オンネリとアンネリのおうち (世界傑作童話シリーズ)

  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834081916

作品紹介・あらすじ

なかよしの女の子オンネリとアンネリは、夏休みのある日、「正直な拾い主さんにさしあげます」と書かれた封筒をひろいました。中に入っていたのは、たくさんのお金。家族の誰にもかまってもらえず、いつもひとりぼっちだったふたりは、そのお金でふたりだけのおうちを買うことにしました。女の子の憧れがぎっしりつまった夢のようなおうちで、ふたりだけの暮らしがはじまります。フィンランド生まれの、楽しくて幸せな夏の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃出会っていたら、絶対好きになっていた一冊だろうなと思う。女の子が憧れる世界そのままだ。歳をとって現実的になりすぎて、物語を純粋に楽しめないのが少し悲しい。
    是非、沢山の女の子に読んでもらって、色々と想像して夢のような気分に浸ってほしい。この本には完璧な世界が描かれているんだもの。

  • フィンランドの児童文学。
    光村教科書 4年教科書掲載本

    7歳の女の子、オンネリちゃんとアンネリちゃんはとーーっても仲良しです。
    オンネリちゃんの家は子供が10人もいるけれど、みんなで一つの部屋で住んでいます。お父さんとお母さんは大忙しだし、兄弟姉妹のなかでもオンネリちゃんは一人ぼっちになってしまうの。
    アンネリちゃんのお父さんとお母さんは別々に暮らしてけっして口を利こうとしないんです。
    そんな二人は、とびっきり素敵なお家に二人だけで住むことになったんです!家を建てたのは薔薇乃木夫人。このお家は二人の女の子が住むための素敵なものが全部揃っています。右のお隣さんは、薔薇乃木夫人の従姉妹のノッポリーナさんとブックリーナさん。二人は庭で、風船やクリスマス飾りを育てているの!風船が木から生えるなんてびっくりよね。
    左のお隣は…ちょっと怖いウメ・ボーシュおばさん。怒った顔のこぶたの貯金箱を売っているの。ウメさんは怖くて苦手。
    でもとっても強くて仲良しのおまわりさん、ゴォ・リキネンさんに「君たちにも悪いところはあったよね。今からでも遅くない、直接お隣さんに行って話をしてみたら?」
    そこでお隣に行ってみたら…ウメさんとも段々仲良くなれそうだわ。
    そんなある日、ウメさん家に入った泥棒を見つけて…。

    ===
    かわいい、おしゃれ、幸せなお話。
    とっても幸せな生活なので、この暮らしはいつか終わっちゃうのかなと思いながら読んだけど、最後まで子供二人の暮らしが認められました!
    オンネリとアンネリが二人暮らしを始めたのは、家にいなくても家族が気が付かないから。でも最後は両方の家族とちゃんと向き合い、本当はお互い大事に思っているって伝えあい、そして自分の家と家族のいる家の両方で暮らすことが認められました。フィンランドは自立の気持ちが早いのかな。
    薔薇乃木夫人とホッソリーナさんプックリーナさんは妖精さんかなにかかな。アンネリオンネリの家族たち現実の人間たちもそのまま存在を認めてますね。
    幼い仲良し女の子の夢のような暮らしとして面白いのが、ちゃんと二人で家事やってるんですよ。買い物して(お金も有る)、ご飯つくって、お皿洗って、お掃除もする。まあお掃除には自分で動いてくれる鶏ハタキもいてくれますけどね。この鶏ハタキは、自動掃除機をペットに見立てることがありますが、それが実現した感じ。うちにも欲しいです!(現実の大人の切実な願い 笑)

  • すっごくおもしろかった!
    オンネリとアンネリのおうちがかわいい。オウムがいて、お皿がそろってて、おもちゃがある家です。うらやましい。ぼくも、お母さんと住みたい。大事なノートと本を持っていきます。
    ばらのきふじんが、家を買っても自分に合わなくて、すぐに売っちゃうのが、おもしろくてかわいそうでした。
    オンネリとアンネリはたぶん美人。そんな気がする。どろぼうをつかまえたのがすごい。
    1番すきなのは、けいさつかん。ゆうかんだったから。でも、すぐにじゅうをかまえるのがちょっとおもしろい。本当にいたら、けいさつかんだけどけいさつにつかまっちゃう。(小3)

  • オンネリとアンネリは入学式のときにまたとない友だちになりました

    アンネリはお父さんとお母さんは別々のうちに暮らしていて、両方のお手伝いさんとも仲良くありません
    ひとりぼっちでさみしく思っていました

    オンネリは9人兄弟姉妹の真ん中で お父さんお母さんと賑やかに暮らしていていましたが、大家族の中でおとなしいオンネリは忘れられがちで、やはりさみしく思っていたのです

    ひょんなことから、すてきなおうちを手に入れ、二人で暮らすことになりました
    不思議な庭を持つお隣さんとうたぐり深い嫌なお隣さん、親切なお巡りさんに世界中に家を建てることが趣味のご婦人。

