超国家権力の正体

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  • ビジネス社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828424811

作品紹介・あらすじ

国際政治のウラを苫米地博士が読み解く

感想・レビュー・書評

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  • コロナワクチンや太陽光発電、コオロギ食などあまりにも国民を無視した馬鹿馬鹿しい方針が打ち立てられる昨今。その背景には、定期的に世界経済フォーラムを開催し、各国の代表を呼び寄せ、実現目標(アジェンダ)を伝えるグローバル企業の存在がある。そういった国家よりも力を持った私企業の面々を著者は超国家権力と呼ぶ。

    新たな支配者層である超国家権力は、なぜ人々を無視した好き勝手な実現目標を掲げるのか。そこを探るため、著者は大航海時代にまで遡り、バスコ・ダ・ガマがインド洋の国々とは正式に貿易はせず、武力を通して略奪していく、その残虐な行為をする自分を許せてしまうメンタリティに着目する。そこにはキリスト教という信仰があり、そもそも彼らにとっては残虐な行為も善意である、というホラーよりも恐怖な展開が待っている。

    この本は一度目を通しておいた方が良いように思う。巷の陰謀論と内容は被るところもあるが、陰謀論では終わらない何かがある。有名企業である三菱重工も、今や株主の30%強が外資になり、そのために会社の方針にも欧米の横槍が入る。実際、最近三菱重工が国産ジェットの開発を断念したのも、日本が国として儲かり力を持つような事業には横槍が入る1つの例であるらしい。そういった仕組みで経済的に支配されていくのかと恐怖を覚える。

    それら権力に対抗するには、我々が「革命権」を行使すること。まずは選挙で世界経済フォーラムのアジェンダに迎合しない議員に投票することから始まるとある。

  • はじめに
    第1章 超国家の歷史
    アジアに戦争をもたらしたヨーロッパ
    「発見の時代」「探検の時代」
    未開人扱いだったバスコ・ダ・ガマ
    未開の地ヨーロッパ
    最悪のカブラル
    災厄のダ・ガマ
    傲慢さの極みトルデシリャス条約
    神が認めた領土
    ポルトガル海上帝国の誕生と実態
    オランダ東インド会社の登場
    バンダの殺戮者
    イギリス東インド会社EICの登場
    東洋との出会いで初めて贅沢品を知ったヨーロッパ人

    第2章 戦国大名とキリスト教
    なぜ、キリスト教だけが禁教となったのか?
    宣教師たちは日本征服を企んでいたのか?
    一枚岩ではなかったイエズス会
    スペイン宣教師とポルトガル宣教師は会派が違う
    布教の天才オルガンティーノ登場
    日本人嫌いの宣教師カブラル登場
    宣教師ガスパール・コエリョの野望
    ジャパン・コンクエスト
    キリスト教は日本征服を考えていたのか?
    秀吉のフィリピン征伐
    キリスト教は「本当に」日本征服を考えていたのか?

    第3章 奴隷と資本主義
    キリスト教宣教師と日本人奴隷
    『日葡辞書』に記された奴隷関連の言葉
    二枚舌のコエリョ
    天正遣欧少年使節団の真実
    答えを保留にしたロヨラ
    奴隷売買にお墨付きを与えた宣教師
    カトリック教会と奴隷
    無意味で白々しい勧降状
    奴隷化の残虐性を訴えたドミニコ会のラス・カサス
    カトリック教会が最も世俗的になっていた時代
    プロテスタントとカトリック、ヨーロッパを二分する勢力
    奴隷こそが資本主義の根幹

    第4章 銀の時代
    カトリック勢力の金庫番
    王たちに融資するのは愚の骨頂
    自分で自分の首を絞めるスペイン
    ネーデルラントの乞食団
    スペイン銀の意義
    常に奴隷が絡むヨーロッパ経済
    銀を欲した明の事情
    暗躍する明の密貿易商人たち
    「グローバリズムは1571年に始まった」
    徳川方についたオランダが日本の銀を独占
    イギリスによるインド支配
    アヘンを売る自由

