっと離れたママたちが共感できるかな?
    子育てを俯瞰的に思いやり溢れる優しさにあふれ、自分の子育てを思い出しながら暖かな気持ちになりました。

    東さんが、専業主婦で、MOEのファンだったこと、そこに短歌投稿欄があり、そこに投稿していたというのも、プチ情報でした。

  • 子育てにまつわるエッセイ
    自分がこどものころをおもいだしつつ、読み進めました。

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著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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