釜ヶ崎合唱団<労働者たちが波乱の人生を語った>

制作 : 秋山高廣  装丁:鈴木一誌 
  • ブレーンセンター
2.50
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 34
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833905527

作品紹介・あらすじ

様々な思いを胸に秘め、日々仕事に励む大阪・釜ヶ崎の労働者たち。
望郷の念や亡き母への思慕、叶えられなかった夢・・・など。
そんな思いを彼らが語ってくれました。そこには懸命に生きてきた人間のみが放つ生命の輝きがあります。
彼らの声に耳を澄ませた時、あなたの心はどんなふうに共鳴するのでしょうか。

「本書について」
釡ヶ崎に暮らす労働者の方々や関係する方々を毎回一人取り上げて、ご本人に語っていただく絆通信の人気コーナー「こんにちは、がんばってます!」を過去にさかのぼり、70名の仲間たちの記録と読者からのお便りなどを掲載しています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 釜ヶ崎で1975年12月10から今まで一日も休むことなく、朝夕と一日2回、炊き出しを続けている釜ヶ崎炊き出し会。
    その会が発行している「絆通信」の人気コーナーの記事が掲載されている。

    60名に及ぶ「なかまたち」の話と、4名の「支える人々」の話、そして、絆通信読者のお便りが収められている。

    ホームレスの人を排斥したり、襲ったりする人たちがいるけれど、彼らが何をしたというのだろう。

    一人一人いろんな環境の中で育ってきた。それはその人のせいではない。ちょっと歯車が狂い、また社会の状況も合わさって、ホームレス状態になってしまった。

    ホームレス状態になった人たちは、怠けていたわけじゃない。むしろ一所懸命働いていた。でも、ふとしたきっかけで仕事を辞め、その後転職を繰り返していくうち、不況で仕事がなくなっていった。

    家庭的に恵まれない人たちもいた。その生い立ちを読むと、信じられないほどに厳しい環境にあった人たちも多くて、少なからずショックを受けた。

    一番衝撃だったのが、生まれて直ぐに施設に入れられた人の話。その人は私より7歳年上。こう書いていた。
    「ずっと施設生活だったから、この世の中にお父さん、お母さんという存在がいるということすら知らなかった」


    「社会のありようとして〈いのち〉を差別されたり〈誇り〉を奪われたりすることのないように助け合って生きたい」と「絆通信」の読者の一人が書いていた。

    その言葉通りだと思う。
    みんなおんなじいのち。そのことをこの本を読んで、改めて噛みしめた。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1975年12月10日から、釡ヶ崎で炊き出しを始められました。44年間毎日続けられ、2018年8月末現在、延べ提供数は749万1613食にのぼります。また1982年から機関紙「絆通信」を発行し、現状年4回各3,500部、B5判16頁、全て手書きで発行が続けられています。

「2018年 『釜ヶ崎合唱団<労働者たちが波乱の人生を語った>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×