    第5章 神と超国家
    残虐行為の正当性
    神をわかったつもりになっている私たち
    オランダ人はなぜ、ローマ教皇に逆らうことができたのか?
    カルヴァン派の聖書原理主義
    カルヴァン派を強烈に支持した商人たち
    資本主義は神の教えに適っていた
    なぜ、オランダは最後に勝利できたのか?
    2つの権威
    神の存在とそれを支える論理
    誰がための国家か
    超国家勢力の誕生
    資本主義とは「国民よりもお金が上」
    超国家勢力は神の御心に従っているから強く怖い
    超国家勢力が信じる神とも対抗できる「革命権」の行使こそ
    おわりに
    あとがき

  • 2024年25冊目。満足度★★★☆☆

    理系の博士の本なので、テクノロジーの話が多く出てくると思いきや、完全に歴史の本でした。

    想像していた本とは全然異なる内容でした。

  • グローバリズムというものがどのようにできたのかを紐解く世界史が学べる本。
    帯に書かれているワクチン、SDGs、昆虫食については最後のほうで出てくる程度なので、そちらの解説を目的に読むと少し期待外れに感じるかもしれない。

    いま彼ら(世界の1%の大富豪支配層)が地球の99%を新たな形で奴隷にしようとしている。
    欧米ではこれに反発して大規模なデモがあちこちで行われているが、敗戦国日本、支配層追従の日本ではなにも報道しない。

    報道しない国なのだから、こうした書籍からぜひ情報を得てほしい。

  • グレートリセットのことを知りたくて読んだ。歴史の話が多かったが、内容は興味深い。この著者の本は初めてだが、他の著書も読んでみたい。

  • 現代経済を読み解くための、中世の奴隷貿易やキリスト教などの解説


    相変わらず、世の中に広がっていない説が非常に説得力を持って展開されている。しかも、わかりやすい。
    中世のヨーロッパの力関係や日本の状況、キリスト教の様子を伺えて、そしてそれが今日に繋がっていると知れて興味深さと驚きと怖さを覚える。

  • 銀の話。香港上海銀行がそういう成り立ちとは知りませんでした。

  • 世の中の構造について本質を突いていると思う。目から鱗。苫米地英人さん、すごいな。

  • 最近自分の意見を最後に書いてくれるようになってうれしい

  • お馴染みの苫米地先生。
    苫米地さんの本は何冊か読んでるけど、今回は超国家権力の話。

    最初にネタバレしてしまうと、超国家権力=グローバル企業、ってことなんだけど、大航海時代からの流れで解説してくれているから腑に落ちやすい。今のグローバル企業は、15〜16世紀の植民地を作りまくってた覇権主義国家(株式会社)と同じで、その思想的バックボーンは宗教(キリスト教)にあるわけだ。なるほどね。

    民主主義の敵は資本主義、って言葉もハッとさせられた。

    資本主義=お金至上主義、と言い換えても良い。
    宗教的な価値観がない日本は特にそうだけど、拝金主義が跋扈してる。お金持ってれば偉い人、みたいな。それは単に「お金儲けが上手い人」であって、「尊敬できる人」とは違う。そんな当たり前のことすら忘れられている。子供達の夢がYoutuberな社会だもんな。。

    「革命権」の話は納得。
    自然権≒基本的人権と読み替えても良いだろうが、革命権は自然権ではなく、神が認めた行為、という信条(言い訳)か。たしかに、狂信者に立ち向かうには、こちらも神を持ち出すくらいの強固な思想的バックボーンは必要なのかね。一神教を信じろ、って話ではなく、要するに「敵」はそれをマジガチで信じてる奴ら、ってこと。ある程度大人になるとわかるが、結局強いのは「本気でやってる人」だ。それがどんな思想で、歴史的に見ると結果的に正しくないことだとしても。「本気でやる人」が制度(ルール)を作る。流されやすい人や思想的強度を持たない人は勝ち目がない。そういう話だろう。

    めっちゃ簡単な結論として、「選挙に行け」はわかりやすく、かつ、実行しやすくて良い。

    革命は現実感がないけど、選挙は普通に行われている。今の政府を倒すことだって本来はできるんだから。政治についてちゃんと教えてもらってない若い人には、なかなか伝わらないんだけど。

    最後の陰謀論的な話は余談として読んでおけば良いと思うけど、死んだら地獄行き決定だから不老不死を求める、って理屈は面白かったな。なるほど、そういう考え方もあるのか、と。

    全体的に読みやすくて、納得感のある本でした。

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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