至高聖所

著者 :
  • ベネッセコーポレーション
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本棚登録 : 82
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828824178

作品紹介・あらすじ

ピュアで乾いた鉱物質の新構想大学に入学し、寮生活を始めた沙月とルームメイトの真穂。奇矯な行為を見せる真穂とは気持ちがすれちがうばかりであったが…。ギリシアのアスクレピオス神殿の最奥にあるという夢治療の場「至高聖所」を舞台にした真穂の戯曲。そこに込められた淋しさの慰撫の願い。涙には溶けない鉱物質の孤独が、もう一つの孤独へ寄り添う過程を見事に描くキャンパス小説。第106回芥川賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 筑波大の風景、石の広場や図書館、宿舎などの風景とシンクロして、自分が体験したことのような感覚があった。

  •  
    ── 松村 栄子《至高聖所アバトーン 1991‥‥ 19920201 福武書店》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4828824170
     
     
    (20231128)

  • 表題作は芥川賞受賞作品。
    孤独な個と個が響きあうとき、ひとは他者という存在、自分という存在に初めて近づくことができる。眠ることで現実は何一つ変わらないし、心が満たされることはない。けれども眠りが与えてくれるほんのわずかな安息を求めてひとは眠りにつくのだ。
    唯野教授が言うように、流し読みは現代文学においてできないということを痛感した。どの言葉一つとっても、松村さんのひとを見つめるまなざしがこれでもかというほどにあふれている。収録されているもうひとつの作品は表題作品と違い、どこかほんわかした感じが好き。

  • 十代の多感な時期にこの本に出会うことができて良かったと思います。大好きな作品です。

  • 芥川賞受賞作の中ではライトな感じで、
    簡単にいうと、
    たしか甘酸っぱい記憶がよみがえる感じw

  • 少女文学。
    以上。

  • 第106回 芥川賞 初版

  • 人生で出会った大事な本の一つ。絹のような眠りがそこにあった。

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著者プロフィール

1990年『僕はかぐや姫』で海燕新人文学賞。92年『至高聖所(アバトーン)』で芥川賞。他に自身の茶道体験を綴った『ひよっこ茶人、茶会へまいる。』、武家茶道を軸にした青春小説『雨にもまけず粗茶一服』『風にもまけず粗茶一服』『花のお江戸で粗茶一服』、古典を繙く『京都で読む徒然草』などがある。

「2019年 『夢幻にあそぶ 能楽ことはじめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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