- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834083569
作品紹介・あらすじ
あらしの夜、五つの木箱が無人島に流れついた。中にはどれも新品のロボットが一体ずつ入っていたが、こわれずに無事だったのは一体だけだった。偶然スイッチが入り起動したロボット=ロズは、島で生きぬくために、野生動物たちを観察することでサバイバル術を学んでいく。はじめはロズを怪物よばわりしていた動物たちだったが、ひょんなことからガンの赤ちゃんの母親がわりとなったロズが子育てに孤軍奮闘する姿を見て、しだいに心をひらいていく。すっかり野生のロボットとなったロズのもとに、ある日、不気味な飛行船がやってきた……。
感想・レビュー・書評
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ROZZUM7134型ロボット、通称ロズは嵐の後無人島に流れ着く
そこは野生動物たちが暮らす島
ロズは動物たちから怪物呼ばわれをして仲間に入れてもらえないが、ある出来事(事件)をきっかけに心を通わせるようになる
本作は、ロボットと野生動物たちの心温まる友情、そしてロボットとガンのこどものちょっと変わった家族の成長を描いた物語
思春期や気難しい年ごろの子どもはちょっとばかり大変…
そんな子どもたちを相手に子育てを頑張っているお父さん、お母さんちょっと読んでみませんか -
動物の言葉を話し、鴈の子供を育てるロボット「ロズ」の物語です。
ロズを運んでいた船が、嵐で難破してロズたちが無人島に漂着する。そこで鴈の雛とめぐり会います。卵から生まれた雛が最初に見たのがロズです。雛は、ロズをママと呼び。ロズは雛をキラリと名付けて育てます。キラリの成長の物語が始まります。
無人島は、多くの動物が楽しく暮らしています。その中でロズが母親になってキラリを育てるためにロボットとしてより、感情と、親としての暖かさをもったロボットとなって動物たちと接していきます。その過程で心が癒され笑いが出てきます。
【読後】
ロズは、無人島の浜辺で目を覚ました時は、ただの機械で、プログラムされた通りにしか動けなかったが、キラリを育てるために奮闘するうちに動物の言葉を話し、動物たちの仲間になってキラリを育てていきます。まさに子育てによって機械から野生になったロボットの物語です。
感情のない機械が、子育てを通して感情豊かな野生ロボットになって行きます。ロズの子育てを通して、人は、一人では生きて行けません。多くの仲間と一緒になって楽しく生きて行くことを物語は語っています。
野生のロボット (世界傑作童話シリーズ)
2018.11発行。字の大きさは…大。2021.10.19~20読了。★★★☆☆
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【バックナンバー】
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私は、本を登録するときには、著者名と登録した年(2021)で登録しています。たまにシリーズ名でも登録もします。例えば「風烈廻り与力・青柳剣一郎」などです。 -
嵐の夜、無人島に流れ着いた一体のロボット。島に住む動物たちは怪物を見るような気持ちで、ロボットに近づきません。一人ぼっちのロボットは、動物たちを観察して、言葉を交わす能力を身につけます。野生化し、島の中を探検して歩く中、死なせてしまったガンの一家。たった一つだけ残された卵から孵った子を、必死に育てるロボット。母親がわりになったロボットを、沢山の動物たちが助けてくれるようになります。出会いと別れが繰り返される中、ついにロボットを回収する使命をもつ者たちが現れて…。
超科学的な製法で作られたロボットが、大自然の中で野生化し、生き物たちと交感していく姿はある意味SF的であり、手塚治虫や石森章太郎らが描くマンガが目に浮かぶようです。痛みを感じないロボットが傷つく姿、野生動物たちが容赦なく死を迎える姿なども、同じ世界観を感じます。
ロボットが流れ着いた島は、ラッコやオポッサムが同居する不思議な世界。人間がどう生きているのかも中盤で描かれ、自然と人間との関わりも考えさせます。
ロボットの型番が『ROZZUM7134』で、通称ロズ。これ、チャペックの「R•U•R」(ロッサムのユニバーサル•ロボット)へのオマージュなのでしょう。
