魔法使いのチョコレート・ケーキ―マーガレット・マーヒーお話集 (福音館文庫 物語)

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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834019995

作品紹介・あらすじ

不思議と驚きがいっぱいの幻想的な世界へ子どもたちを案内し、夢と願いを存分に満たしてくれるお話集。「たこあげ大会」「葉っぱの魔法」など、8編の童話と2編の詩を収めています。(S-33)

感想・レビュー・書評

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  • 何を今さらの名作だが、ブックトークのため再読してみた。
    訳者である石井桃子さんが、「マーガレット・マーヒー作品集・第1~3」の中から8編の
    お話と2編の詩を選んで収録している。
    さすがの日本語訳で、とても読みやすくて味わい深く、心地よくこちらの胸に響いてくる。
    小学校中学年以上と明記されているが、そのはるか上でも(笑)対象の範囲内と思いたい。
    魔法、などというのが他愛ないユーモアに感じられるほど、どの作品も優しく愛おしい。
    やや切なさを伴う上質のファンタジーで、あえて言えば安房直子さんの世界に通じるような。

    不器用なため上手く魔法が使えず、悪い魔法使いにされてしまったという表題作。
    しかし長い長い年月を経て、今度は良い魔法使いにされるという話。
    そこまでの独りで過ごす時間に、魔法使いがしたこととは?・・実はここが素敵なところ。
    児童書のカテゴリーに入れるのはもったいないほど、大人にこそ読んでほしいような「孤独
    との上手な付き合い方」だ。この時間があったからこその、ご褒美のような結末だ。

    「ミドリノハリ」もドキドキするような良いお話で、「メリー・ゴウ・ラウンド」にいた
    っては、不運な主役のふたりを思わず応援してしまう。
    「たこあげ大会」では小さなジョーンの夢と願いが思わぬ形で叶い、「幽霊を探す」は最後
    までドキドキで。
    どれも隠し味がほどよく効いて、理不尽な大人はひとりも登場しないというのも良い。

    現実には成長につれて理不尽なものには出会うだろうが、子ども時代には美しいものに
    たくさん出会ってほしい。
    それがいずれ、幸せな記憶として自分を秘かに支えてくれるだろうから。
    大人にもおすすめ。僅か181ページなのでさらっと読める。
    読みながら思わずふふっと笑みがもれて、口角が上がってしまうことを約束できる。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      絵本のように見えましたが児童書なんですね!
      とても面白そうです♪
      タイトルもいいですね。美味しそう(*^...
      こんばんは(^-^)/

      絵本のように見えましたが児童書なんですね!
      とても面白そうです♪
      タイトルもいいですね。美味しそう(*^^*)
      素敵なお話を私もいつか読みたいと思います!

      それから、冬の絵本をまた紹介してもらってもいいでしょうか?
      秋の絵本もとてもよかったです。
      ありがとうございました(^-^)/
      2017/10/08
    • nejidonさん
      けいたんさん、こんばんは(^^♪
      コメントありがとうございます。
      はい、これは児童書でして、たぶん(きっと)けいたんさんにも気に入ってい...
      けいたんさん、こんばんは(^^♪
      コメントありがとうございます。
      はい、これは児童書でして、たぶん(きっと)けいたんさんにも気に入っていただけるかと。

      冬の絵本ですがウィリアム・スタイグの「ゆうかんなアイリーン」がおすすめです。
      (すでにお読みでしたらごめんなさいね)
      あとはこいでやすこさんの「ゆきのひのゆうびんやさん」「おおさむこさむ」。
      こいでさんは「たろうめいじんのたからもの」を描いた方です。
      あとは、外国のものですが「ゆきむすめ」も素敵ですよ。
      それから本棚の画面で「カテゴリー」をクリックしていただくと、「絵本・春」などと
      季節別の絵本が出てくるように設定しました。
      まだ全部終わってないのですが、そちらも参考にしていただけたら嬉しいです。
      けいたんさんがお好きなものが見つかりますように!
      2017/10/09
  • 魔法使いのチョコレート・ケーキ:わるいまほうつかいがよいまほうつかいになってよかった。(子どもたちに信じてもらったことで、よいまほうつかいにもどった)
    幽霊をさがす:こわかった。

  • 身近な景色でありながら、現実に歩み寄り過ぎていない、程良い不思議のお話たち。ところどころ出て来る先住民風の存在に、著者がニュージーランドの作家と知って納得した。それぞれ短い話ながら、どうなっちゃうの?とワクワクできる、想像力を揺さぶられる1冊だった。『幽霊をさがす』は、怖い話ではないのに、最後の台詞で「あ〜やっぱりあっちの存在なんだ」とゾワリとさせられ、妙に印象的だった。

  • 表題作含む短編と詩を収録した短編集。魔法使いの作るチョコレート・ケーキはなるほど、そういう味がするのですね。

  • 「魔法使いのチョコレートケーキ」は語るので、他の語れる話を探して再読。
    描写が細かくて・・・
    どの話もやさしくてあたたかい。

  • 短い話がいくつか集められた本で読みやすかった。どの話もおもしろく、どれが一番楽しかったか決めるのが難しいくらいだった。
    いくつも話がある中で、風がキーとなってストーリーが進む話が複数あり不思議な世界観を楽しむことができた。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=6001

  • 図書館で。
    どことなく不思議で悲しくて素敵なお話でした。特に魔法使いとチョコレートケーキはかわいかったなあ。タコの話も遊園地の話も子供らしい視点から書かれた話だなあと思いました。
    それにしてもケーキのスポンジ部分をカステラと訳すのはなぜだろう?
    そういえばぐりとぐらもカステラって書いてたような。昔は西洋風なケーキがカステラぐらいしかなかったからだからだろうか?

  • 当たり前のように魔法が生活にとけこんでいる世界。
    あんまり当たり前すぎて、もしかしたら読者自身の世界にも、こんな魔法はあるんじゃないかって思えてくる。いや、きっとあるんだよ。

    すべての魔法は、私たちの周りにある。

    多分、お話と現実の境目があいまいな低学年以下に読んであげるには、サイコーに前向きな気分をプレゼントできる本なんじゃないか?

  • 小学生の頃大好きで何度も図書館で借りた記憶がある。あったかくてふわりと幸せになるお話。

  • 表題作の『魔法使いのチョコレート・ケーキ』と、『メリー・ゴウ・ラウンド』、『ミドリノハリ』などが、好きだなぁと思いました。
    『魔法使いのチョコレート・ケーキ』には、思いもかけず、ほろりとさせられ、
    『メリー・ゴウ・ラウンド』では、児童書に出てくるメリー・ゴウ・ラウンドの魅力を思い、
    『ミドリノハリ』の倒れた松の木…テディだけのちいさな部屋、小さいみどりの部屋と廊下…という描写には、幼い頃の楽しみが、胸を温かくしました…。

    メリーゴーランドって、魅力的です…メアリー・ポピンズに出てきたメリーゴーランド、ムーミンに出てきた遊園地など、今でも大好きです。
    また、石井桃子さんが訳された、“メリー・ゴウ・ラウンド”という言葉が、ここでは“メリーゴーランド”という普段聞きなれた言葉とどこか違って感じられ、とても良いなぁと思いました。

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著者プロフィール

マーガレット・マーヒー

「1984年 『魔法使いのチョコレート・ケーキ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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