てんさらばさら てんさらばさら (こどものともコレクション2009) (こどものとも傑作集 80)
- 福音館書店 (1988年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834007640
作品紹介・あらすじ
空から降ってきた"てんさらばさら"。おばあちゃんから、おしろいをかけるといいことが起きるが人にみせてはいけないと言われ、まゆはそれを大切にします。
感想・レビュー・書評
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挿絵の綺麗な、とても温かなお話。どちらかと言うと女の子向けかな。
ゆきふってこい
てんさらばさら てんさらばさら
かぜにまってこい
おしろいたべて ゆきよんでこい
主人公・まゆのおばあちゃんが歌うこんな歌に誘われたかのように、
白くてふわふわしたあるものが、風に乗って舞ってくる。
「てんさらばさら」というものだと教えてもらい、おばあちゃんの言葉通り
白粉をふりかけては育てて大事に大事に増やしていくが・・
その後成長して、5人の子のお母さんになった「まゆ」の姿までが描かれる。
読んでいる方もいつの間にか、てんさらばさらを守ることばかりに気持ちが
傾いてしまう。
だって、これが幸せを運んでくると知ったら、ましてその通りになっているような
人生だったら、やむを得ないというもの。
だが、まゆの夫のかざたろうさんは違っていた。
最後のかざたろうさんの言葉のために、この一冊があるようなもの。
低学年からでもOKかもしれないが、出来れば大人のお話会で読みたい。
たぶん深くうなずくひとも多いように思われる。
幸せとは何か。それを教えてくれる。
約8分。まゆの着る着物の柄が、少女から大人へと変化してくのも楽しい。
挿入歌にはぜひわらべ歌のようなメロディをつけてね♫ -
てんさらばさら、てんさらばさら・・・なんて素敵な響き!
行李の中のてんさらばさら、昔触ったことがあるかも・・・とても懐かしさあふれるお話です。 -
大好きだった絵本。
『てんさらばさら』はおしろいをふりかけると増えていくふしぎな綿毛(実際には存在しない架空のモノなのだと長年信じてきたけれど、どうやら山形の方には存在?!するらしいし、おしろいの容器に入れておくらしい。本当なのか、1度真相を確かめてみたくてたまらない)
そのてんさらばさらが増えると良いことが起こるので主人公の女の子はとても大事に慈しむ。
けれどどんどん増えていくてんさらばさら。幸福の源を少し捨ててしまうなんてことは出来もせず行李いっぱいに入ったそれを彼女はお嫁入りにも持っていこうとするが…
このお嫁入りの時に起きるくだりがとっても印象的でよいのだ。
読み終わると幸せな気持ちになる。
そして、多分ちびっこでも女の子には『おしろいでふえる』というトコロにときめくのだと思う。
もしかするとあまりメジャーなお話じゃないかもしれないけれど、女の子のおちびちゃんにはぜひともお勧めしたい絵本の一つだ。 -
空から降ってきた雪みたいだけど雪じゃない「てんさらばさら」。おばあちゃんが言うには、おしろいをかけるといいことが起きるが、人にみせてはいけないらしい。まゆはそれを大切にして大人になる。
子どもの頃に家にあってよく読んでいた絵本。私と名前が一緒の女の子。「てんさらばさらてんさらばさら」。この言葉やリズム、覚えていた。やっぱり昔の絵本って記憶の奥底に根付いているんだな。幸せは外からやってくるようで、実は自分でそこにあるものに気づくかどうか。てんさらばさらを大切にしてきたまゆだから、自分の生活も周りの人も大切にできた結果の幸せなんだと思う。
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不思議な感じのするかわいいおはなし。読後感がいい。
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母が毎晩本を読んで聞かせてくれたうちの1冊。この頃から本は読むもので、宝箱のように大事にしまいこむものではないと思っていたので、すぐに廃品回収に出していましたが、この本だけは宝箱に。
大人になってから再び手にしたくなったけど、すでに廃版になっていたためどの古本屋にも図書館にも置いてなかった。この本を見つけてきて私にプレゼントしてくれる人と結婚すると心に決めたけど、アマゾンでいとも簡単に自分で手に入れてしまいました。
主人公の女の子と同じような生き方を私はしていると思います。
彼女は幸せになりましたが、私はこの本の中盤でずっととまっています。