サリー・ジョーンズの伝説 (世界傑作童話シリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834026108

作品紹介・あらすじ

はるか遠く、霧に包まれた街の謎めいた事件。憧れと希望、そして裏切り。灼熱のジャングルにうごめく狡猾な悪意、嵐の海原でも揺るがない友情。これは、サリー・ジョーンズの伝説である。小学校上級以上。

感想・レビュー・書評

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  • 書評で高評価だったので、読んでみました。

    今から百年前、アフリカの熱帯雨林でゴリラの女の子が生まれました。名前をサリー・ジョーンズといいます。サリーは長老によって、数々の不幸にみまわれるだろう、との予言をうけたのでした……

    長老の予言通りに物語はすすみます。
    いやあー、これは辛いわ。
    出てくる人、みんな悪人じゃんか。
    悪人のオンパレード!
    最終的には、ハッピーエンドだけれど、もう少しサリーにオアシスがあってもいいのにね。

    全てをのりきったサリー・ジョーンズは素晴らしい。それにしても、幸・不幸というものは、出会いに大きく左右されるものなのだなぁ、と人生(ゴリラ生?)の不条理にしばし呆然といたしました。

  • アフリカから連れ去られ人間社会の中で翻弄される雌ゴリラのサリージョーンズ。その賢さ優しさで危機を乗り越えて唯一の人間の友人機関士のチーフと人生を歩む。
    絵も雰囲気ピッタリで良かったです。

  • 賢いゴリラ、サリー・ジョーンズは、密猟され、その賢さ故に運命に翻弄される。
    登場人物は、ほぼ悪人。
    そんな中、機関士のチーフとの硬い友情だけが救いです。
    お互いに良き相棒なのです。

  • 評判がいいのに、未読でやっと(๑˃̵ᴗ˂̵)

    サリー・ジョーンズと名付けられた雌ゴリラの名前。
    天才的な頭脳を持つサリーの数奇な運命の物語。

    幸せと絶望が交錯するサリーのジェットコースターのような人生。
    捨てる神あれば拾う神あり、もうダメと思っても、運命は彼女を見放さず、翻弄させられる中でもその類稀なる能力で生き抜くサリーの逞しさ、潔さに、脱帽。

    絵もすごくいい。

    絵本と児童書の間にあり、読めるのは小学生以上かな。

  • 人間に翻弄されるゴリラの一生のおはなし。
    ちょっと子供には話が長いけど、映画にできそうな深いお話でした。

  • 類人猿の中で、チンパンジーは嫌い。 オランウータンはイマイチ。
    ゴリラは好き。
    これは、賢く勇敢なゴリラの子どものお話。
    表紙に魅せられ手にとった。
    雰囲気のある絵がステキ、短いお話ですが内容も面白い。

    2014/02/06 借りて読み始め、一気に読み終わる。

    内容と著者は

    内容 : 原タイトル:Legenden om Sally Jones
    100年前の嵐(あらし)の夜、アフリカの熱帯雨林で生まれたゴリラの女の子は、数かずの不幸にみまわれるだろうと予言された。
    やがて人間に捕(と)らえられ、「サリー・ジョーンズ」としてイスタンブールに連れてこられたゴリラの子は、
    動物愛護家の女性に育てられるが、彼女(かのじょ)の命令で盗(ぬす)みに入ることになり…。
    数々の不幸にみまわれると予言されたサリー・ジョーンズ。
    彼女を待ち受ける数奇な運命を描く。

    著者 :
    1966年スウェーデン生まれ。国立芸術工芸デザイン大学で学ぶ。94年作家デビュー。ストックホルム在住。
    作品に「曲芸師ハリドン」がある。

  • 面白かった!

    ひゃーとか、ほぇーとか、もうとにかく感心しながら、おもしろおかしく、テンポよく読み進みました。

    まるでちょっと長めのグリム童話のドタバタ話みたい。

    不幸と、幸福と、絶望と小さな望みとが交互にサリーに降りかかる。この子はいつ、幸せになれるの?孤独が良く似合い、不幸はすぐに忘れ、学んだことを生かして前に進むサリー、時々絶望的になりながらも、私も希望を捨てずに読みました。良かったね、サリー・ジョーンズ(・∀・)

    それなしても、すごく素敵なデザインの絵本でした。本の形も、イラストの飾り枠とか。一つ一つの絵を、額に入れて、シックなバーの壁にでもかけておきたいような。


  • ★★★★☆
    つらいだけかと思っていた人間との暮らしに、生涯の友を見つけることができて良かった。
    サリーというゴリラの伝記です。
    某悪者に仕返しできたのも胸がすきました。
    (まっきー)

  • 『失われた名前』を読んだ時も思ったけど、一番邪悪なのは人間。動物は騙したり裏切ったりしない。
    愛を求める孤独なゴリラ、サリー・ジョーンズが、利用され、虐待され、捨てられるのを読むのは辛い。
    フィクションならではの楽しさももちろんあるが、絵本にしては長いこの物語を読む間、サリー・ジョーンズが(きっと最後はそうなると信じてはいても)本当に愛し愛される相手、安心して暮らせる土地に巡り合えますようにと祈らずにはいられなかった。
    印象的な絵も相俟って、心に残る絵本。
    大人にも読んでほしい。
    ヴェゲリウスという作家にも注目したい。

  • 副題の「あるゴリラの数奇な運命」とあるように、本当に「数奇」なお話。
    絵が多くを語っているので、1ページの文章は短いが、たくさんのことが語られているように感じる。
    1ページごとに展開していくので、ページ数だけ運命が転がっていくといってもいいかもしれない。
    前半と後半がうまく組み合わさっていて、サリー・ジョーンズにとって悪いことばかりじゃなかったというのがいいかな。

    小学校高学年くらいの男の子が読むといいかも。

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著者プロフィール

ヤコブ・ヴェゲリウス 著者:ヤコブ・ヴェゲリウス Jakob Wegelius1966年、スウェーデンの港町ヨーテボルイに生まれる。ストックホルムの国立芸術工芸デザイン大学(KONSTFACKコンストファック)で学ぶ。1994年、作家デビュー。本書のほか『曲芸師ハリドン』(あすなろ書房)が邦訳されている。ストックホルム在住。

「2013年 『サリー・ジョーンズの伝説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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