    二人は最後にしあわせって何かしらとみんなで考えます

    ・フィンランドのおとぎ話のような童話

    〇おままごとのようなかわいらしい暮らしを楽しむ一方で、二人の子どものさみしい気持ちがぷかりぷかりと浮かび上がってきます
    〇夏の午後に読みたい本

  • 年齢がいくつだったとしても女の子ならばいつでも見るようの夢を凝縮させたようなお話と挿絵で萌えました。大人びていて自由でちょっと背伸びした夢見るような生活とちょっと切ない大人の事情も見え隠れしながら甘酸っぱい木イチゴのジュースみたいな物語。こんな家に住みたい。
    装丁がキレイで可愛く、ピンク、ピンク、ピンク、かわいい女の子は世界中、どこでもピンクって感じがしたけど、だけどいろいろあるのよ、私たちな、感じで。

  • 2018.6月。
    ふたりの女の子手に入れたおうち。ご近所さんたち。ちょっとした事件。子どもの世界ってキラキラしててこんな感じだったかなと女の子心が反応した。 .ああ、北欧って感じ。文化が違うとこんなこともありえそうだと思える。日本ではこんな夢みたいなこと起こるはずがないって思うのはなぜだろう。夢を見づらい国。かわいくてしっかりした子どもらしい女の子たち。子どもって傷つきながらもちゃんと強く生きている。大人はちゃんとしないと。

  • かわいくって癒される北欧の児童文学。

    両親が別居していて家が2つあるアンネリと、4人の姉兄と4人の妹弟のおかげで家に居場所のないオンネリ。ひょんなことから、「女の子ふたりが暮らすための家」を手に入れて2人暮らしをすることになる。

    児童文学においては定番の家出ものですが、このお話の素敵なところはオンネリとアンネリが日々の暮らしを心から楽しんでいること。冬の長い北欧は家の中で過ごす時間が長いので丁寧な暮らしをとても大切にすると聞きますが、そういう文化の繁栄なんでしょうか。個性的なお隣さんとのやりとりもとても丁寧で上品で、ほっこりする。

    家出をしてあらゆる冒険をした後は、普通は最後に家に戻るものだけれど、オンネリとアンネリの場合は違う。家が2つあっても、10人も家族がいても寂しかったオンネリとアンネリが家出をして手に入れたしあわせについて、ぜひ大人にも知ってほしい。

  • とにかく可愛すぎて〜❤

    うそうそ、こんなうまい話ある?夢でしょう?いつか覚めちゃうのよきっと!と、思いながら読めば読むほど、2人の夢のようなお家に魅了されてしまう。お料理の後片付けはこんなちいさな子にできるの?とか、お菓子を焼いたりできちゃうの?電気代は?ガス代は?なんてことは頭の片隅からけとばして、お隣の、風船を栽培するノッポティーナさんとプクティーナさんの素敵なお庭にうっとりし、反対側のお隣さん、ウメおば様との事件にハラハラ!

    子どもたちが読んだら、どんなに楽しめることでしょう!バラやフリルやお人形が好きな全ての子どもたちに読んでほしいおはなしでした。

    映画でどこまでこの薔薇屋敷が再現されてるのかとっても楽しみ✨

  • 映画を観て原作があると知り、読みました。
    2人の少女は理由は違えど家族にかまってもらえなくて、寂しい思いをしています。ところが、ひょんなことから薔薇乃木夫人からお家を買って、姉妹のように仲良く暮らし始めます。お隣さんには珍しい植物を育てる優しい住人、ノッポティーナさんとプクティーナさんがいますが、もう片方のお隣さんは暗くて厳しい豚の貯金箱を売っている女性。何とか仲良くなろうと頑張る2人ですが、怒らせてばかりでちっとも上手くいきません。しかし、ある晩に泥棒がお隣さん宅に入っていくところを目撃して…。
    とにかく2人の暮らしぶりがかわいくて、優雅で憧れちゃいます。正直で心優しい2人に癒されますし、物語の中でも大人の心を溶かしていきます。2人だけの素敵なお家で過ごす2人だからこその幸せと、やっぱり家族と過ごす幸せも必要とする少女のささやかな願望が程よいバランスで描かれています。

  • 4年教科書掲載本

    それぞれ家庭環境は異なるけれど、入学式に一人で来ていた家庭に居場所がないオンネリとアンネリが親友になって、夏休み、すてきな家で二人で暮らすうちに…

    ちょっと不思議な、でも読んでいくほどに楽しくなるお話。

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著者プロフィール

マリヤッタ・クレンニエミ 1918年生まれ。1946年に『赤蟻プッケの冒険』でデビュー。やがて30作品を著し、そのうち5作品で自国フィンランドをはじめ、北欧の児童文学賞を受賞。また、200作品にものぼる海外児童文学の翻訳等も手がけている。第一作『オンネリとアンネリのおうち』(福音館書店)は1966年に出版され、後に本作『オンネリとアンネリのふゆ』(1968年)と他2作品がシリーズとして発表された。2004年没。

「2016年 『オンネリとアンネリのふゆ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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