ハッピーノート (福音館文庫 物語)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 413
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834027617

作品紹介・あらすじ

小学校でも塾でも、友だちを前に思うように自分を出せずにいる6年生の聡子。塾の帰りにいつも一緒に勉強する霧島くんにひそかな思いを寄せていますが、本当の気持ちは言えないままです。家ではイライラしてつい両親にあたってしまい……。そんな聡子ですが、もっと霧島くんと仲良くなろうとがんばるうちに、次第に周囲の人との関係も変わってきます。単行本発売以来、多くの年若い読者から圧倒的支持を得ている作品の、待望の文庫化です!

感想・レビュー・書評

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  • 『ハッピーノート』読了。
    小学生頃に読んだ本だけど、最近になってブクログのTLで見かけてまた読みたくなったので読んだ。
    内容をほとんど覚えてなくて「なんか主人公の女の子が苦しくもがいてる感じで重たかったな…」ぐらいしか覚えてなくて。案の定、小学生向きにしては割に重めの内容でした笑
    変な駆け引きや見栄張って嘘ついたり、自分の気持ちを言えなかったりとか、これって大人にでも共通するよなぁ〜…と感じましたよ。だから、子どもの時から社会性の形成がはじまってて苦しくなって発狂するよな…けど主人公の子が最後は自分の意思で物事を考えて言えるようになっててえらいなと。
    結構自分を追い詰めちゃうところとかなんか重なるわ…意外と人ってやさしいんだよとか、表立って見える景色が実は違っていることもあるんだよなとか。大人になっても感じることは少なからず変わらないと思うし。
    読んだ後だからか、みている景色が少し変わったね。もう少し楽にやっていけよって感じ。

    2021.6.12(2回目)

  • さとこが最初から嘘をつかないで、霧島くんとりさに話していればもっと良い結果になったと思う。

  • 2020.6
    わかるからこそめんどくさくて息苦しくなる。ああめんどくさい。いつわらないひとりでいい強さ。大人になるとわかるけど。こういう時がきてもなんとか側にはいないとなあと思う。大人として。

  • とても良かった
    みんな色々あるよねって話
    子どもにお勧めしたい本

  • 人間関係のわだかまり、しがらみなど いろんな葛藤をする主人公 中盤までは読み進めるのが辛かったけどだんだん自分の気持ちを整理して正直になっていく 読んでいて気持ちよかった

    言葉にして伝えなければ分からないこと、たくさんあるね 人は思い込みや誤解でどれだけすれ違っているのだろう

  • この本の主人公は、三条聡子。中学受験をするために塾に通う小学校6年生です。

     <いつも、いっしょにトイレに行って、給食も一緒に食べて、遠足も同じ班。でも、本当の気持ちを伝えあったりしない。嫌いでも好きっていったり、いやでも、いいよっていったりする。この子たちと一緒にいるのはあと半年の辛抱だと思ったりもする。グループは、うざい。うざいんだけど、そこにいないと、一人になってしまう。休み時間とか、給食のときとか、移動教室のときとか、困る。>

     聡子が送っているのは、こんな学校生活です。

     だから、聡子は塾に通います。塾での聡子は一人です。夏期講習のお昼ご飯を一人で食べながら、聡子は塾っていいなあと思います。学校みたいにどこかのグループに入ってなきゃ困るってことがないからです。塾は、勉強だけしてればいいんです。受験に合格すればいいんです。先生も事務の人も、友達と仲良くしましょうなんて言いません。

     塾の後、ミスタードーナツで待ち合わせて、いつも一緒に復習する、霧島くんという気になる男の子もできて、聡子は快適な塾ライフを送る……はずだったのですが。

     塾でもやっぱり、思う通りにはいかない人間関係が出てきます。
     塾に行ったら、楽しいことがいっぱい待ってると思ったのに。例えば私立の中学に合格したとしても、そこにもまた、あんな子やこんな子がいないとは限らなくて、やっぱりそんな子と仲良くしなきゃいけなくなったりするのかももしれなくて、考えたこともなかったけど、楽しい毎日が待ってるわけではない可能性だって高くて。不安が、胸におしよせて。行くところもなければ、逃げるところもなくて。

     聡子の足は、止まってしまいます。

     夏期講習の間、聡子の楽しみは、霧島くんとの「ハッピーノート」の交換でした。夏期講習の間、毎日、このノートを交換します。交換日記ではありません。日記みたいなことを書いてもいいけど、目的は苦手科目の克服です。お互いに採点しあって、解説しあって、毎日続けたら、きっと苦手科目が克服できる、そんなノートです。
     聡子の苦手科目は社会、霧島くんの苦手科目は漢字です。

     苦手科目。

     勉強だけしてればいいはずの塾にさえ、聡子は居場所がなくなります。聡子の本当の苦手科目は。

     人生の苦手科目。自分は何が苦手で、だからどうしなければならないのかがわかるまでが、一番辛い。わからなくて悩んでいるときは前が見えないから。

     悩んでるヒマがあったら、どうすればいいのかを考えたい。
     この本には、それを考えるためのヒントがあります。
     毎日がなんだかちょっと息苦しい、そんなときに、いいかもしれない本です。

  • 「小学校でも塾でも、友だちを前に思うように自分を出せずにいる6年生の聡子。塾の帰りにいつも一緒に勉強する霧島くんにひそかな思いを寄せていますが、本当の気持ちは言えないままです。家ではイライラしてつい両親にあたってしまい……。そんな聡子ですが、もっと霧島くんと仲良くなろうとがんばるうちに、次第に周囲の人との関係も変わってきます。単行本発売以来、多くの年若い読者から圧倒的支持を得ている作品の、待望の文庫化です!」

  • 主人公「聡子」が、塾、学校、家庭の悩みを抱えながらも、それを乗り越えて成長していく物語。物語としても素晴らしいのですが、物語の締め方を特に気に入りました。

  • 小学生の頃読んで以降度々読む、きっとこれからも

  • 人生は素晴らしい。自分らしく生きてこそ人生は楽しくなる。当たり前だけど忘れがちなことを教えてもらった。
    勇気を出して行動すると何かがひらくこと。
    でも日日はそんなに頑張るのも難しい。
    頑張るところと頑張らないところ、いろいろあって良い。良いも悪いも自分次第。
    自分が思っているよりもちゃんとやっている自分を他人が見てくれているもの。
    変わるのは一つの行動から。

    尻上がり的に良くなる本でした。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業。99年『透き通った糸をのばして』(講談社)で第40回講談社児童文学新人賞、01年児童文芸新人賞を受賞。07年『ハーフ』(ポプラ社)で日本児童文学者協会賞を受賞。

「2016年 『Q→A』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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