約300ページが80もの章に分けてあるので、読書の苦手な子でも区切りながら読み続けられそうです。
…たった一つ残念なのは、作者の描く多数の挿画がほぼ全ページにわたって散りばめてあるのに、全て白黒。
「表紙の絵と同じ手法で描いてあるなら、多分カラーだったはずだよな…」
と思うと、もったいない感じがするのは、私だけですかね? -
人工知能ロボットのロズは、輸送途中の事故により無人島に流れ着いた。そこで生きていくため野生動物から学んでいく。
ガンの子どもキラリを育てることになり、子育ての仕方をまわりの動物に教わり、みんなに認められていく様は人の親と重なる。その一生懸命さにホロッとなる。
野生の中で人工のロズは異物だったが、受け入れられていくその過程は多くの示唆に富んでいる。 -
船に積まれている荷物。
航海中に嵐が来て船が難破してしまう。
下へ
下へ
下へ
船はどんどん沈んでいく。
中の荷物のうち、たまたま5つだけ海の上に浮いた・・・が、4つは島にぶつかって砕けてしまう。
もう一つも同じように砕けそうになったが、ちょうど波が来て島に打ち上げられた。
少したち、海辺のラッコたちが箱の中身を漁ると、中にはツルツルしたものが入っていた。
最初は警戒していたラッコたちだが、動かないとわかると色々いじり始めた。
すると、1匹のラッコが頭の後ろにある何かを押した・・・瞬間に何か音がし始めた。
ラッコたちにはわからなかったが、
「こんにちは。わたしはROZZUM(ロッザム)7134型です。ロズと呼んでください。(略)」
と人間の言葉で言っているようだった。
そう、それはロボットだった。
ロボットは歩き出す。
が、森を歩くのは、容易くはない。
そう、ロボットが森の中を歩くように造られていないのは明らかだった。
それに、島の動物たちにも怪物呼ばわりされてしまう。
・・・が、あるロズの行動をきっかけに次第に動物たちはロズに心を開いていく・・・。
分厚いけど面白い本シリーズ(勝手に作った)
にも入っている本でとっても面白い!
作者の表現の仕方が半端ない!
「下へ
下へ
下へ」
とか、
「〇〇が〇〇をするために作られていないのは明らかだった」
とかも本の中にあったの真似したの。
とにかく面白いから読んでみて!
ほんと面白いから読んでみて!
ちなみに「帰れ野生のロボット」って言う続編も出てるから読んでみて!(自分もまだ読んでないくせに)
そういえばしれっとアイコン変えてる(2022・3・4に変えました)から見てみてね。 -
最初は動物たちに恐れられていたロボットのロズ。雁のヒナ・キラリを救い、親代わりとなったことで動物たちとの関係性も暮らしも変化していく。
ロズとキラリ親子の会話や暮らしは見ていて微笑ましいし、心がポカポカしてくる。
そんな二人を見守り、少しずつ心を開いていく森の動物たちとのやり取りもいい。
これは間違いなく良書♪
子どもが小学生のときに出会えてたらなぁ。
ロズの肩にとまるキラリのイラストを見ると自然と笑顔になる。
ロボットと動物との交流・絆を描いた物語ですが、それだけに終わらない。「人間」「ロボット」「自然・動物」の関わりや共存についても問われているようで、児童書だけどなかなか深い。
じんわり心温まる児童書でありながら、意外なラスト!
続編もあるので読んでみたい。
『うちは変わった家族だね。でも、ぼくはこのままがいい』
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ロボットの生き方に感動した。 動物の擬人化が個性的で面白い。
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ロボット×ロビンソン・クルーソー×ニルスの不思議な旅×ピーター・ブラウン
沈没した船から無人島に打ちあげられた1台のロボット。
ビーバーのイタズラから起動スイッチが入り、目を覚ます。
最初は島の動物たちに怪物だと遠巻きにされていたが、ガンの子どものを育て始め、友だちを増やしていく。
家族、子どもの成長、友人、環境、自然の童話。
〇ラピュタの庭園も、こんな感じなのかな。
思春期を迎えたガンの子どもと母さん・ロボットが、とことん話し合う場面が良かった。
〇ビーバーの匠が、調整しながら義足を作るところはリアリティがあった。
〇たくさんの動物たちが擬人化していても、それぞれの動物らしさを残していた。
続編もあるみたいですね^_^
続編もあるみたいですね^_^