- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834020304
感想・レビュー・書評
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どの作品もとにかく風景描写に引き込まれる。流石は詩人。その分、物語の展開はスローペースなので、せっかちさんには向かないかも。きっとこれが、イギリスのリアルな妖精観なんだろうなと思いながら読んだ。じっくり情景を楽しんでほしい1冊。
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ウォルター・デ・ラ・メアの『子どものための物語集』からの五編。詩人でもあったデ・ラ・メア独特な夢幻的世界が、イギリスの風土と伝承に根ざしつつ不思議な物語として楽しめる。
一見つかみどころないような話の展開も、実に丹念な情景描写と言葉でつむぎだされた深い味わいと感性が、いつのまにか読んでいる自身の幼心に響いてくるようで、不思議な余韻が残るものばかりだ。
裏表紙にあったように、まさに“香気ゆたかなお話集”ですね。
ちょうど、彼の詩集『妖精詩集』(Down-Adown-Derry)も荒俣氏の訳で読んでいたところで、思いもよらずはまりそう…(笑)他のも読んでみたいなって。 -
表題作は物語にものすごく入り込める。
これを上手に読める人が読み聞かせしたらドキッとびっくりする部分があっていいのかなと思う。一度やってみたい。
イギリスらしく妖精や小人が出てくるのは◯。ただ、古い本なので物の名前や花の名前等興味がないと引っかかってしまうところがある気もする。こどもはでもそういうのを飛び越えて読めるのかも。 -
n.
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二十世紀前半のイギリスを代表する詩人の一人であり物語作家でもある著者の
『子どものための物語集』から五編を選びました。奇妙な筋書きと細やかな風景
描写、そこに姿を現わす不思議な存在の数々…。風土や風俗習慣、さまざまな
伝承をふまえながら独特な世界を編みあげた、香気ゆたかなお話集です