- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784831877239
作品紹介・あらすじ
雄勁の書風をもって書道史上にその名を留める顔真卿。
しかし書はその一局面の表出に過ぎない。
安史の乱とそれに続く激動の時代のなかで、
節義に生きた顔真卿の等身大の人物像を、
中国の歴史・文学・思想に精通した著者が
堅実な史料解釈と余韻ゆたかな筆致で描き出す。
書き下ろしの本格的人物伝!
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険しい時代を生きた顔真卿。『旧唐書』は巻一二八に、『新唐書』は巻一五三に顔真卿の伝記を備えている。また顔真卿自身がのこしたさまざまの書作品や少なからざる詩文が今日に伝わる。それらに基づいて、あらかたは伝記風にその生涯をたどりつつ、せいぜい等身大の人物像を描くことにつとめたい。《「はじめに」より》
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「書は人なり」。いやそれ以上に、書よりもまずなにより大切なのは人間なのだ。両『唐書』に真卿の書についての記事が少ないのは、真卿にとってなんら不名誉なことではなく、むしろ名誉とすべきことがらなのかもしれぬ。後世の人間にとって顔真卿の名が想起されるのは、なによりもその書芸術によってではあろうけれども、しかしながら書芸術はあくまでも人間顔真卿の一局面の表出に過ぎないのであり、おそらく真卿自身も、あらゆる学芸や徳義を兼備するところの均衡のとれた人間を理想としたのにちがいない。「慎んで書を以て自らに命(な)づくること勿(な)かれ」、くれぐれも書をもって表看板とするようなことがあってはならぬぞ、このように戒めた五代の祖之推の遺訓を真卿は裏切ることはなかったのである。《本文より》
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※初刷は限定仕様カバー
感想・レビュー・書評
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本の最初のほうに顔家の家訓として
;一定以上出世してはいけない
;名家の娘と結婚してはいけない
というのが紹介されます。
実際、顔家の人は当時同じくらいの家格だったのであろう殷家というところとずっと通婚し続けます。何があったのかよくわかりませんが、顔真卿は科挙に受かり、名家の娘と結婚しています。
そんなところが興味深く感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
31頁:王孫とはお猿さんこと。
・お猿さんノこと?
35頁:なつかしい再開を果たした
・再会
53頁:岑参「顔平原を送る」「(天宝)十二年(七五三)……」。
・この本の記載によると,天宝は,3年目から「年」ではく「載」に改められたようだ。してみると,岑参が無頓着なのか,公式文書はともかく唐代ではそれほど厳しく強制されなかったのだろうか。
96頁:陷り
→陥り