- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834082937
作品紹介・あらすじ
12歳の夏休みがはじまる1週間前のこと、フー子は憧れの従姉妹マリカから1通の手紙を受け取った。夏休み、祖父の住む街に遊びにこないかという誘いだった。初めてのひとり旅、そしてマリカと過ごす夏休みへのときめくような思いを抱えたフー子を待ち受けていたのは、思いもかけないできごとだった。祖母の死に隠された秘密。踏み入れてはいけない蠱惑の園・・・・・・あらがえない魅惑に惹きつけられながら、フー子はその真相に近づいていく。
感想・レビュー・書評
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昨年夏に読んで以来の再読。
昭和の夏の濃い空気感の挿絵、不思議な祖父の時計坂の家、憧れのいとこ、祖母の過去、ロシア人の時計師の謎に迫っていく緊迫感、蠱惑的な園…。
あぁ、なんと惹きつけられることか。
どっぷりと物語の世界に浸る感覚がたまらなくいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった。ファンタジー風味かつミステリー風味で、見方によってはちょっとホラーかも。特に中盤、祖母の謎にせまるあたりからは引き込まれた。単純に12歳のフー子ちゃんのひと夏の冒険としても楽しめるけど、不思議な園が何を象徴しているのか、終盤の祖父の台詞の意味などを考えると奥深い作品だと思う。
高楼方子さんの作品は「十一月の扉」に続いて2作目。どちらも「小学校高学年から」と書いてある児童書だけど、大人にもおすすめできる。すっかりファンになった。 -
友達に勧められて。
あらすじ読む限り、童話っぽい感じだし、面白いのかなあと思っていたら大当たりでした。本当に児童書かと疑う面白さと不気味さで、不思議に終わり不思議に終わる小説。でも不思議に終わり不思議に終わるって、なかなかないと思うんですよねー。ほんとうに謎が残った終わり方で。こういう雰囲気を自然に作れるのってすごいなぁと。やっぱマトリョーシカとかお屋敷とか時計とか、そういうものものがこの雰囲気を作り出してるのかなあ、なんて思いました。 -
想像の翼を思いっきり広げて、お話の世界にどっぷりつかることができれば、ワクワクドキドキしながら読み進められる。
ファンタジー好きな読書家の子どもにおすすめ。
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すごく不思議な本だった。優しい雰囲気の中に、得体の知れないものに対するゾッとした感じもあって…。空想の世界のような、現実に起こったことのような…。読み終わってみると、結局真相がはっきりしないまま終わってたりするんだけど、‟不思議”を不思議なままで終わらせるところも良かったなぁ。
著者・高楼方子さんの実姉である千葉史子さんがイラストを手掛けていて、それが作品にぴったり合ってますね。(姉妹だから感性が似てるのかな) -
うわお。いい!途中から一気におもしろくなってぐわっと入り込んだ。夏休みに祖父の家に滞在することになった女の子。時計塔、不思議な庭園、寡黙な祖父、魅力的ないとこ、心を許せる男の子、ジプシーの男、行方不明の祖母…。高楼さんの描く世界とそこで暮らす人々は何て魅力的なんだろう。いい本に出会えた。
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「子どもを本好きにする10の秘訣」>「芸術・感性」で紹介された本。
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現実に隠れるファンタジー、大好きなお話。
ほのかな恋も楽しい。