ロボットのくにSOS (こどものとも傑作集)

  • 福音館書店
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834011999

感想・レビュー・書評

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  • ●あらすじ
    ルネくんのおもちゃのロボットが壊れてしまった。近所のフープ博士の家で修理してもらっていたとき、本物のゼンマイ式ロボットが訪ねてくる。「ロボットのくにで、たいへんなことが おこりました。どうか たすけてください」と。
    フープ博士とルネくんとゼンマイロボットは、フープ博士の飛行機でロボットの国に出発する。



    マンガ仕立ての絵本って読み聞かせしにくくて、子供が「読んで!」と持ってくるとちょっと億劫に感じることが多い。
    でも、この絵本はそんな苦手意識も忘れるくらい素敵なお話で、子供たちも私もお気に入りの1冊。
    限られたページ数に、ロボットや飛行機(ゼンマイ式!)や恐竜や地底探検などのワクワク要素をたっぷり詰め込んで、しかも結末はしんみりと胸に残るストーリー。お話全体の雰囲気が案外あっさりしていて軽めなところも好き。


    出てくる登場人物たちは、みな人が良くて親しみやすいが、息子達も私もブラキオザウルスが特に好き(娘はネコのネプチューン推し)。
    人目を避けて暮らしているブラキオザウルスだけど、人間との触れあいが嫌いなわけじゃないらしい。地底で迷子になったルネくんを見つけると親切に助けてくれる。でも人間に見つかると騒がれてしまう地上の暮らしが嫌で、暗い地底のキノコの森で暮らしている。
    地上では暮らせない、でも地底でひとりぼっちの暮らしも寂しい。理想の住み処はどこにもなくて時々寂しい遠吠えをあげながらも、自分の決めた場所でひっそり穏やかに生きているブラキオザウルスに親近感がわく。

    表紙にもなっているキノコの森は異世界の雰囲気がぷんぷん。地底で繁栄する最先端のロボット王国のすぐ近くで巨大キノコが森のように繁殖し、そこで生き残りの恐竜がたった一匹で暮らしているという設定もおもしろい。
    地底世界って何でもあり。ロマンあるなぁ。


    水晶でできた美しいロボットの国。国のピンチを救ったのは普段オンボロだの旧式だのと馬鹿にされているゼンマイロボットというのが、ついつい感情移入しちゃうポイント。
    ゼンマイロボット君の自己犠牲を無駄にしないように、発電システムの見直しには取り組んでほしいな。
    それとも、全てが止まっていた時間そのものが誰にも気付かれず、何事もなかったかのように日常が続いていくのかな?今、自分たちを動かしている発電機が、これまで馬鹿にしてきたゼンマイロボット君の部品だとも知らずに。

    ロボットの国から帰ってくると、ゼンマイロボット君の残った部品を使って、博士がルネくんのおもちゃロボットを修理する。ルネくんはそれを大切に持ち帰る。
    最後のコマで、おもちゃロボットにゼンマイロボット君の命が静かに宿る。ルネくんの眠っているうちに。
    「おやすみ ルネくん」
    幼い子供の心情に寄り添った結末に、私まで嬉しくなる。

  • ロボットのまちだから、ロボットがぜんぶまちを作っていて、さいしょのロボットはだれがはつめいしたのか気になった。

  • 「おやすみ ルネくん」
    とても尊い台詞です。

    こま割と吹き出しのある漫画絵本です。
    突っ込みどころもあり、クスッと笑えるシーンが散りばめられています。
    また、冒険要素たっぷりなので、ワクワクもします。
    どうなるんだろう?と飽きさせません。

    綺麗だなと感じさせるシーンもありますし
    大人が読むと色々考えさせられるシーンもあります。

    私はこの絵本を大人になってから初めて読みましたが
    幼い頃に読んでいたらどんな感想をもったかな?と
    気になります。

    こんなに心にしみる作品だったなんて…

    ひらがなとカタカナで書かれていて、漢字はなかったと思います。

  • まんが風の絵本。ロボットのくにを救ったのは…。

  • 地震で発電機が壊れ、全ての動きが止まってしまったロボットのくに。
    唯一動けるゼンマイ式の旧式ロボットのSOSを受けて、フープ博士とルネくんは地下世界へと向かう。
    ロボットのくにへたどり着くまでに、地底湖で輝くデンキヒトデを見たり、ブロントサウルスに出会ったり…未知の冒険の数々にワクワク。
    静かに自分の運命と向き合う旧式ロボットの決意には、胸がキュッとなってホロリとさせられる。7歳の息子も何かを感じとった様子。
    コマ割りのカットは読み聞かせ向きじゃないかもしれないが、良質なせつなさを息子と一緒に味わえてよかった。

  • コマ割のマンガですが、面白かった。子ども向けの絵本として発行されているが、マンガです。

  • 数ある絵本の中で、子供が頻繁に読んでほしいと持ってくる絵本です。

  • コマに分かれていて、漫画調の絵本。5歳息子のお気に入り。

  • 2020/12/26 瑞と図書館にて
    絵本だと思って開いたら漫画仕立てで驚いた。
    最後は自分の部品を自ら差し出し、ほろっとしてしまった。
    瑞も少ししんみりしていた。

  • ロボットが訪ねて来た時に、倒れたシーンが面白かったです。最後のロボットの優しさが好きです。

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著者プロフィール

1949年東京生まれ。絵本に『ありとすいか』(ポプラ社)、『かたつむりタクシー』(福音館書店)、画集に『ファンタスマゴリア』(架空社)、漫画集に『結晶星』(青林工藝社)などがある。『よるのおと』(偕成社)で産経児童出版文化賞大賞、「クジラの跳躍」で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞。

「2022年 『たむらしげる作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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